2024/07/16

GnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス」の子宮筋腫を対象とした 国内第Ⅲ相臨床試験の結果について ―主要評価項目を達成―

キッセイ薬品工業 株式会社 

2024年7月16日

GnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス」の子宮筋腫を対象とした 国内第Ⅲ相臨床試験の結果について ―主要評価項目を達成―

キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄、以下「当社」)は、当社創製のGnRH受容体拮抗薬(アンタゴニスト)リンザゴリクス(一般名、国内開発番号:KLH-2109、以下「本剤」)の子宮筋腫を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験2試験(KLH2301及びKLH2302試験)1において、それぞれ対照群に対する非劣性及び優越性が示され、主要評価項目を達成したことをお知らせします。

KLH2301試験は、過多月経を有する子宮筋腫の患者さん287例を対象に、本剤または既存のGnRH受容体作動薬(アゴニスト)のいずれかを24週間投与した実薬対照二重盲検比較試験です。
本試験の主要評価項目である「治験薬投与6週後から12週後までのPBACスコアの合計点が10点未満である症例の割合」において、本剤投与群の対照薬投与群に対する非劣性が示されました。また、副作用の発現率は、対照薬投与群と同程度であり、安全性に関する新たな懸念は認められませんでした。

KLH2302試験は、過多月経及び疼痛症状を有する子宮筋腫の患者さん89例を対象に、本剤またはプラセボのいずれかを12週間投与したプラセボ対照二重盲検比較試験です。
本試験の主要評価項目である「治験薬投与6週後から12週後までのPBACスコアの合計点が10点未満である症例の割合」及び「治験薬投与終了前28日間における疼痛症状に対するNRSスコア最大値が1以下である症例の割合」において、本剤投与群のプラセボ投与群に対する優越性が示されました。また、副作用の発現率は、KLH2301試験と同様の傾向であり、安全性に関する新たな懸念は認められませんでした。

なお、これら試験結果の詳細は、現在、解析中です。

当社は、リンザゴリクスを子宮筋腫の患者さんに早期に提供できるよう、取り組んでまいります。

以上

1 ニュースリリース:2022年7月6日
GnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス」の子宮筋腫を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験開始のお知らせ


《ご参考》

リンザゴリクス(KLH-2109)について
本剤は、経口投与可能なGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)アンタゴニストであり、下垂体に存在するGnRH受容体においてGnRHと拮抗し、性腺刺激ホルモンであるゴナドトロピンの分泌を抑制することで、卵巣におけるエストロゲン産生を低下させます。

子宮筋腫について
子宮筋腫は、子宮筋層を構成する平滑筋に発生し、性ホルモンに依存して増殖する良性腫瘍であり、その代表的な症状は、過多月経とそれに伴う貧血、月経困難症、圧迫症状、疼痛及び不妊です。過多月経や慢性的な疼痛症状は患者さんのQOL(生活の質)にも重大な影響を与えることが報告されています。

PBAC(Pictorial Blood Loss Assessment Chart)スコアについて
生理用品への月経血の付着の程度、使用数、血塊の大きさと数などを点数化したもの。使用後のナプキンやタンポンに付着した出血が少量なら1点、中等量なら5点、多量ならナプキンは20点(タンポンは10点)、さらに血液の塊が2cm程度までなら1点、3cm以上で5点、使用しているナプキンやタンポンから血が漏れてしまったら5点と加算し、1回の月経で合計点が100点を超えると80mL以上の出血があったことが考えられ、過多月経が疑われる。

NRS(Numerical Rating Scale)スコアについて
痛みを「全くない(0点)」から「考えられる最大の痛み(10点)」の11段階で評価し、点数化したもの。



GnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス」の子宮筋腫を対象とした 国内第Ⅲ相臨床試験の結果について ―主要評価項目を達成― 【PDF/275.9 KB

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