広報から新年のご挨拶と山田社長へのインタビュー
アンジェス 株式会社2025.01.07
広報から新年のご挨拶と山田社長へのインタビュー
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
本年もアンジェスのご支援をよろしくお願いいたします。
本ブログでは、昨年の振り返りをインタビュー形式で紹介いたします。
山田社長:日頃当社をご支援いただいている皆様、あけましておめでとうございます。
広報 Q:
2024年は当社の主要開発品であるHGF遺伝子治療用製品にとって大きな動きがありましたが、山田社長は2024年をどのように振り返りますか
山田社長:
2024年は当社にとって、一つの大きな節目の年になったと思います。
もちろん、その中心はHGF遺伝子治療用製品の米国での臨床試験の結果が素晴らしかったとわかったことです。HGF遺伝子治療用製品は、日本においては遺伝子医薬という理由から重症患者での臨床試験が推奨され、2019年に条件期限付き承認をいただきました。一方、米国では、臨床試験の主導医師の先生方の意見に沿って、軽度から中等度の患者を対象に臨床試験を進めました。その結果、米国での臨床試験の結果でHGF遺伝子治療用製品の有効性が明確に示されました。このことから、国内での本承認申請を一旦取り下げ、米国での承認に向けた活動を最優先することとし、米国の進捗を見ながら日本国内での承認申請に向けた活動を検討することにしました。米国の臨床試験結果は米国心臓学会でも重要なセッションに選ばれ、多くの専門医に向けてその成果が発表されました。
広報 Q:
やはり、2024年のアンジェスは、HGF遺伝子治療用製品がその中心でしたね。HGF遺伝子治療用製品については、投資家の方からいろいろな質問がありましたので、そのうちのいくつかをご紹介します。
広報 Q(1):
早く論文でデータを公表してほしいのですが、なかなか発表されず、不信感を持つ人もいるのではないですか?
山田社長:
当社としても早く公表したいのですが、投稿したジャーナルはこの論文の価値を認めているものの、投稿した順序の関係もあり、これまで公表には至っていません。また、広報活動の中で万一データを公表してしまいますと、論文として発表できなくなるので注意して扱っているところです。
広報 Q(2)
なぜ論文に拘るのですか?
山田社長:
この臨床試験を主導していただいた先生方は、この試験結果を高く評価しており、論文にすることでHGF遺伝子治療用製品の価値と知名度を上げ、また従事した先生方の業績価値を向上させ、その足跡を残す意義があると考えています。また、高い専門性を有する研究者による査読を受けて論文に掲載されることで、審査機関である米国FDAはその価値を一層高く評価します。さらに、HGF遺伝子治療用製品が市場に出た時に、その効果の科学的根拠を広く訴えることができ、製品価値の向上にも寄与すると考えています。
広報 Q(3)
HGF遺伝子治療用製品の効果ってそんなに凄いのですか?
山田社長:
凄いです。
糖尿病の患者さんに多い慢性下肢虚血は、下肢切断のリスクを伴う病気で、病気の初期に下肢潰瘍を伴います。HGF遺伝子治療用製品は、新しい血管を新生して、下肢虚血を改善しますが、同時に下肢潰瘍も改善します。つまり、下肢潰瘍の改善は下肢虚血の改善を反映します。その効果が抜群であることが、この度の米国心臓学会(AHA)で報告され、さらに論文として発表されることで、この効果が具体的、科学的に説明されることになります。
広報 Q(4)
HGF遺伝子治療用製品と同じような(競合するような)薬はありますか?
山田社長:
慢性下肢虚血の特効薬は長い歴史の中で未だに出ていません。主導医師のアームストロング教授もHGF遺伝子治療用製品が初めての特効薬になると主張しています。
特にアームストロング教授は、血管を新生して慢性下肢虚血を改善するメカニズムにより、
(1)創傷治癒を早める
(2)手術(血行再建術など)にかわることでそれに伴う合併症(再手術の必要性など)を回避できる
(3)血行再建術後、遠位虚血が残存し創傷治癒が遅れている場合の潰瘍の治療が可能となる
(4)血行再建術の適応とならない場合の最後の選択肢となる
などの新しい治療が期待されると指摘しています。
そして、がんの治療と同じように、この病気は早期に治療を施して重症に至らしめないことが肝心ということを強く訴えておられます。この考え方は、米国を始め世界中に流布するものと期待しています。
広報 Q(5)
FDAとの交渉はどうなっていますか。本当に米国で承認されるのですか?
山田社長:
とても大事な質問です。FDAとの交渉はしっかり進捗しています。FDAがすでにブレークスルーセラピーに指定しており、その特典を活用して早期承認を目指しています。我々は、HGF遺伝子治療用製品の臨床試験結果を含めて承認を受けるための準備は整っていると認識しており、FDAの意向を尊重しながら本年中の申請を目指しています。
山田社長:以上のように、多くの投資家の皆様からHGF遺伝子治療用製品の今後の進捗を期待とともに見守っていただいております。皆様のご期待に応えられるよう、引き続き一丸となって取り組んでまいります。
本年も引き続き、皆様のお力添えをお願いしたく存じます。