ENEOSホールディングス NVIDIA ALCHEMIを活用した液浸冷却液・酸素発生反応触媒の探索・最適化の加速に成功
ENEOSホールディングス 株式会社2025 年 12 月 5 日
ENEOS ホールディングス NVIDIA ALCHEMI を活用した液浸冷却液・酸素発生反応
触媒の探索・最適化の加速に成功
ENEOS ホールディングス株式会社(以下、ENEOS HD)は、NVIDIA が提供する AI 駆動型の化学・材料探索プラットフォームであるNVIDIA ALCHEMI*1を活用し、次世代の液浸冷却液*2に加え、酸素 発生反応(以下、OER)触媒の探索と最適化の加速に成功しました。また、このたび、その成果が NVIDIAのウェブサイトCorporate Blog*3, Technical Blog*4に公開されましたので、お知らせいたします。なお、Supercomputing2025 にて関連の発表をしております。詳細については以下のとおりです。
ENEOS HD は、化学計算を高速化する NVIDIA ALCHEMI を活用し、2 つの事例において大規模な 仮 想 ス ク リ ー ニ ン グ を 実 施 し ま し た 。 こ の ア プ ロ ー チ に よ り 、AI を 活 用 し た よ り 効 率 的 な シミュレーションを行い、その結果である処方の表現の精度向上を実現することが可能となりました。まず、データセンターの熱管理を目的とした液浸冷却液に関しては、約1,000 万種の分子候補を スクリーニングし、誘電率や熱特性などの性能を満たすか実験評価にかける候補を約1,000 種に絞り込みました。また、現在用いられているイリジウム酸化物のコストが課題になっているOER 触媒の 探索では、約1 億種に上る材料群の候補を評価し、合成と試験を優先すべき有望な触媒組成をおよそ1,000 件抽出しました。
これらの結果は、「機械学習原子間ポテンシャル(MLIPs)によるシミュレーションの加速」、および 自動化されたワークフローオーケストレーション*5により、従来は何年も要していた探索プロセスを数か月に短縮できることを示しました。具体的には、熱特性、誘電 特性、触媒活性などの要件を、AIが計算できるような指標に落とし込み、材料探索目標とその選定基準の決定を主導し、さらにENEOS HD の保有する分野固有の専門知識も投入することにより、AI のリソースを探索の計算や検証に集中させることができました。また、NVIDIA ALCHEMI の技術を活用することで、Matlantis のコア技術であるPreFerred Potential(PFP)の計算も数十倍以上に高速化できました。
ENEOS HD は、今後も AI 活用を通じて産業向け研究開発プロセスを大幅に改善するとともに、 効率性と持続可能性の向上を図ってまいります。
*1 Revolutionizing AI-Driven Material Discovery Using NVIDIA ALCHEMI | NVIDIA Technical Blog
*2 2025 年 3 月 31 日発表
NVIDIA ALCHEMI と MatlantisTMの活用によるAI 駆動型の新たな潤滑油・液浸冷却液の探索・最適化を加速
*3 NVIDIA Accelerated Computing Enables Scientific Breakthroughs for Materials Discovery
*4 Faster Chemistry and Materials Discovery with AI-Powered Simulations Using NVIDIA ALCHEMI
*5 シミュレーションの実行からデータ整理・解析までの一連の処理を自動化する仕組み
<ENEOS ホールディングス株式会社 常務執行役員 CTO 藤山 優一郎 コメント>
CTO として、NVIDIA ALCHEMI と ENEOS グループの独自技術によって実現したこの進展を非常に喜ばしく思います。今後もイノベーションを加速し、これらの成果を持続可能な未来に貢献する商用ソリューションへと展開してまいります。
<NVIDIA High Performance Computing および AI インフラ ソリューション担当シニアディレクター ディオンハリス (Dion Harris) コメント>
NVIDIA ALCHEMI の大規模かつ高精度な能力を活用しながら、ENEOS は液浸冷却液から次世代 触媒まで、材料イノベーションを加速するAI 駆動のアプローチを先導しています。本コラボレーションでは、アクセラレーテッドコンピューティング上の領域特化型 AI が、科学的発想を産業に応用 する過程を大幅に短縮できることを示すものです。
<Supercomputing 2025 での発表について(参考)>
日時:
2025 年 11 月 18 日、米国中部標準時(CT)午後 12 時 30 分から午後 1 時
場所:
NVIDIA ブースシアタートーク
タイトル:
Harnessing Unprecedented Computational Efficiency for Novel Materials Discovery with NVIDIA ALCHEMI
発表者:
ENEOS ホールディングス株式会社 AI イノベーション部
辻本浩行、川見洋一郎、蓬田憲太郎、後藤正直
公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://www.hd.eneos.co.jp/news/release_information/upload/20251205_01_01_mr03.pdf
