【記者会見】植田総裁(4月28日分)
日本銀行2026年4月30日
日本銀行
総裁記者会見
――2026年4月28日(火)午後3時30分から約65分
(問)
本日の金融政策決定会合の内容について、展望レポートの内容も含めて、総裁、ご説明お願いします。
(答)
今日の決定会合では、無担保コールレート・オーバーナイト物を 0.75%程度で推移するよう促す、という金融市場調節方針を維持することを賛成多数で決定しました。中川委員は、中東情勢の不透明感はあるが、経済情勢を踏まえると、緩和的な金融環境のもとで、物価の上振れリスクが高いとして、それから、高田委員は、物価安定目標は概ね達成されており、海外発の物価上昇の二次的波及から国内物価の上振れリスクが既に高まっているとして、それから田村委員は、物価上振れリスクが大きく拡大する中、中立金利に少しでも近づけるためとして、政策金利を三者とも1.0%程度に引き上げる議案を提出しましたが、反対多数で否決されました。
本日は、展望レポートを公表しましたので、これに沿って、経済・物価の現状と先行きについてご説明します。最初に、今回の見通しの前提についてです。中東情勢については、なお不透明な状況が続いていますが、今回の展望レポートの中心的な見通しは、今後、中東情勢の影響が和らぐもとで原油価格が下落し、サプライチェーンの大規模な混乱は生じないことを前提に作成しました。こうしたもとで、ドバイ原油の価格については、先物市場の動向などを参考に 1 バレル 105 ドル程度を出発点に、見通し期間の終盤にかけて 70 ドル台程度まで下落していくと想定しました。なお、今後の中東情勢の帰趨次第では、経済・物価の見通しが大きく変化し得る点には注意が必要と考えています。そのうえで経済についてです。わが国の景気の現状ですが、中東情勢の影響もあって、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復していると判断しました。先行きを展望すると、2026 年度については、原油価格上昇に伴う交易条件の悪化などが企業収益や家計の実質所得に対する下押し要因となることから、成長ペースは減速すると考えられます。もっとも、企業部門における高水準の収益や政府による各種施策が下支えとなり、緩やかな成長は維持されると考えています。2027 年度以降は、原油高のマイナスの影響が減衰し、所得から支出への前向きな循環メカニズムが徐々に強まっていくことから、わが国経済は成長率を緩やかに高めていくと考えられます。前回の展望レポートからの比較でみますと、2026 年度の成長率の見通しが下振れています。次に、物価についてですが、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、賃金上昇の販売価格への転嫁の動きが続くもとで、米などの食料品価格上昇の影響もあって、2%を上回って推移してきましたが、足元では政府によるエネルギー負担緩和策の効果などから 1%台後半となっています。先行きについては、賃金上昇を販売価格に転嫁する動きが続くもとで、原油価格上昇が、エネルギー価格や財価格を中心に押し上げ方向に作用することから、2026 年度は 2%台後半になると予想されます。その後は、原油高の影響が減衰していくもとでプラス幅を縮小していき、2027 年度は 2%台前半、28 年度は 2%程度になると予想されます。この間、人手不足の強い状況が続く中で、賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇していくメカニズムは維持され、中長期的な予想物価上昇率は上昇していくと見込まれます。こうしたもとで、消費者物価の基調的な上昇率は徐々に高まっていくと予想され、2026 年度後半から 27 年度にかけて、物価安定の目標と概ね整合的な水準となり、その後も同程度で推移すると考えられます。前回の展望レポートからの比較でみますと、26 年度の物価見通しが大幅に上振れているほか、27 年度もいくぶん上振れています。以上のような見通しを巡るリスク要因としては、様々なものがありますが、当面は、今後の中東情勢の展開が金融・為替市場やわが国の経済・物価に及ぼす影響を特に注視する必要があります。こうしたことから、今回の展望レポートでは、中東情勢を巡るリスクシナリオが顕在化した場合の経済・物価への影響について詳しく説明しています。リスクバランスは、2026 年度を中心に経済見通しについては下振れリスク、物価の見通しについては上振れリスクの方が大きいとみています。これらのリスクがともに高まることも考えられますが、基調的な物価上昇率が 2%に近づいている中、企業の賃金・価格設定行動が積極化していることなどを踏まえますと、特に物価上昇率が大きく上振れていくリスクが顕在化し、それがその後の経済に悪影響を及ぼすことがないよう十分に留意する必要があります。なお、展望レポートについて、高田委員からは、消費者物価は既に概ね物価安定の目標に達する水準にあることなどを記述する案、田村委員からは、基調的な物価上昇率は、物価安定の目標と概ね整合的な水準で推移すると考えられることなどを記述する案が提出され、それぞれ否決されました。
