経済産業省 赤沢大臣記者会見 - 2025年12月19日 - 冒頭発言 ●クリーンエネルギー自動車導入促進補助金 ●冬期における牛乳の消費拡大 質疑応答 ●柏崎刈羽原子力発電所の再稼働 ●泊原子力発電所の再稼働に関する北海道知事からの要望 ●日米政府の戦略的投資イニシアティブに関する協議委員会 ●米国財務省によるサハリン2プロジェクトの取引許可延長 ●日本銀行による政策金利引き上げの決定
経済産業省赤澤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要
2025年12月19日(金曜日)
12時14分~12時33分
於:本館10階記者会見室
冒頭発言
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金
初めに私から2点申し上げます。まず、1点目です。
EV等の購入を支援する「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」、いわゆるCEV補助金について、日米関税協議の合意も踏まえ、支援対象であるEVやFCVなどの補助上限額の見直しを行いました。具体的には、EVの補助上限額である90万円を130万円とし、FCVの255万円を150万円とするなどの措置が、原則、1月1日以降に新規で登録を受ける車両に対して適用されます。
ここでちょっと話題にしたいのは、先日、欧州委員会は、2035年以降の内燃機関車の販売を事実上禁止していたCO2排出規制の見直し案を公表しました。おそらく皆さんも御案内のことと思います。カーボンニュートラルの実現を目指しつつ、産業競争力を失わないよう、現実的なアプローチに転換するものと受け止めております。こうした動向は、自動車分野において我が国が従来から掲げてきた、EVだけでなく、ハイブリッドなど「多様な選択肢」を追求する「マルチパスウェイ戦略」が、脱炭素化や産業競争力強化の両面から優れた政策であるということを示唆しているものと受け止めております。引き続き、日本の自動車産業が世界をリードしていくためにも、この「マルチパスウェイ戦略」の下で、バランスの取れた対応を進めてまいりたいと考えております。
冬期における牛乳の消費拡大
それでは、2点目ですが、地元の牛乳の宣伝をさせていただきます。本日は、地元鳥取県の白バラ牛乳を用意しています。大山乳業が作っている白バラ牛乳であります。だいぶ前のことになりますけれども、2018年5月の週刊文春だったかと思いますが、「日本一老けない牛乳は鳥取県にあり」というタイトルで紹介されています。ということで、端的に申し上げれば、牛乳はおいしくて、栄養価が高く、加えて老化防止の効果も白バラ牛乳について言えば結構あるということでお勧めだということでございます。一応ト書きにはここで飲めということが書いてありますので、いただきたいと思います。ということで、飲ませていただいて。牛乳を飲むときの姿勢は特にありませんけれども、腰に手を当てていただきたいと思います。うまい。いいですか、大丈夫ですか。こういうときあんまり撮ってくれないですね、すみません。私自身も本当に牛乳は大好きです。率先して牛乳を飲み、ヨーグルトを食べることで酪農家の皆さんを応援してまいりたいと思います。消費者の皆さんには、直に飲んでもおいしいですが、特に寒くなるこの時期、ホットミルクや牛乳やヨーグルトを使った料理など、体にも良いということであるので、ぜひお試しいただきたいと思います。酪農家の経営も大変今苦しいところがあって、資材価格の高騰、餌代が上がったり、いろいろなことがありますので、もちろん農林族の一員として、私も酪農家を全力で応援したいという思いもありますが、何よりも消費者の皆様には牛乳はおいしい、いい栄養が取れると。加えて、もう一度宣伝しますが、我が地元の白バラ牛乳は老化防止の効果が高いということで、一回記事にもなっていると。週刊文春の記事にもなったということでありますので、ぜひその辺もお含みの上、牛乳の消費拡大に御協力いただけると大変うれしく思います。以上です。
質疑応答
柏崎刈羽原子力発電所の再稼働
Q:東京電力の柏崎刈羽原発についてお聞きします。東電が来年1月20日を軸に柏崎刈羽原発を再稼働する方向で調整をしているというふうに報じられています。政府とも連携を取っていると思いますけれども、事実関係について把握していらっしゃることを教えてください。また、先ほど新潟県議会の常任委員会で柏崎刈羽原発の再稼働に関する補正予算案が賛成多数で可決をされました。柏崎刈羽原発の再稼働の意義、重要性についてのお考えを改めてお聞かせください。
