「NTNポータブル異常検知装置」の販売を拡大
ＮＴＮ 株式会社- 製造現場の人手・経験不足や技能伝承問題をデジタル技術で解決
- 製造業やインフラ分野向けに販売が増加中!
NTN株式会社(以下、NTN)は、「NTNポータブル異常検知装置」の販売を拡大しています。本商品は設備の振動測定、ベアリング(軸受)の異常検知や損傷部位の推定が可能なコンパクトサイズのデバイスです。設備の安定稼働に向けた予知保全の重要性が高まる中、高速・高精度な測定性能と、設置の簡便性や高い実用性などが評価され、幅広い業種で導入が進んでいます。本商品および関連するサービスの提供を通じて、製造現場における保全業務の効率化や突発的な故障に伴うダウンタイムの削減に貢献してまいります。
販売拡大の背景
近年、製造業やインフラ分野では、設備のダウンタイムの最小化に向けて、計画的な保全活動の強化や補修部品の早期確保など故障リスクを低減する取り組みが進められています。加えて、労働人口の減少を背景に、熟練者の経験に依存している設備の異常確認手段をデータ解析などのデジタル技術により非専門的な方法に置き換えたいというニーズも高まっています。
「NTNポータブル異常検知装置」はこれらのニーズに対応する商品として、2020年に販売を開始しました。製鉄や食品、製紙、化学、繊維などの製造業や機械加工分野に加えて、電力・ガス・水道やプラントを含むインフラ分野などの幅広い業種で、電動機、ポンプ、工作機械などの測定に活用いただいています。
本商品を用いることで設備の軸受の損傷を早期に発見し、補修用の軸受に迅速に交換したことで設備の突発的な停止を防止できたなど高い評価をいただいています。
2022年より海外での販売も開始し、特に経済成長が著しいアジア地域で販売を伸ばしています。
「NTNポータブル異常検知装置」によるソリューション事例
事例(1):工作機械(内面研削盤 高周波スピンドル)
- 加工精度が低下した内面研削盤の高周波スピンドルを「NTNポータブル異常検知装置」を用いて測定
- 測定結果より軸受転動体の損傷の疑いが検出されたため、軸受交換を提案
- 当社の補修軸受に交換後、再度測定した結果、振動値が大幅に低下したことを確認
- 軸受交換の効果と、軸受交換作業が正常に行われたことをデータで確認
事例(2):インフラ分野(上下水道 ポンプ設備)
- 軸受部の温度異常が発生したため、「NTNポータブル異常検知装置」を用いて測定
- 測定結果より、軸受そのものには異常がないため、別の原因があることを指摘
- 当社にて設備図面を確認した結果、使用軸受が不適切であり、軸受以外の他の部品が摺動して発熱し、その熱が軸受に伝わった可能性を指摘
- 異常の要因を切り分け、真の原因究明や設備の構造上の課題を突き詰め改善
関連サービスの拡充
NTNでは、本商品の販売に加えて、設備保全業務におけるお客さまの困りごとを解決する各種サービスの拡充にも取り組んでいます。2023年には、これまで培ってきた軸受に関するノウハウ・専門知見を活用し、お客さまの測定データの詳細分析と状態診断、それに加えて推定原因や推奨事項を提案する診断レポートサービスを開始しました*1。さらに、本商品のレンタルサービスや、軸受および本商品の取扱いや測定結果の診断方法を学べる講習会の開催、当社従業員による出張測定など、多彩なサポートサービスも提供しています。
- 2023年7月25日プレスリリース:
「NTNポータブル異常検知装置」を使用した軸受の診断レポートビジネスを開始
https://www.ntn.co.jp/japan/news/new_products/news202300040.html
NTNは中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalの重要施策のひとつとして、アフターマーケット・ビジネスの拡大を掲げており、2035年度には全売上高に占めるアフターマーケット・ビジネスの比率40%を目指しています。この目標の実現に向け、NTNでは商品の選定から納入、使用、監視、分析、交換、保守管理に至るまで、軸受の運用全体を支援する軸受ライフサイクルマネジメントの強化に注力しています。
今後も「NTNポータブル異常検知装置」の販売や関連サービスの拡充に加え、軸受の状態監視を可能にする各種商品・サービスの開発、軸受の不具合原因の調査を含む分析サービスの提供などを通じて、軸受に関するあらゆる課題の解決に取り組み、NTNのブランド価値のさらなる向上と、アフターマーケット・ビジネスの一層の拡大を図ってまいります。
「NTNポータブル異常検知装置」について
設備に取り付けることで、設備の振動測定、軸受の異常検知や損傷部位の推定を行うデバイスです。測定結果はiPadやiPhoneの専用アプリで確認・管理が可能で、クラウドを使わず自社ネットワーク環境で利用できます。わずか7秒でFFT解析*2による精密測定が可能で、アプリの操作性やセキュリティ面でも高い評価を得ています。
- 「高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)」を用いて周波数スペクトルを求め、入力信号を分析・解析する手法
用途
電動機械(電動機、ポンプ、送風機、搬送機械)、プラント設備、工作機械、一般産業機械の設備保全、出荷検査
競合他社品との比較
NTNが提供する軸受ライフサイクルマネジメントに向けた商品・サービス
お問い合わせ先
軸受事業本部 事業戦略ユニット ソリューションビジネス部 TEL:0594-24-2218