2024/12/09

AMED公募課題令和6年度「再生・細胞医療・遺伝子治療産業化促進事業」採択のお知らせ

株式会社 ヘリオス 

2024 年 12 月9日

AMED公募課題令和6年度「再生・細胞医療・遺伝子治療産業化促進事業」採択のお知らせ

当社は、当社が進めているeNK®細胞*の研究開発が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development 以下、「AMED」と言います。)が公募した令和6 年度「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業(再生・細胞医療・遺伝子治療産業化促進事業)(開発補助事業)」(以下、「本事業」と言います。)の支援研究課題として採択されましたのでお知らせ致します。

公募情報
令和6 年度「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業(再生・細胞医療・遺伝子治療産業化促進事業)(開発補助事業)」
研究開発課題名:
HLCN061(遺伝子導入 iPS 細胞由来 NK 細胞=eNK®細胞)の悪性胸
膜中皮腫を対象とした治療方法創出のための研究開発
補助上限額:年間
59,900 千円
(交付決定後~令和8 年度末までの3年間で最大約 1.8 億円)
当社の研究開発は本事業の中の「再生医療等製品を目指した創薬シーズに対する産業化促進研究開発支援」の課題として採択されています。補助金額の詳細につきましてはAMED のホームページ参照ください。

本事業において当社は、非常に予後が悪い希少疾患で、治療選択肢が限られている悪性胸膜中皮腫を対象に、既存の治療とは全く異なる作用メカニズムを有する新しいモダリティーの画期的な治療薬の開発を目指して、治験開始を目標にした研究開発を実施します
注:採択された研究計画では、弊社が開発したNK 細胞大量培養法を検証し、製造した HLCN061 を用いて、薬事規制に沿ったGLP 及び非 GLP 非臨床安全性試験、並びに体内動態試験を完了し、臨床応用可能であることを確認します。さらに、臨床医との共同研究で有用な投与方法と臨床投与時における細胞調製方法等を確立します。本研究終了後、速やかに治験開始を目指します。

AMED は、本事業において、産業化を見据えた再生医療等製品シーズに対し、開発の主
体となるベンチャー等を含む企業が臨床開発に進むために必要な薬事規制に沿った非臨床試験の実施や製造方法の確立、評価指標を開発するため、CMO/CDMO や CRO と連携し薬事対応を意識した開発体制の構築等を通し、当該企業の有するシーズの価値を高めるための支援を行います。この研究開発を通じて、再生医療等製品シーズの価値を高めて、企業治験等の臨床開発だけでなく、将来的にはベンチャー・キャピタル等からの支援資金調達や他の製薬企業等への導出を促進することを目指します。

今後の見通し
本事業による当社 2024 年 12 月期連結業績への現時点での影響はありません。今後、開示すべき事項が発生した場合には、速やかにお知らせいたします。

以上

*eNK®細胞
開発コード:HLCN061(Engineered NK Cells) 遺伝子編集技術により細胞傷害活性の増強だけでなく、患者免疫細胞のリクルート(呼 び込み)や固形がんへの浸潤特性も強化された、当社独自の遺伝子編集iPSC NK 細胞プ ラットフォームです。当社では、eNK®細胞の作製に成功するとともに、自社研究の成果として、eNK®細胞が肺がん同所生着モデルマウス、肝がん皮下移植モデルマウス、胃がん腹膜播種モデルマウス、及び中皮腫皮下移植モデルマウスに対して抗腫瘍効果を有すること、生体におけるがんと同様の環境を有している肺がん患者由来のがんオルガノイド*においても、同様に抗腫瘍効果があることを確認しております。

また、
国立研究開発法人国立がん研究センター現在共同研究にて、国立がん研究センターが保有する複数種類のがん種に由来するPDX(Patient-Derived Xenograft:患者腫瘍組織移植片)移植マウスを用いてヒト肺がん組織に対するeNK®細胞の抗腫瘍効果を確認しております。さらに、国立大学法人広島大学eNK®細胞を用いた肝細胞がんに対するがん免疫細胞療法に関する共同研究を兵庫医科大学eNK®細胞を用いた中皮腫に対するがん免疫細胞療法に関する共同研究を進めております。当社は、治験の開始に向けて、eNK®細胞が抗腫瘍効果をより発揮しやすい固形がんの種類の探索・評価を進めています。

*生体内の組織・器官に極めて似た特徴を有している3次元的な構造をもつ組織・細胞

■株式会社ヘリオスについて
再生医療は、世界中の難治性疾患の患者にとって新たな治療法として期待されています。この分野では、製品開発・実用化への取り組みが広がり、将来的には大きな市場となることが見込まれています。ヘリオスは、iPS 細胞(人工多能性幹細胞)などを用いた再生医 薬品開発のフロントランナーとして、実用化の可能性のあるパイプラインを複数保有するバイオテクノロジー企業です。2011 年に設立し、2015 年に株式上場(東証グロース: 4593) し、再生医薬品の実用化を目指して研究開発を進めています。体性幹細胞再生医薬品分野では、健康な成人ドナー骨髄由来の多能性成体前駆細胞(MAPC)から成る独自の細胞製 品であるMultiStem®を使用した脳梗塞急性期や急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の治験を実施しています。MultiStem®は、強力な抗炎症作用と免疫調節作用を示すことが示されており、さまざまな病態への応用が可能です。後期臨床試験において数百人の患者で試験され、3D 培養法で一貫して製造されており、複数の適応症において数百人の患者で安全性と有効性の両方が実証されています。ヘリオスは、脳梗塞急性期、ARDS、外傷に対し、 MultiStem®をグローバルに推進してまいります。iPSC 再生医薬品分野では、免疫拒絶の リスクを低減する次世代iPS 細胞であるユニバーサルドナーセル(UDC: Universal Donor Cell)を作製し、さらには、遺伝子編集技術により固形がんに対する殺傷能力を強化した次世代 NK 細胞(eNK®細胞)の開発を進めています。eNK®細胞は、動物モデルにおいて強固な抗腫瘍効果を実証しており、大量生産が可能な 3D バイオリアクターでの製造プロセスを実現しています。これらにより、がん免疫領域をはじめ、眼科領域、肝臓領域などで新規治療薬の開発に取り組んでいます。
https://www.healios.co.jp

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