A:報道は承知しておりますが、東京電力は同社が発表したものではないと公表しておりますので、来月20日前後の再稼働の方向で調整との報道については、コメントは差し控えたいと思います。その上で、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働の意義については、これまでも様々な機会に申し上げてきておりますけれども、東日本における電力供給の脆弱性の解消、電気料金の抑制、脱炭素電源確保の観点から、国のエネルギー政策上、極めて重要であると考えております。政府としては、原子力防災の充実・強化、東京電力のガバナンス強化、地域の実情や要望を踏まえた地域振興策について、引き続き、様々な機会を通じて丁寧に説明をさせていただくなど、再稼働への理解が進むよう、取組の具体化を進めてまいりたいと考えております。
泊原子力発電所の再稼働に関する北海道知事からの要望
Q:昨日、北海道の鈴木直道知事から、泊原発3号機の安全対策などについて要望があったと思います。これについて大臣の受け止めと今後の要望に対する対応をどのようにお考えか、改めてお考えをお聞かせください。
A:その件については御案内のとおり、昨日フルオープンで対応いただきましたので、そのときに申し上げたことと重なるところがございますが、せっかく御質問いただいたので、改めてお話をさせていただきたいと思います。昨日、鈴木北海道知事と面会し、泊発電所3号機の再稼働へ向けた政府の方針について、同意する旨の御報告をいただきました。改めて、鈴木知事の御判断に感謝を申し上げる次第でございます。それに併せて、鈴木知事からは、「原子力発電所の安全対策に万全を期すこと」や「国のエネルギー政策における原子力発電の位置づけなどについて、国民に分かりやすく説明すること」に加えて、「GX・DXを進展させる成長産業の立地誘導に向けた一体的な支援」など、10項目について御要望をいただいた次第であります。これもフルオープンだったので、御案内のことと思います。鈴木知事からいただいた10項目にわたる要望は、その場で私、いずれも地域の実情を踏まえた極めて重要なものということで重く受け止めますということを申し上げました。政府としては、原子力の安全性や防災対策等について、分かりやすく丁寧な説明・情報発信に取り組むとともに、GXやDXなどの北海道の特色を踏まえた企業投資を促進するなど、皆様の声をしっかりと受け止めながら、地域の実情を踏まえた取組を進め、引き続き、責任を持ってエネルギー政策、原子力政策を進めてまいりたいと考えてございます。また、北海道電力においては、引き続き、地域や社会の皆様に丁寧に説明を行うとともに、原子力規制庁の指導の下、安全性の確保を大前提として、今後の審査や工事にしっかりと対応してもらいたいと考えてございます。
日米政府の戦略的投資イニシアティブに関する協議委員会
Q:対米投資について伺います。昨日、日米両政府は戦略的投資イニシアティブに関する協議委員会を初開催しました。大臣が担当していた関税引下げ交渉の合意に基づくものですが、改めて初開催に至った受け止めをお願いします。あと対米投資案件を今後絞り込んでいくことになると思いますが、10月に発表したファクトシートではエネルギーやAIインフラなどが並んでいましたが、大臣としてはどういった分野を優先的に協議として進めていきたいかなど考えがあれば教えてください。
A:まず、今1つおっしゃったことについて触れておきたいのは、対米交渉を担当していたということだったのですが、過去形でおっしゃいましたが、高市総理の指示の下、今、関税に関する日米の交渉、あるいは日米関税合意については担当閣僚が3人いて、ざくっと申し上げると、茂木外務大臣が総括をされて、私自身が日米関税合意の実施に係る米側との交渉に携わり、そして、日米関税合意に伴う国内対策については城内大臣が基本的に実施といいますか、施行の責任を負う、あるいは対策を新たに講じる必要があれば彼が基本的に主導するという感じで、前政権の下では私が1人で担当しておりましたが、3人に担当閣僚が増えるということはありましたが、引き続き、一応担当しているということなので、そこはお伝えをしておきたいと思います。その上で、御質問の協議委員会ですけれども、昨日、日米政府による戦略的投資イニシアティブに関して、協議委員会の会合をオンラインで開催いたしました。米国からは商務省、エネルギー省、我が国からは外務省、財務省、経済産業省に加えて、国際協力銀行(JBIC)、日本貿易保険(NEXI)が参加し、会合においては、「投資イニシアティブの対象となり得るプロジェクトについて意見交換を行うとともに、案件形成に向けて引き続き緊密に連携していくことを確認した」との報告を受けております。受け止めをという話だったので、私自身が7月22日にトランプ大統領と直接いろいろ交渉した上でディールをいたしました。