2024/09/27

防衛大臣記者会見 - 木原防衛大臣閣議後会見 1 発表事項 2 質疑応答

防衛省 

防衛大臣記者会見

日時
令和6年9月27日(金)10:51~11:09
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
木原防衛大臣閣議後会見

動画版

1 発表事項

9月20日からの大雨に係る自衛隊の対応についてでございます。石川県において発生した大雨から7日目となりました。改めて、お亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに、被災された全ての皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。本日27日でありますが、自衛隊は、二次災害の防止に細心の注意を払いながら、人員約1,300名、航空機10機の態勢により、各種活動を実施しております。自衛隊の活動状況につきましては、昨日26日までに、148名の救助や孤立地域の解消のために国土交通省等と協力した道路啓開に加え、孤立地域等に向けて水や食料といった生活物資約18トンの輸送、約280トンの給水支援等を実施しております。特に、道路啓開が進み、また輪島市の孤立地域から自衛隊ヘリによる集団避難支援を行うなど、昨日時点では、孤立地域は4か所、輪島市1か所、珠洲市3か所まで減少したと、そのような報告を受けております。しかしながら、現地では、いまだ行方不明、安否不明の方がいらっしゃいます。また、先の地震で被災をし、今回の大雨で再び被災された方々もいらっしゃいます。実際、孤立地域からの避難を今しているところですが、1月の能登半島地震の際に続いて、今回も自衛隊航空機に搭乗された方がおられました。地震からの復興途上にある今回の災害で被災された方々は、長引くおそれのある避難生活をはじめ非常に不安な状態に置かれていることが拝察されます。私ども防衛省・自衛隊は、現地で不安に思っている皆様に支援の手が確実に届くよう、人命救助活動のみならず、生活支援の面からも、引き続き全力を尽くし、被災者の方々の心に寄り添った活動を実施してまいります。

2 質疑応答

Q:25日に、台湾海峡を海自の護衛艦がオーストラリア、ニュージーランドの艦艇と共に通航したとの報道がありました。事実関係を教えてください。その上で、台湾海峡の国際法上の位置づけについて、現在の政府見解を教えてください。また、この件をめぐって、中国側から抗議など接触があったかどうかもお聞かせください。

A:お尋ねの内容につきましては、正に自衛隊の運用に関する事柄であることから、お答えを差し控えさせていただきます。特定の海域の国際法上の地位につきましては外務省にお尋ねいただければ幸いです。また、抗議等の点の御質問ございましたが、昨日来の報道に関連したものだと思われますが、こちらもまた自衛隊の運用に関する事柄であることから、お答えは差し控えさせていただきます。

Q:中国の大陸間弾道ミサイル発射の件なんですけれども、中国国防相が日本時間の一作日午前、44年ぶりにICBM(大陸間弾道ミサイル)1発を発射し、太平洋の公海上に着弾させたと発表しました。最近、日本の領空侵犯や領海への侵入が相次ぐなど、中国は軍事活動を活発化させています。中国のこうした動きに防衛省として、どう対応していくおつもりなのか、お考えをよろしくお願いいたします。

A:中国ですが、国防費を継続的に、しかも高い水準で増加をさせています。加えて、その中身については十分な透明性を欠いたまま、核・ミサイル戦力を含め軍事力を広範かつ急速に強化するとともに、我が国周辺における軍事活動を一層拡大・活発化させています。こうした軍事動向等は、我が国と国際社会の深刻な懸念事項となっているところです。こうした中で、先月の中国軍機による領空侵犯や、今月の中国海軍所属空母による我が国の接続水域の航行など、立て続けに生じている事案に関しては、危機感をもって受け止めているところです。防衛省・自衛隊としては、ICBMを含む中国の核・ミサイル戦力をはじめとする軍事力の増強や、中国軍の我が国周辺海空域における活動の動向について、引き続き重大な関心をもって注視するとともに、情報収集・警戒監視に万全を期しつつ、毅然と対応していく、そのような考えです。

