2024/10/17

南カリフォルニア大学においてiPS細胞を用いた肝臓オルガノイド研究を支援

積水化学工業 株式会社 

南カリフォルニア大学においてiPS細胞を用いた肝臓オルガノイド研究を支援

2024年10月17日
積水化学工業株式会社

積水化学工業株式会社(代表取締役社長:加藤 敬太、以下:積水化学)は、南カリフォルニア大学Southern California Research Center For ALPD and Cirrhosis(ディレクター:塚本英和教授、以下:研究センター)への寄付を通して、「セキスイプログラム iPS細胞由来代謝性アルコール関連肝疾患肝臓オルガノイド」(以下:研究プログラム)を支援いたします。積水化学のコンサルタントである研究センター長の塚本秀和教授が研究プログラムを率います。この活動により肝臓疾患に関連したiPS細胞分野の研究の加速が期待されます。

1.研究の背景

iPS細胞は外部の環境に応じてさまざまな組織や臓器の細胞に分化する能力を持っています。iPS細胞から試験管など生体外で3次元的に作られた構造体であるオルガノイドは、ミニ臓器とも呼ばれ、病態解明や創薬などへの応用が期待されています。特に肝臓は非常に複雑な構造や機能を有するため、臓器を模倣した肝臓オルガノイド研究は今後の発展分野と言われています。

研究センターは、南カリフォルニアの主要学術機関から60名の研究者が集まり、アルコールに関連した肝臓・膵臓疾患や肝硬変の研究をリードしています。研究センターが力を入れているのは、アルコールと肥満に関連した代謝機能障害が組み合わさった進行性の慢性肝疾患であり、昨年から「MetALD」という新しい命名法が国際的に採用されています。研究センターは、MetALDの病態に関与する複数の細胞型に関する分子研究のための前臨床モデル開発のパイオニアであり、現在、この分野のリーダーたちとの共同研究を通じて、臨床応用可能な知見を得るために、同様の表現型を持つiPS細胞由来のオルガノイドを開発しています。

関連WEBサイト:Southern California Research Center for ALPD and Cirrhosis

積水化学は、これまで培ってきた材料技術を通して、iPS細胞の培養や分化を安定的に実現するため足場材などの素材やプロセスを開発しています。積水化学の技術は、iPS細胞研究のすそ野を広げるとともに、再生医療の産業化に大きく貢献すると期待されています。今回、研究センターの発展、ひいては肝臓疾患に関連したiPS細胞研究分野の発展に寄与すべく、奨学寄附を行うことといたしました。

関連WEBサイト:コーティング液|足場材|ライフサイエンス事業

2.研究プログラムの目的

研究プログラムでは、代謝性アルコール関連肝疾患の研究のために、iPS細胞由来の肝臓オルガノイドを開発し、使用することを目指します。代謝性アルコール関連肝疾患は、世界的に増加しつつありながら、治療法の選択肢が限られている疾患です。研究センターが前臨床モデルで同定した新規の細胞・分子経路を、開発するヒト肝臓オルガノイドに反映し、治療標的としての可能性を検証します。研究プログラムへは2024年から2025年の2年間にわたる寄付を予定しており、研究成果が新たな治療法の開発等につながると期待されます。


このリリースの画像:
▼研究センター 塚本教授と積水化学 羽根田主幹研究員
https://www.jpubb.com/press/image.php?image=3320069

<本件に関するお問い合わせ先>

コーポレートコミュニケーション部 広報グループ
E-mail:kouhou@sekisui.com


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