業界初となる疲労亀裂発生寿命を改善した耐疲労鋼板「EX-Facter(R)」の国土交通省/新技術情報提供システム(NETIS)への登録について
株式会社 神戸製鋼所業界初となる疲労亀裂発生寿命を改善した耐疲労鋼板「EX-Facter(R)」の国土交通省/新技術情報提供システム(NETIS)への登録について
― 鋼床版デッキプレートの損傷抑制に貢献 ―
2024年12月13日
株式会社神戸製鋼所
当社の橋梁用鋼板の製品メニューのひとつで、業界初の疲労亀裂発生寿命を改善した耐疲労鋼板「EX-Facter(R)」が、令和6年11月19日付けで国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録されました。登録番号は「KK-240088-A」です。
近年、社会インフラの老朽化が急速に進展する状況下で、大型車の交通量が多い路線を中心に疲労損傷が顕在化しており、鋼製橋梁においては、路面下の床構造部位である鋼床版の疲労損傷対策が課題になっています。
鋼床版は軽量で、また架設期間を短縮できるなどの長所により都市高速等で採用されています。一方で、薄肉材で構成された溶接構造により車両荷重を直接支持する部材のため、疲労損傷が数多く報告されています。
そこで、当社は、鋼製橋梁の疲労耐久性向上ニーズに応えるべく、部材点検時に外観からの目視点検では発見が困難な疲労亀裂発生部位である鋼床版デッキプレートへの「EX-Facter(R)」の適用を提案しており、鋼床版デッキプレートとUリブの溶接部を模擬した疲労試験において1.5倍の疲労亀裂発生寿命の改善効果を確認しました。
NETIS(New Technology Information System)は、国土交通省が民間で開発された優れた新技術を公共工事に積極的に活用していくために、これらの新技術に関わる情報を広く開示・提供することを目的としたシステムです。NETIS登録されたことで、お客様が設計及び施工段階において容易に採用できるようになったため、今後、「EX-Facter(R)」の採用拡大に向けた利用技術提案活動を推進して参ります。
当社は耐久性・安全性向上に関するお客様のニーズに応えるべく、「EX-Facter(R)」の特長を活かした利用技術の開発や提案活動に加え、これまで培ってきた金属疲労に関する知見を活用した新たな価値の創出を通じ、当社グループのマテリアリティのひとつである「安全・安心なまちづくり・ものづくりへの貢献」を推進して参ります。
「EX-Facter(R)」(エクスファクター)
EXcellent Fatigue Crack Initiation Resister
「EX-Facter(R)」は2023年に業界で初めて亀裂の発生を抑制する鋼板として商品化されました。金属材料の疲労過程は、亀裂発生と亀裂進展に分けられます。EX-Facter(R)は、疲労亀裂発生までの損傷に着目し、従来の橋梁用鋼板の該当JIS規格をすべて満足した上で、鋼材にCu、Ni、Siを適量添加することにより、亀裂の発生を抑制する機能を付加した厚鋼板です。鋼製橋梁において疲労亀裂の発生起点が、鋼板または溶接熱影響部となることが想定される部位の疲労亀裂発生寿命が1.5倍以上となることで、鋼製橋梁の疲労耐久性が向上します。
目視点検で発見困難な鋼床版デッキプレート貫通亀裂
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