Q:内閣の交代が迫っておりますので、振り返って靖国神社のことでお伺いしたいことが2つございます。まず大臣、今年に入って自衛官の集団での靖国神社の参拝が報じられた時にですね、会見で1974年の次官通達を必要に応じて改正すべきと考えているとおっしゃりました。それは、宗教施設を自衛官が訪れることについて緩和するという趣旨でおっしゃったのかと理解したんですけれども、それは部隊参拝を認めるという方向でおっしゃったのか、あるいは誤解を招きやすい個人としての参拝をよりやりやすくするためということなのか、その方向性を伺いたいのと、次官通達の見直すということに関して、現在まで検討を進めていらっしゃるなら、その進捗を教えていただけないでしょうか。

A:お尋ねの次官通達については、その内容というものは不断に検討し、必要に応じて改正を行うべきものであると、その考えは今も同じです。現時点において、具体的な改正の内容とか時期というのはまだ決まっておりません。私があの時点で申し上げた方向性はですね、あの時にも申し上げましたけれども、次官通達は1974年、その後にですね、1997年だと思うんですけれども、津地鎮祭訴訟が、最高裁判決が行われて、これがいわゆる目的効果基準といって、当時アメリカのレモン・テストを参考に目的効果基準が初めて適用された判例が出て、その後の政教分離の判例というのは、これがスタンダードになってですね、行われていたと、そういう経緯があります。ですので、少なくともそれ以前の1974年の次官通達ですから、今最高裁が判例の判断基準としているですね、目的効果基準というのも踏まえながら、見直しをしなきゃいけないという、そういうことを申し上げたところであります。いずれにしましても、私の考えというのは、国の内外を問わず、国のために尊い命を犠牲にされた皆様方に対して、哀悼の誠を捧げ、尊崇の念を表すことは当然のことだと考えておりますし、私の参拝について、今申し上げたような考えの下で、私人の立場で行ったものであり、自衛隊員に対して何かを求めるものではないということは、言うまでもございません。

Q:今おっしゃっていただいたことに関してなんですけれども、大臣がですね、戦没者の御遺族として終戦の日にですね、靖国を参拝されたという、そのお考えは私もよく分かります。ただ、大臣というのは、防衛省と自衛隊を代表される立場ですので、また御存じのように、先の大戦までのですね、戦没者とか、あるいは自衛官の殉職者とかというのをまとめて追悼する国立の施設というのはないのは御存じだと思います。そういう中で、大臣というお立場の方が終戦の日に靖国を参拝されるというのはですね、やっぱりそういう場所は靖国なんだということで、自衛官の方々の参拝を促すという効果を持つことに、特定の宗教施設でですね、参拝を促す効果を持つことになるのではないかと思うんですけれども、そういうことはお考えにはなりませんでしたでしょうか。

A:自衛隊員が私人の立場で行う神社の参拝についてですね、個人の信教の自由に関する問題であるということは、自衛隊員分かっていると思いますし、これは政府として立ち入るべきではない部分だと思います。私は、靖国神社に参拝すると同時にですね、千鳥ヶ淵の墓園にも参拝をしております。毎年のことです。その部分はあまり報道はされませんけれども、なるべく静かな環境でこういった信教の自由というのは守らなければいけないと思いますし、参拝の自由も守らなければいけないと思っていますが、とりわけ靖国神社を参拝すると、多くの報道機関がそこに集中をして、大きく報道されるということ。しかし、戦没者墓園、千鳥ヶ淵についてはほとんど報道もいなくてですね、そして、そこでは実は、逆に言うと静かに参拝できる環境にあるということですね。ですので、私人としての立場で参拝をしております。公用車も使っておりません。警護官は必要上、同乗させますけれども、ですので、静かな環境で参拝をするということができればですね、逆に促すことにもつながらないのではないかなというふうに思いますが。逆にこれは、私の方から皆様方に対しての問いかけでもあります。

