【記者会見】植田総裁(G20、4月24日分)――G20終了後の加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣、植田総裁 共同記者会見における総裁発言
日本銀行植田総裁記者会見(4月24日)
――G20終了後の加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣、植田総裁 共同記者会見における総裁発言
2025年4月28日
日本銀行
―― 於・ワシントンDC
2025年4月24日(木)
午後5時17分から約18分間(現地時間)
【冒頭発言】
私からは、世界経済に関しまして、足元で不確実性が高まっていて、市場のボラティリティあるいは消費者コンフィデンスへの影響等を十分に注視し、情勢を丁寧に見極めたうえで、中央銀行として適切な政策運営に努めていくことが重要であるという点を指摘しました。また、日本の経済動向や金融政策運営についても説明致しました。
【問】
植田総裁には、IMFは最新の経済見通しで世界経済の見通しを大幅に下方修正しました。今週ワシントンでG20、各国当局との会談で得られた情報も踏まえて、世界経済の先行きやそれが日本経済に及ぼす影響について、現時点でどのようにお考えでしょうか。また、そうした見方を踏まえて、今後の利上げのパスやタイミングについて、どのようなお考えかという点も併せてお願いします。
【答】
世界経済の先行きですけれども、IMFの見方にコメントすることは差し控えたいと思います。そのうえで、出発前までも何度もこういう点についてお話しする機会がいろいろなところでありましたけれども、特に関税の影響に関わるところでいろいろなメカニズムを想定していた、例えば関税の貿易への直接の影響であったり、不確実性が企業・消費者コンフィデンスに影響を与える。それが支出に場合によっては影響を与える。あるいはマーケットに影響を与え、それが経済に影響を与える。更にはそういうことの物価への影響、あるいは貿易の影響の中でサプライチェーンの混乱等が更にまた影響するかもしれない。こういう辺りをいろいろ考えていったんですが、今回様々な方、あるいは様々な会議に出席をして、そういうメカニズムについては各国ほぼ同じようなことを考えているなということを感じました。そのうえで、それぞれの国からそれぞれの立場で、この中のどういう辺りを重要と考えて、あるいはより具体的な話としてどういう情報があるかというような有益な話をいろいろ伺いましたので、これを持ち帰って精査して日本経済の見方を構築するというところにつなげたいと思います。そのうえで金融政策については、そうした見方に沿って適切に判断していきたいと思っております。
【問】
植田総裁にお伺いしたいのは、今回の一連の会合を踏まえまして、いろいろ意見交換があったと思うんですけれども、日銀としては、関税の影響については注視する一方で、経済の見通しが確認できたのであれば利上げを進めていく、調整していくというところに変わりはないか、そして今後の利上げを見極めていくうえで、こういったデータ、特に注目したいデータというのは様々あると思うんですけれども、何か教えて頂ければと思います。
【答】
まず、これまで申し上げている通り、私どもの見通し、徐々に基調的な物価上昇率が 2%に収束していくという見通しですが、これが実現していくとすれば、それに応じて金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくという点には変わりはございません。ただ、これから入ってくる様々な情報に応じて、こういう見通しが実現するという見方がどういうふうに変わっていくか、そこのところについては予断を持たずに適切に丁寧にデータを見ていきたいですし、それに応じて適切に政策を判断していくということではあります。どういうデータを特に見ていくかという点は、これまで申し上げているような様々なデータと特に変わりはありませんが、先ほど申し上げたような関税の影響に関するいくつかのメカニズムのところに関連するデータについては、当然特に注意して見ていきたいとは思っております。
【問】
植田総裁については、トランプ大統領が、その後否定はしたんですけれども、パウエル議長の解任を要求するといった発言が一時ありまして、独立性が担保されているはずの中央銀行についてそういった発言をしたことについて、どういった所感を持たれているのかというのと、トランプ大統領が日銀の金融政策にまで踏み込んでくるのではないかというような見方もあった中で、日銀の金融政策の独立性についてどういうふうに考えていらっしゃるか、教えてください。
【答】
まずFedの独立性に関するご質問ですけれども、Fedについて特にコメントすることは差し控えたいと思いますけれども、一般的に、中央銀行の独立性というものは、経済や金融を安定的に推移させるために非常に基本的に重要な要素であるというふうに考えています。それと関連しますけれども、私どもの目標、物価の 2%の上昇率を持続的・安定的に達成するということを目指して政策を適切に運営していくということに集中したいと思っております。