ENEOS ホールディングス NVIDIA ALCHEMI を活用した液浸冷却液・酸素発生反応
触媒の探索・最適化の加速に成功
ENEOS ホールディングス株式会社(以下、ENEOS HD)は、NVIDIA が提供する AI 駆動型の化学・材料探索プラットフォームであるNVIDIA ALCHEMI*1を活用し、次世代の液浸冷却液*2に加え、酸素 発生反応(以下、OER)触媒の探索と最適化の加速に成功しました。また、このたび、その成果が NVIDIAのウェブサイトCorporate Blog*3, Technical Blog*4に公開されましたので、お知らせいたします。なお、Supercomputing2025 にて関連の発表をしております。詳細については以下のとおりです。
ENEOS HD は、化学計算を高速化する NVIDIA ALCHEMI を活用し、2 つの事例において大規模な 仮 想 ス ク リ ー ニ ン グ を 実 施 し ま し た 。 こ の ア プ ロ ー チ に よ り 、AI を 活 用 し た よ り 効 率 的 な シミュレーションを行い、その結果である処方の表現の精度向上を実現することが可能となりました。まず、データセンターの熱管理を目的とした液浸冷却液に関しては、約1,000 万種の分子候補を スクリーニングし、誘電率や熱特性などの性能を満たすか実験評価にかける候補を約1,000 種に絞り込みました。また、現在用いられているイリジウム酸化物のコストが課題になっているOER 触媒の 探索では、約1 億種に上る材料群の候補を評価し、合成と試験を優先すべき有望な触媒組成をおよそ1,000 件抽出しました。
これらの結果は、「機械学習原子間ポテンシャル(MLIPs)によるシミュレーションの加速」、および 自動化されたワークフローオーケストレーション*5により、従来は何年も要していた探索プロセスを数か月に短縮できることを示しました。具体的には、熱特性、誘電 特性、触媒活性などの要件を、AIが計算できるような指標に落とし込み、材料探索目標とその選定基準の決定を主導し、さらにENEOS HD の保有する分野固有の専門知識も投入することにより、AI のリソースを探索の計算や検証に集中させることができました。また、NVIDIA ALCHEMI の技術を活用することで、Matlantis のコア技術であるPreFerred Potential(PFP)の計算も数十倍以上に高速化できました。
ENEOS HD は、今後も AI 活用を通じて産業向け研究開発プロセスを大幅に改善するとともに、 効率性と持続可能性の向上を図ってまいります。
*1 Revolutionizing AI-Driven Material Discovery Using NVIDIA ALCHEMI | NVIDIA Technical Blog
*2 2025 年 3 月 31 日発表
NVIDIA ALCHEMI と MatlantisTMの活用によるAI 駆動型の新たな潤滑油・液浸冷却液の探索・最適化を加速
*3 NVIDIA Accelerated Computing Enables Scientific Breakthroughs for Materials Discovery
*4 Faster Chemistry and Materials Discovery with AI-Powered Simulations Using NVIDIA ALCHEMI
*5 シミュレーションの実行からデータ整理・解析までの一連の処理を自動化する仕組み
<ENEOS ホールディングス株式会社 常務執行役員 CTO 藤山 優一郎 コメント>
CTO として、NVIDIA ALCHEMI と ENEOS グループの独自技術によって実現したこの進展を非常に喜ばしく思います。今後もイノベーションを加速し、これらの成果を持続可能な未来に貢献する商用ソリューションへと展開してまいります。
<NVIDIA High Performance Computing および AI インフラ ソリューション担当シニアディレクター ディオンハリス (Dion Harris) コメント>
NVIDIA ALCHEMI の大規模かつ高精度な能力を活用しながら、ENEOS は液浸冷却液から次世代 触媒まで、材料イノベーションを加速するAI 駆動のアプローチを先導しています。本コラボレーションでは、アクセラレーテッドコンピューティング上の領域特化型 AI が、科学的発想を産業に応用 する過程を大幅に短縮できることを示すものです。
<Supercomputing 2025 での発表について(参考)>
日時:
2025 年 11 月 18 日、米国中部標準時(CT)午後 12 時 30 分から午後 1 時
場所:
NVIDIA ブースシアタートーク
タイトル:
Harnessing Unprecedented Computational Efficiency for Novel Materials Discovery with NVIDIA ALCHEMI
発表者:
ENEOS ホールディングス株式会社 AI イノベーション部
辻本浩行、川見洋一郎、蓬田憲太郎、後藤正直
公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://www.hd.eneos.co.jp/news/release_information/upload/20251205_01_01_mr03.pdf