その合意を受けて、9月4日に大統領令が出され、我が国の関税が引き下げられる、あるいは、共同声明を出したりということを行いました。一貫して、7月22日に実現した合意の実施過程に入っているわけで、なおかつ、日米間は特別なパートナーとして日米の経済関係を発展させる、経済安全保障を確保する、両国の日米の同盟の黄金時代を築くみたいなことを打ち出し、その点については大統領が来日されたとき、高市総理との間で関係文書に署名をしていただき、さらに発展する形で言えば重要鉱物なんかについても文書に署名されたようなところがあります。そういう意味で、7月22日に米側と合意をした日米関税合意でありますが、お互いに特別なパートナーと認め合って、迅速かつ誠実に、原文では逆ですか、私がその実施をFaithfully、Swiftlyということを米側に申し上げたら、ベッセント長官はじめ皆さん、その言い方が気に入って、誠実かつ迅速に実施していこうということで、その過程にしっかり入っているということだと思うので、私自身としては大変好ましい進展であると見ているところであります。それから、案件について御質問がありましたが、投資イニシアティブの対象となり得るプロジェクトは本当に様々でありまして、くくりとしては経済安全保障上重要な分野ということだけですので、よくある幾つか分野が8とか9とか挙げましたけれども、それに限るものではないので、様々なプロジェクトについて意見交換を行った段階との報告を受けており、具体的にいつどのような案件が組成されるかについては、現時点で予断を持ってコメントすることはできないということだろうと思います。実際、トランプ大統領が来日されたときに随行されたラトニック商務長官が日本の企業を集めて、どんな分野でいろいろあるかというのをお互いの考えを簡単にまとめてファクトシートを発表しましたけれど、あの中にあるようなものはもちろん有力な候補として検討の遡上に上っているということは間違いないと思いますが、それ以上に、なかなか申し上げられることがあるわけではないと思います。
米国財務省によるサハリン2プロジェクトの取引許可延長
Q:サハリン2の関係でお伺いしたいと思います。アメリカの財務省は17日、サハリン2との取引の許可ですが、今日までとなっていた期限を来年6月18日まで半年間の延長を決めました。まず、この決定に対する受け止めとサハリン2からの調達は続けることができるということで、この改めて意義を教えていただけたらと思います。
A:日本のエネルギー安全保障におけるサハリン2プロジェクトの重要性について、我が国のこれまでの説明努力もあり、米国をはじめとするG7各国に対して丁寧な説明を行ってきた結果、我が国の立場については理解を得てきていると思っています。その結果として、今般、サハリン2プロジェクトを米国制裁の適用除外とする措置が適切に延長されたものと承知しております。サハリン2プロジェクトも含め、海外からのLNGの確保は我が国のエネルギー安全保障上極めて重要であり、引き続き、G7をはじめとする国際社会と緊密に連携しつつ、我が国へのLNG供給の安定的な確保に支障を来さないよう、万全を期してまいりたいと思っています。
日本銀行による政策金利引き上げの決定
Q:先程、日銀が政策決定会合の中で、これまでの0.5%程度の政策金利から0.75%程度に引き上げるということを決定いたしました。政策金利としては約30年ぶりの高い水準ということなのですけれども、このことについてまず大臣の御所感を伺えればと思います。そして、今後、産業や企業に与える影響についてどのようにお考えになっているのか、併せて教えていただければと思います。お願いします。
A:後ろの部分は何とおっしゃいましたか。
Q:産業や企業にこの政策金利の引上げが与える影響について、どのように大臣としてお考えになっているのか伺えればと思います。
A:まず、金融政策決定会合の結果について、私はまだ承知していなかったのですが、基本的にそれでもお答えは変わらないというと大体答えが予想できてがっかりされる方もいますけれども、金融政策について言うと、具体的な手法は日銀に任されているということで、政府の側で、それについて何かとやかく申し上げるということは差し控えたいと思います。その上で、しかも今日は、城内担当大臣が金融政策決定会合に御自身が出席されていると報道で私は承知しておりますが、私自身が担当ではございませんので、そういう意味では、担当ではないという意味は経済財政担当ではありませんので、コメントは差し控えたいと思います。もちろん、その決定がおっしゃるとおりなされたということであれば、当然金利について何らかの変化があれば、経済界には一定の影響が出ることは考えられるので、それについては注視をしてまいりたいと現時点で思うところでございます。
以上
最終更新日:2025年12月19日