最後に、今後の金融政策運営についてです。日本銀行としては、基調的な物価上昇率が 2%に近づいている中、現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえますと、経済・物価・金融情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えています。そのうえで、調整のタイミングやペースについては、中東情勢の展開がわが国経済・物価に及ぼす影響を注視したうえで、経済・物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検しながら検討していく方針です。日本銀行は、2%の物価安定の目標のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、適切に金融政策を運営していく方針です。
(問)
一問目はリスクについてです。総裁は中東情勢について物価の上方リスクと景気の下方リスクの双方を見極める考えを示されてきました。今回の決定に際し、それぞれのリスクについて総裁がどのように判断されたか、またどちらに重きを置いたかも含めてご教示頂ければと思います。
二問目は金融政策についてお伺い致します。供給制約の解消が見通せない中で、石油や関連製品では値上げの動きも既に出ております。今回、金利を据え置いたわけですけれども、ビハインド・ザ・カーブへの懸念について総裁は今どのようにお考えでしょうか。
(答)
まず一問目ですけれども、先ほど申し上げました通り、今回の展望レポートでは、2026 年度を中心に経済見通しについては下振れリスク、物価見通しについては上振れリスクが大きいと判断しています。まず、経済についてですが、仮に中東情勢の緊迫が長期化し、原油価格が高止まりすることになれば、交易条件の悪化やサプライチェーンへの影響等を通じて、先行きの景気下押し要因となり得ます。この点についてわが国経済は、企業部門に蓄積された高水準の収益や、政府による様々な経済対策などから、こうした下押し圧力に対してある程度の耐性を有していると考えられますが、ショックの規模や持続性次第では、経済が一段と減速する可能性がある点には留意が必要と考えています。物価面ですが、中東情勢に伴う景気減速は、需給ギャップの悪化などを通じて、基調的な物価上昇率を下押す方向に作用するものの、全体としてみれば上振れリスクの方が大きいと考えています。すなわち原油は、様々な産業の上流から下流にかけて広く原材料として使われているため、原油価格の高止まりはエネルギー価格だけでなく幅広い財を中心に、価格を押し上げる方向に作用します。加えまして、現在のわが国では、過去に比べて企業の賃金・価格設定行動が積極化していることなどを踏まえますと、原油価格の上昇はこれまで以上に様々な財・サービスの値上げに波及しやすくなっている可能性があります。また、そうした動きが予想物価上昇率の上昇を通じて基調的な物価上昇率の押し上げにつながりやすくなっている可能性があることにも留意が必要と考えています。
二つ目のご質問ですけれども、これも先ほど申し上げました通り、今回の展望レポートでは、基調的な物価上昇率が 2026 年度後半から 27 年度にかけて、物価安定の目標と概ね整合的な水準となるというこれまでの中心的な見通しは維持しています。もっとも、中東情勢の帰趨を巡り、足元、経済・物価ともに不確実性が高いことを踏まえますと、その分、こうした見通しが実現する確度は、これまでに比べれば低下していると考えています。また、リスクバランスをみますと、これは申し上げた通り、26 年度を中心に経済は下振れリスク、物価は上振れリスクがそれぞれ大きくなっていて、現時点ではその持続性や両者の関係などについて評価が難しい状況となっています。こうした中、日本銀行としては、中東情勢の帰趨やそれがわが国の経済・物価情勢に及ぼす影響、すなわち中心的な見通しの確度が再び高まってくるかどうか、また、経済・物価を巡るリスクが変化していくかどうか、といった点をもう少し確認したいと考えています。特に、基調的な物価上昇率が 2%に近づいている中、ご指摘のように石油関連製品を中心に企業の価格設定行動が積極化していることなどを踏まえますと、物価上昇率が大きく上振れていくリスクが顕在化し、それがその後の経済に悪影響を及ぼすことがないかどうか、十分に留意する必要があると考えています。こうした点も踏まえつつ、日本銀行としては、経済・物価・金融情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくという基本的な考え方のもと、ビハインド・ザ・カーブに陥ることがないよう、様々なデータや情報を丁寧に点検しながら、次回以降の決定会合において適切に政策を判断していきたいと考えています。
