2024/07/18

OPDIVO(R)点滴静注、韓国においてシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法による「切除不能または転移性尿路上皮がんの患者のファーストライン治療」に対する効能又は効果の追加承認を取得

小野薬品工業 株式会社 

2024.07.18

研究開発

OPDIVO(R)点滴静注、韓国においてシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法による「切除不能または転移性尿路上皮がんの患者のファーストライン治療」に対する効能又は効果の追加承認を取得

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 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:滝野 十一)は、韓国の現地法人である韓国小野薬品工業株式会社が、抗PD-1抗体、OPDIVO(R)(一般名:ニボルマブ)点滴静注(以下、オプジーボ)について、7月17日にシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法による「切除不能または転移性尿路上皮がんの患者のファーストライン治療」に対する効能又は効果の追加承認を韓国食品医薬品安全処(MFDS)から取得しましたので、お知らせします。

 今回の承認は、未治療の切除不能または転移性尿路上皮がん患者を対象に、オプジーボとシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法と、それに続くオプジーボの単独療法をシスプラチンおよびゲムシタビンによる併用療法を比較評価した第Ⅲ相試験であるCheckMate -901試験(CA209-901:ONO-4538-56)の結果に基づいています。本試験では、オプジーボとシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法と、それに続くオプジーボ単剤療法が、化学療法単独と比較して、主要有効性評価項目である全生存期間(OS)および盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)で統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。本試験におけるレジメンの安全性プロファイルは、このレジメンでこれまでに報告されているものと一貫していました。新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 尿路上皮がんの適応症に関しては、韓国で2017年8月にオプジーボ単剤療法で「プラチナ製剤を含む化学療法後に病勢進行した局所進行または転移性尿路上皮癌」、および2022年2月に「根治切除後の再発リスクが高い筋層浸潤性膀胱癌(MIBC)患者の術後補助療法」の効能又は効果で承認を取得しています。

CheckMate -901試験(CA209-901:ONO-4538-56)について

 CheckMate -901試験は、未治療の切除不能または転移性尿路上皮がん患者を対象にオプジーボとヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法(主試験)またはオプジーボとシスプラチンおよびゲムシタビンによる併用療法(副試験)と、それに続くオプジーボ単剤療法を標準治療である化学療法単独と比較評価した無作為化非盲検第Ⅲ相試験です。
 CheckMate -901試験の副試験では、シスプラチンに適格な患者が、オプジーボ360 mgとシスプラチンおよびゲムシタビンによる併用療法を3週間間隔で最大6サイクルまで投与し、その後オプジーボ単剤療法で480 mgを4週間間隔で、病勢が進行するか死亡するまで最長2年間投与する群、またはシスプラチンおよびゲムシタビンを3週間間隔で最大6サイクルまで投与する群のいずれかに無作為に割り付けられました。本試験の主要評価項目は、全生存期間(OS)および盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)です。今回の結果は、同評価項目の最終有効性解析に基づくものです。
 なお、オプジーボとヤーボイの併用療法を標準治療である化学療法と比較評価する主試験は進行中です。

尿路上皮がんについて

 膀胱がんは、2022年では世界で610,000人以上が新たに診断され、9番目に多いがん腫であり、毎年220,000人以上の方が亡くなっています。膀胱の内側に並ぶ細胞で最も多く発生する尿路上皮がんは、膀胱がんの約90%を占めています。尿路上皮がんは、膀胱に加えて、尿管および腎盂を含む尿路の他の部分に発生することがあります。尿路上皮がんの大多数は早期に診断されますが、再発率と病勢進行率は高く、切除術を受けた患者の約50%が術後2~3年以内に進行・再発します。転移性がんとして再発した患者の予後は不良で、全身療法を受けた場合の全生存期間(OS)の中央値は約12~14カ月です。

オプジーボについて

 オプジーボは、programmed cell death-1(PD-1)とPD-1リガンドの経路を阻害することで身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、日本で2014年7月に悪性黒色腫で承認を取得以降、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。現在、日本、韓国、台湾、米国およびEUを含む65カ国以上で承認されています。
 日本では、2014年7月に「根治切除不能な悪性黒色腫」の効能又は効果で承認を取得し、2014年9月に同適応症で発売しました。その後、2015年12月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」、2016年8月に「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」、2016年12月に「再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫」、2017年3月に「再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌」、2017年9月に「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌」、2018年8月に「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫」、2020年2月に「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌」と「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な進行・再発の食道癌」、2021年12月に「原発不明癌」、2022年3月に「尿路上皮癌における術後補助療法」、2023年11月に「悪性中皮腫(悪性胸膜中皮腫を除く)」、および2024年2月に「根治切除不能な進行・再発の上皮系皮膚悪性腫瘍」の効能又は効果の追加承認を取得しました。
 また、肝細胞がん、卵巣がん等を対象とした臨床試験も実施中です。

小野薬品工業株式会社とブリストル マイヤーズ スクイブの提携について

 2011年、当社は、ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)と締結した提携契約により、当時、当社がオプジーボに関するすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を供与しました。2014年7月、当社とBMSは、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単独療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

韓国小野薬品工業株式会社について

 韓国小野薬品工業株式会社(所在地:韓国・ソウル特別市、以下、韓国小野)は、2013年12月に設立された小野薬品工業株式会社の100%出資の現地法人です。韓国小野は、韓国での自販体制を構築し、2015年から抗PD-1抗体/抗悪性腫瘍剤、オプジーボ等の自社販売を行っています。韓国の患者さんにアンメット・メディカルニーズを満たすさらなる革新的な医薬品を一日も早くお届けするよう、新規医薬品の開発、販売に取り組んでいます。

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