2024/07/25

水上都市プロジェクトの早期実現に向けてオランダ企業FlexBase社とパートナーシップ契約を締結しました[長大]

人・夢・技術グループ 株式会社 

水上都市プロジェクトの早期実現に向けてオランダ企業FlexBase社とパートナーシップ契約を締結しました

水上都市 浮体構造物 海面上昇

2024年07月25日

株式会社長大(本社:東京都中央区、代表取締役社長:野本昌弘)は7月24日、浮体構造物の竣工実績を持つFlexBase社(本社:オランダ)とパートナーシップ契約を締結しました。

当社では浮体構造物*1の利用による「水上都市プロジェクト」に取り組んでいます。近年増加している水害や地球温暖化による海面上昇のリスクに備え、これに合わせて海面の利活用を促進し、安全かつ持続可能な生活基盤を提供することを目的としています。

調印式は長大本社技術センターで開催、FlexBase社からは最高技術責任者 Jan Willem Roel (ヤン・ウィレム・ロエル)氏、当社からは代表取締役社長の野本らが出席しました。また、オランダ大使館公使参事官のピーター・テルプストラ氏にご列席いただきました。

ヤン氏からは「長大、FlexBase社はともにイノベーションに前向きな会社であり、長大と一緒に日本や世界における水上都市を実現したく、また、実現できるとも考える。」と長大への期待を述べていただきました。当社の野本は「橋梁や道路設計の際に、EPS工法が身近だったことがFlexBase社に興味を持つことにつながった。ただ、私には水上で使うという発想は無かったので、素晴らしいイノベーションだと感じた。長大の技術との融合によって、さらにイノベーションを推進していきたい。」と話しました。来賓のピーター氏からは「日本とオランダ企業が協働できてとても嬉しい。オランダは水資源や気候変動といった課題を重要視している。水上都市は柔軟なインフラだ。課題の解決策につながるといい。」との祝辞をいただきました。



(左から) FlexBase社 最高技術責任者 Jan Willem Roel (ヤン・ウィレム・ロエル)氏、大代表取締役社長 野本



■契約締結の背景・目的

長大は、2019年から水上都市プロジェクトに取り組んできました。①新型浮体技術の確立と展開、②浮体建築物*2の早期実現、の2つの側面から取り組みを進めています。①の新型浮体技術については、2021 年 5 月に東京大学と共同研究契約を締結し、2023 年 9 月に水上都市を想定した浮体構造物に関する特許を取得しました。②の浮体建築物の実現については、その第1フェーズとして、小規模な水上商業施設(レストラン、ホテル等)の事業開発を計画しています。ただし、日本では浮体建築物を構築した前例が少なく、実現に向けてはまだまだ多くの課題解決が必要でした。

そこで、当社は2023年からこの分野で多くの実績を持つFlexBase社とパートナーシップ関係の構築に向けた協議を進めてきました。FlexBase社はオランダ及びシンガポールを中心に浮体構造物の竣工実績を持つ企業で、豊富な実績に基づく知見・ノウハウを有しています。日本での展開を目指すFlexBase社、そして浮体建築物の早期実現を目指す長大。両社の方向性と思いが合致したことから、この度のパートナーシップ契約締結に至りました。


■契約の内容

当該契約は、次の項目について取り組みを進めることを定めています。

・ Flex Base社 の技術を活用するための資材調達の検討
・ Flex Base社 の浮体構造物を活用した浮体建築物を含む利用方法の検討

・ Flex Base社 の浮体構造物を活用した国内での実証及び浮体建築物構築による事業化の推進 等



当社は、この度の契約締結により、FlexBase社が先行して持つ浮体構造物のノウハウと当社の持つ特許技術をはじめとするノウハウを組み合わせることで、日本における浮体建築物の早期実現、また、世界における水上都市の実現を図ることができると考えています。


FlexBase社の浮体技術の特徴は、通常土木工事で利用されるEPS(Expanded Poly-Styrene:発砲スチロール)工法を活用している点にあり、すでに、オランダをはじめ世界各地で実用化されています。

EPS工法は日本では橋や道路の建設などで使用されていますが、浮体構造にはあまり活用されていません。

そこで、そのノウハウを学ぶため今回のパートナーシップ契約締結後、最初の取り組みとなる社員向けのワークショップを7月24日、25日に本社技術センターで開催いたしました。浮体技術、EPS工法に関する知見や事例などについて、当社の構造やまちづくり分野の社員にレクチャーしていただきました。

参加した社員からは「オランダのように水上・海上の利用について積極的な国がある一方で、日本と同様に法規制が定まっておらず、社会受容性が低い国の方が多いと感じます。そうした環境がある中で、バングラデシュやフィリピン等の諸外国は、どのように課題をクリアしたのか。 FlexBase社のもつ浮体技術だけでなく、事業化を推進するための知見・ノウハウを教えていただき、大変勉強になりました。」という感想が聞かれました。




FlexBase社 最高技術責任者 Jan Willem Roel (ヤン・ウィレム・ロエル)氏と長大社員のワークショップ


当社は、島国である日本には浮体建築物を海上活用できる可能性があり、また、水上商業施設は地域のシンボルとなり地域活性化にもつながる可能性があると考えています。短期的な事業計画としては、小規模な水上商業施設(レストラン、ホテル等)の事業開発を計画しています。

ただし、水上への建設には陸地への建設とは全く異なる許認可が必要になります。何より、新しい構造物の事業展開には社会受容性を高めることが必須です。

今後、オランダや世界各地で実績を持つFlexBase社の有する知見も得ながら、日本、また世界での水上都市の実現に向けての取り組みを進め、安全かつ持続可能な生活基盤の提供を実現してまいります。



*1)浮体構造物:浮体部分を指す

*2)浮体建築物:浮体部分に加え、浮体上部の建築物も指す



調印式 集合写真

(左から)長大 今井、取締役 加藤、代表取締役社長 野本、

オ ランダ王国大使館 経済・気候 公使参事官 Pieter Terpstra(ピーター・テルプストラ)氏、

FlexBase社 最 高技術責任者 Jan Willem Roel (ヤン・ウィレム・ロエル)氏、人・夢・技術グループ(株) 代表取締役社長 永冶、

長大 菊地、人・夢・技術グループ(株) 常務取締役 塩釜、長大 田中



-本件に関する問い合わせ先-

株式会社長大 経営企画部 広報担当

Eメール:info@chodai.co.jp 電話:03-3639-3465


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