(問)
二問お願いします。2027 年[度]以降は成長率は元の水準というか高まっていく一方で、展望レポートの見通しですと、2027、28[年度]の、コアコアが大幅に 2%を上回っております。かつ委員のリスク評価の分布も物価の上振れリスクを強めにみているようです。これをみると近い将来の利上げおよび中立金利に向けて数度の利上げを視野に入れてるというふうに読めるんですが、そういう理解でいいのかという点が一点目です。あと、基調物価、予想インフレはまだ 2%にアンカーされていないのでしょうか。物価の上振れリスクに対して随分強調した展望レポートのように読めるので、既にサプライショックをルックスルーできない情勢のようにみえるんですが、そこについての見解をお願いします。
(答)
コアコアあるいはコアも前回に比べるとだいぶ上振れした見通しになっていますけれども、基本的にこれはさっき申し上げましたように、原油価格上昇が波及して、様々な財、場合によっては一部サービスの価格が上がる、しかしそれは一時的なものであるという見方を反映したものでございます。ただ、どこをみるかによって一時的な度合いが少し早く終わったり、少し長引いたり、ということだと思います。そのもとで、これも申し上げましたように、基調的な物価は現在やや 2%を下回るところにあるのが、徐々に上昇していって、見通し期間後半といいますか、26 年度の後半から 27 年度にかけて 2%に大体定着して、その前後でその後推移するという見方は前回と変えていません。ただそう申し上げたうえで、こうした、まとめてヘッドラインと申し上げますと、中心のインフレ率の上昇が基調物価を引き上げるというリスクは、先ほども申し上げましたように十分意識していますし、そこのリスクを評価する際に、二点目でおっしゃいました期待インフレ率がアンカーされているかどうか、現在、中長期のインフレ予想はどの指標をみるかによってかなり開きがありますけれども、2%に近づいてきてるけれども、長い間 2[%]のところをずっと行ったり来たりしてるわけではないという意味で、完全にはアンカーされてないということはあると思います。従って、ここから上下に振れやすいという可能性は頭に置いていろいろみていかないといけないというふうには思っています。
(問)
二点お伺いします。まず一点目、先行きのリスクについてなんですけども、総裁かねて上下双方向のリスクに言及されて、今回の展望レポートではですね、その両方に触れつつ、特に物価上昇のリスク顕在化に留意するっていう言及があります。物価見通しも上振れ予想になってますけれども、その中で利上げ見送りの判断になったっていうのは、これは現状としては景気下振れと物価上振れっていうのは五分五分で、その先は物価上昇リスクの方が大きくなるっていうそういう整理なんでしょうか。
二点目も併せて。現状の利上げペースへの評価についてなんですけれども、実質金利がきわめて低いっていう状況にある中で、三会合連続で金利維持しました。一方で、物価安定目標の達成時期が変わっておりませんで、物価見通しは上振れだという中で、総裁、先ほどもう少し確認したいっていう文言もありましたけども、次、いつ頃利上げすることができればこれは整合的な金融政策運営になるとお考えでしょうか。
(答)
物価の上振れリスクと景気の下振れリスクをどう評価して、今回、現状維持になったかというご質問だったと思いますが、現状維持の基本的な理由を一言で申し上げれば、中心的な見通しの確度がかなり今回は低下したということだと思います。その裏側でリスクシナリオとして、物価の特に上振れリスクと、景気の下振れリスクに注意しないといけないということです。今後、それを更に付言させて頂ければ、景気については、特に大きな景気調整局面が来るかどうかというリスクについて意識してみていきたいと思いますし、物価については、基調的物価がここからはっきりと上振れるリスクがあるかどうかということを中心にみていきたい、これらについてもう少し確認をしたいということが今回の据え置きの基本的な理由でございます。
では、三回据え置きの後、どこまで見極めたらよいのかというご質問だったと思いますが、これについて、見極めに何か月かかるかという点については、いつも申し上げていることですが、予断を持っておりません。次回以降、次回も見通しの確度、そして今申し上げたようなリスクのあり方を点検して適切な判断をしていきたいと思っております。
(問)
二問お伺いします。一問目は、今回三人の審議委員の方が決定案に反対をされました。植田さんが総裁になられてから審議委員を含めて政策委員の方三人が反対されるのは初めてとなりますが、この件についての受け止めと、日銀の金融政策の決定に対してボードの多くの方が反対されることによる金融政策のクレディビリティみたいなものへの影響があるのかどうかっていうのを教えてください。
