2024/07/22

「バイオものづくり革命推進事業」で8件の研究開発に着手

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 

「バイオものづくり革命推進事業」で8件の研究開発に着手
―バイオものづくり製品の社会実装を推進し、日本の社会問題解決に貢献―

2024年7月22日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)

NEDOは「バイオものづくり革命推進事業」(以下、本事業)の第2回公募において、バイオものづくり製品の社会実装に向けた研究開発テーマ8件を採択しました。

本事業では、未利用資源の収集・原料化、微生物などの改変技術、生産・分離・精製・加工技術、社会実装に必要な制度や標準化など、バイオものづくりのバリューチェーン構築に必要な技術開発や実証を一貫して支援しています。

NEDOは本事業を通じて、バイオものづくりへの製造プロセスの転換とバイオものづくり製品の社会実装を推進し、日本が抱える社会課題の解決に貢献していきます。

1.概要

植物細胞や動物細胞、微生物などを用いて物質を生産する技術(バイオものづくり※1)は、医薬品や食品にとどまらず、化学品、素材、繊維、燃料など多様な産業領域での活用が見込まれています。従来の化石資源を原料とした、さまざまな製造プロセスの代替となる「持続可能なものづくり」として、次世代の産業基盤となり、日本の競争力の核となることが期待されます。

このような背景の下、NEDOは本事業※2で、未利用資源の収集・原料化や物質生産に用いる微生物などの改変技術、製品の生産・分離・精製・加工技術、社会実装に必要な制度や標準化など、バイオものづくりのバリューチェーン構築に必要となる技術開発および実証を一貫して支援しています。

今般、本事業の第2回公募において、研究開発テーマ8件を実施予定先※3として採択しました。

2.実施テーマ

経済産業省が定める「バイオものづくり革命推進事業研究開発計画※4」に基づき下記の研究開発を実施します。

【研究開発項目〔1〕】未利用資源の収集・資源化のための開発・実証

(a)未利用資源の収集のためのサプライチェーン構築に向けた調査

国内の未利用資源を収集し、バイオものづくりの原料とするために必要となるサプライチェーンを構築する上で必要な調査を実施します。

(b)未利用資源の原料化のための開発・実証

未利用資源をバイオものづくりにおいて一般的に利用される糖や油脂、その他有機物などの原料に変換する上で必要となる技術の開発と未利用資源の収集および原料化実証を行います。

(c)循環型バイオものづくりを進めるための原料としてのバイオ製品等の収集実証

未利用資源の原料化プロセスでは、対象とする未利用資源の種類や品質によって技術課題が異なり、商業生産時に使用される原料と近い条件の原料調達が必要となります。今回、未利用資源およびバイオものづくり製品の分別、収集などのサプライチェーンを構築するための実証を行います。

【研究開発項目〔2〕】産業用微生物等の開発・育種及び微生物等改変プラットフォーム技術の高度化

(a)産業用微生物等の開発・育種

未利用原料などを利用して物質を生産する機能をもった微生物などの物質生産機能の向上や、高い物質生産機能を保ったまま従来とは異なる原料を利用可能で、かつ最終製品を市場投入可能な価格水準(代替候補製品の1.2倍以下)で生産可能な性能をもつ微生物などを開発します。

(b)産業用微生物等の開発・育種を通じたプラットフォーム技術の高度化

未利用原料などを利用した物質生産機能をもつ産業用微生物などの開発・育種を通じ、バイオ×デジタル技術を駆使して微生物などを効率的に改良することが可能な改変プラットフォーム技術の高度化を目指した研究開発を行います。

【研究開発項目〔3〕】微生物等による目的物質の製造技術の開発・実証

微生物などを用いて商用スケールで物質生産を行う際に必要となる大量培養などのスケールアップに伴う技術の開発や生産実証を行います。

【研究開発項目〔4〕】微生物等によって製造した物質の分離・精製・加工技術の開発・実証

発酵や大量培養といった微生物などを用いたプロセスによって生産した物質などを培地などから分離・精製し、最終製品へと加工することに伴う技術の開発と生産実証を行います。

研究開発項目〔3〕および〔4〕の実施によって、未利用原料などからバイオものづくりで生産した物質の製造コストについて、最終製品を市場投入可能な価格水準(現行製品の1.2倍以下)まで低下させる技術の確立を開発目標とします。

【研究開発項目〔5〕】バイオものづくり製品の社会実装のための評価手法等の開発

バイオものづくり製品の社会実装を進めていくことを目的としたLCA※5確立の取り組みと、加えてその他一つ以上の社会実装に向けた取り組みを行います。

実施予定先と事業テーマの詳細は、以下の実施予定先一覧と事業概要資料をご覧ください。

3.今後の予定

NEDOは本事業を通じて、バイオものづくりへの製造プロセスの転換とバイオものづくり製品の社会実装を推進し、日本が抱える社会課題の解決に貢献していきます。

また、より多様な原料と製品を出口としたバリューチェーンを構築すべく、2024年8月以降に第3回の公募を実施する予定です。

【注釈】

※1 バイオものづくり
遺伝子改変技術などにより、微生物などが従来保有する物質の生産能力を増加させる、新しい目的物質の生産能力を獲得させる、あるいは原料の酵素分解など等により目的物質を得るといったテクノロジーです。新しい資本主義のグランドデザインおよび実行計画(令和4年6月7日閣議決定)においても科学技術・イノベーションの柱の一つと位置づけられるなど、経済成長と社会課題の解決の二兎を追えるイノベーションとして、政府が強力に推進していくべき重要技術と考えられています。
※2 本事業
  • 事業名:バイオものづくり革命推進事業
  • 実施期間:2022年度~2032年度(予定)
    テーマごとにステージゲート審査を設定します。
  • 事業概要:バイオものづくり革命推進事業
※3 実施予定先
採択条件を満たさない場合は不採択となる場合があります。
※4 「バイオものづくり革命推進事業研究開発計画」
バイオものづくり革命推進基金の適切かつ効率的な執行に向けて、経済産業省においてバイオものづくり革命推進基金で実施する内容を「研究開発計画」として策定しました。
バイオものづくり革命推進事業研究開発計画(1.7MB)
※5 LCA
ライフサイクルアセスメントのことです。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO バイオ・材料部 バイオものづくり室 担当:大石、長谷川、佐藤

TEL:044-520-5210 E-mail:bio_revolution[*]nedo.go.jp

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 経営企画部 広報企画・報道課 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press[*]ml.nedo.go.jp

E-mailは上記アドレスの[*]を@に変えて使用してください。

  • 新聞、TVなどで弊機構の名称をご紹介いただく際は、“NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)”または“NEDO”のご使用をお願いいたします。

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