2025年 社長年頭挨拶
丸紅 株式会社2025年 社長年頭挨拶
2025/01/06
丸紅株式会社
本日9時より東京本社で行われました、当社社長柿木真澄による年頭挨拶を下記の通りお知らせします。
記
1.はじめに
丸紅グループの皆さん、並びにご家族の皆さんに、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
皆さんは年末年始、ゆっくりできましたでしょうか。日本では、今年は比較的休暇が長かったので、たっぷりと英気を養うことができたのではないでしょうか。
2.当社を取り巻く環境について
昨年を振り返りますと、世界では地域紛争の長期化、中国経済の減速など様々な事象が観察されました。中でも、各国でポピュリズムや経済ナショナリズムが強まり、米国大統領選でのトランプ氏の返り咲きをはじめ主要国の選挙で現職、与党が軒並み敗れたことが最大の特徴だったと言えます。
2025年は引き続き大きな変化の年になります。米国新政権の誕生で米中対立がエスカレートするだけでなく、孤立主義に傾く可能性が高まっています。米国が全世界に対し関税を引き上げれば、貿易相手国の報復的な措置につながるなど、世界のトレードフローに大きな影響を及ぼすことは避けられません。あらゆる国、企業が自らの利益や生き残りのために新たな動きに乗り出した結果、国際社会の分断が一層広がる恐れもあります。こうした変化の局面において最適な行動をとるためには、自分の守備範囲だけではなく全体の流れに目を配り、情報を広く集め、分析することがますます重要となってきます。
もちろん、我々にとってポジティブな側面もあります。米国では減税や規制緩和が進み経済の活力が強まる可能性が十分にあります。日本も慢性的な人手不足を受け、あらゆる企業が省力化投資や人材戦略の刷新に取り組むなど経営改革や再編が加速し、変革の中でビジネス機会も拡大していくでしょう。
3.中期経営戦略GC2024と新しい中期経営戦略について
このような複雑な環境の中でも、今年度が最終年度となる中期経営戦略GC2024は順調に進捗しており、定量目標をすべて達成する見通しです。継続的な企業価値向上に向けた資本効率を意識した事業経営の徹底、既存事業の更なる強化と将来への種まきとしての成長投資、更に成長投資の原資となる資産回収も進んでいます。
グリーン戦略も浸透してきました。再エネ由来の電力取り扱いの拡充や銅の持分生産能力の増強など、グリーン事業の強化・拡大も進みました。人財戦略に目を向けると、ミッションを核とする人事制度と職掌区分の廃止により実力本位の適材適所を実現する環境も整ってきたと言えるでしょう。
信用格付会社Moody‘s(Baa1)とS&P(BBB+)の格付は過去最高水準となり、時価総額でも過去最高を更新するなど嬉しいニュースもあり、ステークホルダーの皆様からの期待がさらに高まっていることを感じています。
この3年間、時には痛みを伴う決断もありました。激しく変化する環境の中、各現場で大変な思いをしながら力を尽くしてくださった方々も大勢いらっしゃいます。これらの成果はそうした丸紅グループの皆さん一人ひとりの努力の結晶であり、心より感謝申し上げます。
次期中期経営戦略の議論も佳境を迎えています。キーワードは「ギアチェンジ」です。2024年度の純利益見通し4,800億円を達成すると、4年連続で純利益は4,000億円を超えます。2020年度(2,233億円)以前の水準と比較すると大きな飛躍と言え、新しい景色が見えてきました。次の成長ステージに向けて経営のギアチェンジを図り、持続的な成長を加速するタイミングがきたと考えています。
次期中期経営戦略の推進施策の第一弾として、先月機構改革を発表しました。これまでの5グループ・CDIO傘下の16本部体制を10部門体制に再編し、オペレーティング・セグメントを集約することで、対面事業領域を拡張します。全部門が注力領域・成長領域へのシフトを加速することができる組織体制を構築しています。
次の成長ステージに向けて、新社長となる大本さんともしっかり議論しながら皆さんがより大きな挑戦をできる環境を作り、丸紅グループのステップアップを後押ししていきたいと考えています。
4.おわりに
さて、新年にあたり改めて丸紅グループの経営理念・在り姿を共有しておきたいと思います。丸紅グループの経営理念は、「社是『正・新・和』の精神に則り、経済・社会の発展、地球環境の保全に貢献する、誇りある企業グループを目指す」です。そしてこの理念を実現するための在り姿が、社内外の知見・強みを掛け合わせて新しい価値を生み出し、社会課題を解決することを目指す、「Global crossvalue platform」です。
2025年は、丸紅グループの皆さん一人ひとりがギアを上げ、知識・経験・情熱を存分に発揮し、それらを掛け合わせ、グループ一丸となって大きな挑戦を楽しんでいる、そんな一年にしていきたいと思います。
最後になりますが、皆さんとご家族の安全・健康を最優先とし、充実した一年をお過ごしください。新たな一年が丸紅グループ、そして全世界にとって、素晴らしい年になることを願い、私の新年の挨拶とさせて頂きます。2025年も、どうぞ宜しくお願い致します。ありがとうございました。
以 上