以上
――G20終了後の加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣、植田総裁 共同記者会見における総裁発言
2025年4月28日
日本銀行
―― 於・ワシントンDC
2025年4月24日(木)
午後5時17分から約18分間(現地時間)
【冒頭発言】
私からは、世界経済に関しまして、足元で不確実性が高まっていて、市場のボラティリティあるいは消費者コンフィデンスへの影響等を十分に注視し、情勢を丁寧に見極めたうえで、中央銀行として適切な政策運営に努めていくことが重要であるという点を指摘しました。また、日本の経済動向や金融政策運営についても説明致しました。
【問】
植田総裁には、IMFは最新の経済見通しで世界経済の見通しを大幅に下方修正しました。今週ワシントンでG20、各国当局との会談で得られた情報も踏まえて、世界経済の先行きやそれが日本経済に及ぼす影響について、現時点でどのようにお考えでしょうか。また、そうした見方を踏まえて、今後の利上げのパスやタイミングについて、どのようなお考えかという点も併せてお願いします。
【答】
世界経済の先行きですけれども、IMFの見方にコメントすることは差し控えたいと思います。そのうえで、出発前までも何度もこういう点についてお話しする機会がいろいろなところでありましたけれども、特に関税の影響に関わるところでいろいろなメカニズムを想定していた、例えば関税の貿易への直接の影響であったり、不確実性が企業・消費者コンフィデンスに影響を与える。それが支出に場合によっては影響を与える。あるいはマーケットに影響を与え、それが経済に影響を与える。更にはそういうことの物価への影響、あるいは貿易の影響の中でサプライチェーンの混乱等が更にまた影響するかもしれない。こういう辺りをいろいろ考えていったんですが、今回様々な方、あるいは様々な会議に出席をして、そういうメカニズムについては各国ほぼ同じようなことを考えているなということを感じました。そのうえで、それぞれの国からそれぞれの立場で、この中のどういう辺りを重要と考えて、あるいはより具体的な話としてどういう情報があるかというような有益な話をいろいろ伺いましたので、これを持ち帰って精査して日本経済の見方を構築するというところにつなげたいと思います。そのうえで金融政策については、そうした見方に沿って適切に判断していきたいと思っております。
【問】
植田総裁にお伺いしたいのは、今回の一連の会合を踏まえまして、いろいろ意見交換があったと思うんですけれども、日銀としては、関税の影響については注視する一方で、経済の見通しが確認できたのであれば利上げを進めていく、調整していくというところに変わりはないか、そして今後の利上げを見極めていくうえで、こういったデータ、特に注目したいデータというのは様々あると思うんですけれども、何か教えて頂ければと思います。
【答】
まず、これまで申し上げている通り、私どもの見通し、徐々に基調的な物価上昇率が 2%に収束していくという見通しですが、これが実現していくとすれば、それに応じて金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくという点には変わりはございません。ただ、これから入ってくる様々な情報に応じて、こういう見通しが実現するという見方がどういうふうに変わっていくか、そこのところについては予断を持たずに適切に丁寧にデータを見ていきたいですし、それに応じて適切に政策を判断していくということではあります。どういうデータを特に見ていくかという点は、これまで申し上げているような様々なデータと特に変わりはありませんが、先ほど申し上げたような関税の影響に関するいくつかのメカニズムのところに関連するデータについては、当然特に注意して見ていきたいとは思っております。
【問】
植田総裁については、トランプ大統領が、その後否定はしたんですけれども、パウエル議長の解任を要求するといった発言が一時ありまして、独立性が担保されているはずの中央銀行についてそういった発言をしたことについて、どういった所感を持たれているのかというのと、トランプ大統領が日銀の金融政策にまで踏み込んでくるのではないかというような見方もあった中で、日銀の金融政策の独立性についてどういうふうに考えていらっしゃるか、教えてください。
【答】
まずFedの独立性に関するご質問ですけれども、Fedについて特にコメントすることは差し控えたいと思いますけれども、一般的に、中央銀行の独立性というものは、経済や金融を安定的に推移させるために非常に基本的に重要な要素であるというふうに考えています。それと関連しますけれども、私どもの目標、物価の 2%の上昇率を持続的・安定的に達成するということを目指して政策を適切に運営していくということに集中したいと思っております。
以上