2025/01/14

不要になった作業用ユニフォームを土壌改良材として再資源化

清水建設 株式会社 

不要になった作業用ユニフォームを土壌改良材として再資源化

~焼却処分に比べCO2排出量を約80%削減~

  • 環境
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2025.01.14

清水建設(株)<社長 井上和幸>は、環境経営推進の一環として、不要になった作業用ユニフォームを土壌改良材として再資源化し、廃棄に伴い発生するCO2を削減します。再資源化の第一弾は、作業用ユニフォームのデザイン・機能の一新に伴い回収する約14万着、60tに及ぶ旧ユニフォームが対象になります。以後、年間で約3万着、15t程度発生する着古したユニフォームを回収し、継続的に再資源化します。

当社はこの11月から、新・旧の作業用ユニフォームの交換を進めており、これに伴い処分するユニフォームが膨大な量に及ぶことから、再資源化を検討してきました。その結果、衣類の再資源化に取り組むスタートアップ・クレサヴァ(株)の技術「CIRCULAR FARM(サーキュラーファーム)」に着目、同社が繊維から製造する土壌改良材の効能や安全性を検証したうえで、同社にユニフォームの再資源化を依頼したものです。土壌改良材は、土の通気性や保水性の改善、微生物の多様化・増殖の促進など、植物の生育に適した豊かな土壌を育むもので、農地や林地などで広く使用されています。

再資源化の手順は、当社が不要になった作業用ユニフォームを従業員から回収し、産廃処分業者にて破砕。破砕したユニフォームは、クレサヴァ(株)に引き継がれ、ファスナーやボタンなどの付属品を分別回収後、炭化処理されます。炭化処理の過程で、化学繊維などに含まれる有害物質やマイクロファイバーは、熱分解により無害化されます。この炭化物を原料に土壌改良材が製造されます。

当社ユニフォームからの炭の焼成量は、旧ユニフォームの炭化処理で約8t、以降、毎年約2tが見込まれます。炭1tから、10km2近くの農地や林地に散布可能な土壌改良材が製造されます。また、炭化処理の過程でCO2が発生しますが、クレサヴァ(株)の試算によると、焼却処分に比べCO2発生量が約80%削減されます。

環境省の調査結果(令和4年度循環型ファッションの推進方策に関する調査業務)によると、国内では年間79.8万tの衣服が新規に供給される一方、73.1万tが手放され、一部は再利用されるものの48.5万tが廃棄されています。うち、再資源化されるのはわずか5%程度で、47万tもの衣服が焼却・埋め立て処分されています。日割りにすると1,200tに達し、日々、焼却処分により膨大な量のCO2が発生していることになります。

当社は今後、不要になったユニフォームの回収・再資源化を徹底し、CO2の発生抑制に寄与するとともに、将来的には当社が植林を進めている林地や子会社が運営する菜園などでの土壌改良材の有効活用、炭の建材化などにより、当社グループ内でユニフォームの完全リサイクルを実現する所存です。

≪参 考≫

ユニフォームの再資源化のプロセス

クレサヴァ(株)の概要

所在地 港区六本木6-8-29 8階
電話:03-6812-9401
社 長 園部 皓志
資本金 2億2,300万円
設 立 2017年3月
業 容 サーキュラーファームのテクノロジー開発、OEM&ODM、
コンサルティング事業

以上

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