2026/02/27

大規模な鉄鋼製造プロセス現象の解析に特化した気液二相流ソルバーの開発~鉄鋼製造プロセス現象のメカニズム解明による安定操業の実現~

JFEホールディングス 株式会社 

ニュースリリース

2026年2月27日
JFEスチール株式会社

大規模な鉄鋼製造プロセス現象の解析に特化した気液二相流ソルバーの開発
~鉄鋼製造プロセス現象のメカニズム解明による安定操業の実現~

当社はこのたび、転炉内での溶鋼の攪拌や連続鋳造での鋳片の水冷却など、鉄鋼製造プロセスにおける大規模な気液二相流現象*1 の解明に特化した数値流体解析ソルバー*2 (以下、本ソルバー)を開発しました。本ソルバーを活用することで、従来は困難であった鉄鋼製造プロセスにおいて発生する複雑な現象の高精度予測・再現が可能となり、操業安定化や革新的製鉄プロセス実現に向けた取り組みをさらに加速させていきます。

今回開発した本ソルバーには、複雑な気液界面領域に対しては細かい計算格子を、それ以外の領域には粗い計算格子を割り当てることで、計算の高精度化と計算負荷の大幅削減を両立させるAMR(Adaptive Mesh Refinement)法と呼ばれる技術を導入しています(図1)。

本ソルバーは、鉄鋼製造プロセスにおける多様な操業課題の解析に適用できます。例えば製鉄所の上工程プロセスの設備である粒銑機*3 (図2)における溶銑の粒化過程では、安定稼働のために現象メカニズムの詳細解析が不可欠ですが、従来の均一格子による計算では数百億規模の計算格子が必要であり、現実的な解析が困難でした。しかし、本ソルバーを使用することで必要な計算格子数が1/100以下まで削減可能になるため、従来は数年単位の時間を要していた計算・分析を数日から数週間で完了することができます(図3)。これにより、数値解析上で複雑な現象を再現でき、設備形状の最適化などの操業安定性に向けた改善活動をより効率的に推進することができます。

当社は、鉄鋼業におけるグローバルな競争に勝ち抜いていくため、デジタルツイン技術を用いた革新的なプロセス開発に努めるとともに、既存ビジネスの変革、新規ビジネス創出など、あらゆる事業領域においてDXを推進しています。今後も、全社一丸となってさらなる新技術の開発と実用化を進めることで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

*1 気体と液体が共存し、相互に作用する複雑な流れのことを指し、多様な流動パターンを含む。工業プロセスにおいて広く見られる現象。

*2 流体の運動を数値的にシミュレーションするための計算アルゴリズム・ソフトウェア。流体力学の基礎方程式であるNavier-Stokes方程式を離散化し、数値的に解くことで、流れ場の速度分布、圧力分布などを求めることが可能。

*3 高炉で製造された余剰溶銑を粒状の銑鉄に加工するための装置(図2)。圧延工程などの下工程プロセスでの操業トラブル発生時において、高炉の操業維持に寄与する。


【図1】 計算高速化手法(AMR法)


【図2】 千葉粒銑機の概略図


【図3】 溶銑の粒化過程の直接シミュレーション

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。

JFEスチール株式会社 総務部広報室 TEL 03(3597)3166

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