第53回IMFC(2026年4月17日 於:ワシントンD.C.)日本国ステートメント
財務省第 53 回国際通貨金融委員会(IMFC)における日本国ステートメント
(2026 年 4 月 17 日(金))
はじめに、IMF のミッションを達成すべく、力強いリーダーシップを発揮しているクリスタリーナ・ゲオルギエヴァIMF専務理事に感謝申し上げます。また、IMFC の議長として、加盟国間の対話促進に向け尽力している、サウジアラビアのアルジャダーン財務大臣に敬意を表します。
1.世界経済の現状と日本の経済財政運営:
世界経済は、地政学的緊張の激化により、不確実性が一層高まっています。現下の中東情勢がもたらす供給ショックにより、特に、エネルギー市場や金融市場で大きな変動が生じており、その動向を極めて高い緊張感を持って注視しています。また、中東情勢がマクロ経済や金融システムに与える影響にも目を凝らす必要があります。
紛争の各国・地域への影響は、所得水準はもとより、様々な要因によっても異なることに留意が必要です。例えば、原油・液化天然ガスの中東依存度の高いアジア地域では、既に一部の国で、経済社会活動の抑制を余儀なくされています。事態が長期化した場合、原油等の供給不足が、二次的な供給ショック、すなわち原材料の不足や総労働時間の減少などを通じて様々な財・サービスの供給を大きく制約することが懸念されます。
こうした中、日本は、先日、高市総理より、「アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ(POWERR Asia)」を発表しました。総額約 100 億ドルの金融支援等により、アジア各国に対し、(1)緊急対応として、石油等の物資調達やサプライチェーン強靱化の取組を資金面で支援するとともに、(2)構造的対応として、エネルギー・資源供給力強靱化に向けた資金面や技術面での支援を行うこととしています。こうした措置を着実に実施することで相手国の安定と成長を支えることが、巡り巡って日本を含む世界経済の強化にもつながるとの考えの下、日本は、アジア地域、ひいては世界経済の安定確保に貢献してまいります。
世界経済は、貿易政策を巡る高い不確実性にも直面しています。例えば、一部の国による、レアアース等に係る輸出制限措置は、グローバル・サプライチェーン全体に影響を与え得るリスク要因です。この点、IMF が、直近の「世界経済見通し」において、レアアースの輸出管理によるサプライチェーンの混乱が世界に与える深刻な影響について、定量的に示したことを強く歓迎します。
我々は、ロシアのウクライナに対する侵略開始から 4 年以上が経過してもなお、ウクライナの人的・経済的被害がますます拡大していることを忘れてはいけません。日本は、昨年 12 月に総額約 60 億ドルのウクライナ支援を表明し、現在、その履行を進めています。日本は、本年 2 月に承認された新規 IMF プログラムを軸としたウクライナ支援に引き続きコミットし、同志国とともにウクライナ国内の改革努力を後押ししていきます。
高い不確実性と様々なリスクに直面する世界経済において、各国政府には、足下の問題への対応に加え、AI をはじめとする技術革新の加速、頻度と烈度を増す異常気象や自然災害、人口動態の変化といった、経済社会に構造変容をもたらす課題にも対処し、「経済の強靱化」に向けた取組を強化することが求められています。日本は、「責任ある積極財政」の下で、経済安全保障、食料安全保障、エネルギー・資源安全保障などの様々なリスクを最小化する「危機管理投資」を促進していきます。加えて、AI、半導体、造船などの先端技術を花開かせる「成長投資」も進めます。こうした取組を通じて、日本の供給構造を強化し、強い経済を実現していきます。引き続き、ワイズスペンディングを徹底するとともに、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げ、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していきます。
公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/imf/imfc/260417_IMFC_2.pdf
(2026 年 4 月 17 日(金))
はじめに、IMF のミッションを達成すべく、力強いリーダーシップを発揮しているクリスタリーナ・ゲオルギエヴァIMF専務理事に感謝申し上げます。また、IMFC の議長として、加盟国間の対話促進に向け尽力している、サウジアラビアのアルジャダーン財務大臣に敬意を表します。
1.世界経済の現状と日本の経済財政運営:
世界経済は、地政学的緊張の激化により、不確実性が一層高まっています。現下の中東情勢がもたらす供給ショックにより、特に、エネルギー市場や金融市場で大きな変動が生じており、その動向を極めて高い緊張感を持って注視しています。また、中東情勢がマクロ経済や金融システムに与える影響にも目を凝らす必要があります。
紛争の各国・地域への影響は、所得水準はもとより、様々な要因によっても異なることに留意が必要です。例えば、原油・液化天然ガスの中東依存度の高いアジア地域では、既に一部の国で、経済社会活動の抑制を余儀なくされています。事態が長期化した場合、原油等の供給不足が、二次的な供給ショック、すなわち原材料の不足や総労働時間の減少などを通じて様々な財・サービスの供給を大きく制約することが懸念されます。
こうした中、日本は、先日、高市総理より、「アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ(POWERR Asia)」を発表しました。総額約 100 億ドルの金融支援等により、アジア各国に対し、(1)緊急対応として、石油等の物資調達やサプライチェーン強靱化の取組を資金面で支援するとともに、(2)構造的対応として、エネルギー・資源供給力強靱化に向けた資金面や技術面での支援を行うこととしています。こうした措置を着実に実施することで相手国の安定と成長を支えることが、巡り巡って日本を含む世界経済の強化にもつながるとの考えの下、日本は、アジア地域、ひいては世界経済の安定確保に貢献してまいります。
世界経済は、貿易政策を巡る高い不確実性にも直面しています。例えば、一部の国による、レアアース等に係る輸出制限措置は、グローバル・サプライチェーン全体に影響を与え得るリスク要因です。この点、IMF が、直近の「世界経済見通し」において、レアアースの輸出管理によるサプライチェーンの混乱が世界に与える深刻な影響について、定量的に示したことを強く歓迎します。
我々は、ロシアのウクライナに対する侵略開始から 4 年以上が経過してもなお、ウクライナの人的・経済的被害がますます拡大していることを忘れてはいけません。日本は、昨年 12 月に総額約 60 億ドルのウクライナ支援を表明し、現在、その履行を進めています。日本は、本年 2 月に承認された新規 IMF プログラムを軸としたウクライナ支援に引き続きコミットし、同志国とともにウクライナ国内の改革努力を後押ししていきます。
高い不確実性と様々なリスクに直面する世界経済において、各国政府には、足下の問題への対応に加え、AI をはじめとする技術革新の加速、頻度と烈度を増す異常気象や自然災害、人口動態の変化といった、経済社会に構造変容をもたらす課題にも対処し、「経済の強靱化」に向けた取組を強化することが求められています。日本は、「責任ある積極財政」の下で、経済安全保障、食料安全保障、エネルギー・資源安全保障などの様々なリスクを最小化する「危機管理投資」を促進していきます。加えて、AI、半導体、造船などの先端技術を花開かせる「成長投資」も進めます。こうした取組を通じて、日本の供給構造を強化し、強い経済を実現していきます。引き続き、ワイズスペンディングを徹底するとともに、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げ、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していきます。
公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/imf/imfc/260417_IMFC_2.pdf