Q:レバノンからの邦人輸送についてお伺いします。政府は、在留邦人を退避させるために、自衛隊機を近く、ヨルダンに派遣する方向で調整していることが分かりました。10月1日にも派遣するという報道もありますけれども、現在の検討状況を教えていただけますでしょうか。

A:そういった報道があるということは承知をしているところですが、政府としては、中東情勢を注視しつつ、高い緊張感をもって邦人の安全確保に万全を期しているところです。防衛省・自衛隊としても、在イスラエルの邦人等輸送のためにC-2輸送機等を本邦で待機をさせており、引き続き、外務省をはじめとする関係省庁と緊密に連携しつつ、情勢の推移に応じて適切に対応してまいる考えですが、これ以上の詳細については、運用に関わることであり、この時点でお答えは差し控えます。いずれにしましても、現地情勢、刻々と変わりつつありますし、重大な関心と、そして懸念をもって注視しながら、適切に対応をしてまいります。

Q:日中防衛当局間のホットラインについてお伺いします。8月26日に中国軍機が長崎県沖で初めて領空侵犯をした際、日中間のホットラインが使用されなかったという報道がありましたが、これは事実でしょうか。

A:報道は承知しております。ホットラインの具体的な使用状況については、正に事柄の性質上、また相手との関係もあり、お答えは差し控えさせていただきます。

Q:関連しまして、日中間のホットラインは、不測の事態が発生した場合に有効に機能すると、意思疎通できると、大臣は確信をお持ちなのか教えてください。

A:ホットラインですが、2018年に運用を開始した日中海空連絡メカニズムの覚書に基づいて、昨年の3月に開設をされております。そしてその後、昨年5月にですね、日中防衛大臣間で初回の通話を実施しています。運用を開始して以降、円滑に意思疎通を行える状態を確保しています。加えて、今年の6月にですね、シャングリラ会合のサイドで私は、日中防衛大臣会合を開催をしまして、引き続き、適切かつ確実に運用していくことも確認をしております。ホットラインについては、信頼醸成や不測の事態の回避などに資することを目的に、引き続き適切かつ確実に運用してまいります。

Q:もう1件関連で確認ですが、ホットラインを使って日本側が呼びかけをした場合に、必ず中国側も応答する関係は構築されていると大臣はお考えでしょうか、教えてください。

A:今申し上げたように、適切かつ確実に運用していくことを確認をしておりますし、それは私の前の大臣の時でしたけれど、しかし6月には直接中国の国防大臣ともそういう確認をしているところです。

Q:関連で、必ず日本側の呼びかけに対しては中国側も応答するという関係は構築されていると大臣はお考えでしょうか。

A:個別の事案における状況には、なかなかそういったことはお答えにくいですが、ホットラインを使用した円滑な意思疎通というのは行われるものだと思っております。

Q:今のホットラインの関連で更問という形でお尋ねしたいんですけれど、ホットラインを使うには使うための準備のようなものがあるというような話もあったりとかですね、実際のハードルはそこまで低くはないというようなことも聞くんですけれども、改めてホットライン、ひいては年次会合を含めたメカニズム自体ですね、改善の余地があるのかどうか、改善すべきところがあるのかどうかという大臣のお考えをお尋ねできたらと思います。

A:先ほど申し上げましたけれども、日中の海空連絡メカニズム、覚書に基づいてですね、これはホットラインが開設をされたわけであります。覚書の内容というのは公表しておりませんし、お答えすることはできないわけですが、ホットラインにつきましては、信頼醸成や不測事態の回避などに資するということを目的にお互いが合意の上でですね、署名をしているところです。適切かつ確実に運用していくということは、今の段階でそういうことになっております。

Q:それは、改善の余地は現時点でないベストな状態のものであるという認識をお持ちだということでしょうか。

A:適切かつ確実に運用していける状態にあると思っております。

以上

この企業のニュース

業界チャネル Pick Upニュース

注目キーワード