2024/10/11

農林水産省 大臣等記者会見 2024年10月11日 - ● (大臣から)石川県下への出張の所感及び大雨被害への支援策 ●石川県下への出張における現地からの要望等 ●衆議院の解散総選挙 ●石破内閣のめざす農政 ●靖国神社秋季例大祭への参拝 ●令和6年産水稲の作柄状況

農林水産省  

小里農林水産大臣記者会見概要

日時 令和6年10月11日(金曜日)10時38分~10時53分 於: 本省会見室
主な質疑事項
  • (大臣から)石川県下への出張の所感及び大雨被害への支援策について
  • 石川県下への出張における現地からの要望等について
  • 衆議院の解散総選挙について
  • 石破内閣のめざす農政について
  • 靖国神社秋季例大祭への参拝について
  • 令和6年産水稲の作柄状況について

冒頭発言

大臣

私から1点報告がございます。昨日、元旦の震災、また、9月20日からの大雨と、二度にわたる大きな災害を受けた奥能登の被災地を視察してまいりました。現地では、輪島市における農地、林地、漁港の被災状況などを視察し、石川県の馳知事と意見交換を行ったほか、農業者の皆様や漁業関係者の皆様から様々な観点から御意見を伺いました。
今回の視察を通じて、短期間での度重なる被災という大変厳しい現実、現場の悲惨な状況、また、農業者の皆様、漁業者の皆様の不安や悲痛な思いを実感しました。しっかりと更に支援をしていく必要性を痛感しました。
このため、農水省としては、地震と大雨からの復旧・復興の一体的な推進を求める被災地の声をしっかりと受け止め、被災地の農林水産業の再開を切れ目なく全力で後押しするため、大雨被害に対しても、能登半島地震の支援パッケージのうち、必要な施策を講じることとしました。
具体的には、今般の大雨災害が激甚災害に指定される見込みであることから、農地・農業用施設等の災害復旧事業の国庫補助率のかさ上げ等の措置が講じられます。例えば、農地は96%ほど、農業用施設は98%ほどの国庫補助率になると見込まれます。それ以外は農業者の皆様や自治体が負担しますが、できれば自治体に負担していただいて、後に地財措置が講じられ、農業者の負担が少なくなるよう、県を通じて要請していきたいと思います。災害関連資金の貸付当初5年間の実質無利子化等の対策を講じます。
また、先日(8日)の参議院本会議で石破総理から答弁したように、農業機械等の再建への支援以外にも、種子や種苗の確保等の水田農業継続のための取組、畜産用の発電機や水の確保等の停電及び断水対策、木材加工流通施設等の復旧・整備等について、能登半島地震と同水準の必要な支援を講じてまいります。加えて、今般の大雨災害が収穫期であったことを踏まえ、新たに浸水のあった農地の農作物残さの処理についても、支援してまいります。私からは以上です。

質疑応答

記者

被災地で様々な意見交換をされたとのことですが、具体的にどんな方からどのような声、要望があったのか教えてください。

大臣

まず、漁港においては、漁業関係者の方々にご案内いただき、ご意見を伺いました。復旧・復興の歩みが進んでいますが、7月に海女漁が実験的に再開され、さらに、9月に建網(刺し網)漁、10月に底引き網漁と、再開されつつあります。11月にはずわいがに漁も解禁ですので、全体として本格操業再開に向けての歩みが進んでいくわけです。これが着実に進むようにと、お声をいただきました。一方で、給油施設、製氷施設、荷捌き場の復旧をさらに急いで欲しいといった声がありました。しっかり受け止めてまいります。
農業者の皆様からは、二度続いたこの大災害で地震によって失った農業用機械を新しく整えたけれども、また被害に遭ったと。その資金繰りや国からの補助がどうなるのだろうとか、いろいろな不安の声、将来に対する経営不安という声をいただきました。そこについては、今回の支援パッケージに基づく支援内容を説明しました。また復旧計画、将来のビジョンをしっかり策定していくことが重要なことです。その辺についても意見交換させていただきました。

記者

一昨日、衆議院解散となり、衆院選が事実上スタートしました。自民党は、派閥の政治資金問題などで厳しい批判を浴びる中で迎える選挙となりますが、所感を聞かせてください。

大臣

この選挙戦を通じて、国民の皆様の声、現場の声、暮らしの声を、改めてお聞きし、その上で国民の皆様の信任を得て、力を得て、新たな体制で本来の日本創生を目指す試みがしっかり進んでいくように期待しています。

記者

石破首相が就任会見で、「国民への判断材料の提供に努める」といった発言がありましたが、政権の農政が見えないといった声も聞かれます。これから議論が本格化する水田政策の見直しも含めて、政権が進める農政について具体的な内容を聞かせてください。

大臣

米政策については、これまでも何度か話をさせていただきましたが、需要に応じた生産をさらに進めていくことが大事です。今後の水田政策については、食料安全保障の強化を図る観点から、米・麦・大豆等の生産性向上等を念頭に置くべきであると思います。将来にわたって安定運営できる水田政策の在り方をしっかり示すことができるようにさらに議論を深め、検討してまいります。 このため、今年度中に策定する予定の食料・農業・農村基本計画の見直しの中で水田政策についても、麦・大豆の生産性向上や米の輸出のさらなる拡大などの点も考慮し、現場をみて、また与党の議論も踏まえて、広くご意見をお聞きしながら、検討を深めてまいります。

記者

水田政策以外では。

大臣

全体として農業・食品産業を取り巻く環境は大変厳しいものがあります。まず、気候変動による影響がありますし、世界の食料事情が大きく変化してきています。そして、(国内の)人口減少により、食料需要が減ってきている。また、農業従事者が急速に減ってきています。こういった変化にしっかり対応して、食料安全保障体制を確立していきたいと思いますし、地球環境に応じた作付、農業生産の在り方を模索し、前に進めていきたいと思います。
また、所得の上がる形で農業経営が将来へ繋がっていくための農業振興策をしっかり進めたい。地域全体として守られて、地域として将来、継続的に発展していくための地域活性化策も含め、農業・農村の振興に努めたいといった観点から新たな農業政策全般をしっかり講じてまいります。



記者

来週17日から19日に靖国神社で秋季例大祭が開かれると承知しています。これに際して、参拝や何かしらの奉納をされる予定があるのか聞かせてください。

大臣

個人として、適切に判断したいと思います。



記者

今日午後に米の作柄が発表されることに関して、9月から収穫が本格化していますが、今年の全国での地域差や収量であったり、なかなか去年よりも思ったより取れていないという声も東北から聞こえてきましたが、今年の作柄の状況などの所感をお願いします。

大臣

令和6年産水稲の作付面積及び(9月25日)現在の予想収穫量及び(水田における)作付状況については、まだ発表前ということで、ここではコメントを控えたいと思います。



報道官

よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上



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