もう一点はですね、今回改めてなんですが、その利上げを見送られましたが、26 年[度]の見通しは物価が 0.9%、大幅に上振れておりますし、実質GDPは 0.5%の下振れと、いわゆるスタグフレーションみたいなですね、色彩を帯び始めているのか、そういったことを懸念されているのかっていうことと、もしそういう状況があるんであれば、早めに利上げしなければビハインド・ザ・カーブになるんじゃないかという懸念もあると思います。改めて教えてください。
(答)
まず三人反対が出たということですけれども、それ自体は議長としては深刻に受け止めないといけないと思っております。ただし、どうしてそうなったかということを考えてみますと、おっしゃったように、負のサプライショックで景気は下振れ、物価は上振れ、そういう中でどういう金融政策を遂行していくのが適切かという判断がきわめて難しいところという点を反映しているというふうに考えます。反対した三方は、皆さん、私も先ほど言及致しました、物価の今後の上振れリスクを気にして、それに備えるために現在から利上げをするのが適切であるという、縮めて言えばそういうご判断だったと思います。これに対して残りの六人について、平均的なところを申し上げれば、やはり物価の上振れリスクは皆さん気にしていらっしゃいますが、現在直ちに利上げで対応するというところまでの緊急度はないと、もう少し、先ほど申し上げたように、リスクの展開あるいは中心的見通しの確度が上がってくるかどうかをみたいというご判断だったと思います。
それから、やや重なりますけれども、特に、例えば 26 年度を中心に大きく物価見通しが上振れする中で金利を据え置くという判断が適切かどうかということですが、これは例えて言えば、よく言われます一時的なサプライショックに対しては物価は上振れ、景気は下振れるわけですが、ルックスルーというのが適切であるという考え方と概ね沿った判断というふうに考えております。ただ、これが二次的な効果を持つ、私どもの言葉で言えば基調的物価上昇率に響いてくるというような際には、適切に利上げ方向で反応しないといけないということは申し上げるまでもないということだと思います。
(問)
二点お伺いしたいんですけれども、今回リスクバランスのところで物価上昇率が大きく上振れていくリスクが顕在化し、それがその後の経済に悪影響を及ぼすことを十分留意する必要があると、これをおっしゃってるのは可能性として、上振れリスクに対応して利上げをしなければいけない可能性を今感じてきてらっしゃるのかどうかっていうことが一つ。
あともう一つが、今後のコミュニケーションについてなんですけれども、本会合に当たってですね、マーケットの中では去年の 1 月と 12 月の利上げの前にですね、明確な利上げのシグナルがあったと。今回の会合に関してはそれがなかったので、利上げはないだろうという予測が増えたというふうに私は理解してるんですけれども、今後もこの非常に難しい状況、経済不確実性が高い中なんですけれども、利上げを必要性を感じたら総裁としては明確に市場にシグナルを送るというお考えなのか、それともこういった状況だとそれはちょっと難しいということなのかお願いします。
(答)
一つ目のご質問は、物価の上振れリスクに対応した利上げがあるかどうかというご質問ですか。
(問)
その可能性を感じ始めていらっしゃるか。
(答)
その可能性は、はい、おっしゃる通りです。ただ、それが今後の利上げの唯一の理由になるとは考えていません。
それからコミュニケーション上、例えば利上げの直前に明確なシグナルを送るかどうかとかいう辺りについては、どういうコミュニケーションが適切か、足元の経済・金融情勢等も踏まえて引き続き検討していきたいと考えています。
(問)
過去のご発言から二点伺います。まず一点目は、物価の上振れリスクについてなんですけれども、2 年ほど前の 24 年 5 月の講演で、これ「賃金と物価の好循環と今後の金融政策運営」と題された講演なんですけれども、その中で物価の見通しが上振れたり、あるいは物価の上振れリスクが大きくなった場合は、政策金利を早めに調整していくことが適当になるとおっしゃっていました。今回の展望レポートをみると、繰り返しになりますけれども、緩和環境下で物価をコントロールする立場として、上振れリスクをかなり意識されてるようにも受け取れるんですが、今会合でのこの政策判断、行動が伴わなかった理由、あとこれまでの発言・対話との整合性の観点から伺えればと思います。
あともう一点はですね、3 年前なんですけど、総裁が初めて出席された 23 年の 4 月会合で着手を決めた多角的レビューに関して、その直後の会見で 1 年半としたレビューを手がける期間について、正副総裁の任期 5 年ですけれども、それを念頭に任期中にレビュー結果を役立てたいとされていました。既に残りの任期も 2 年を切ってますけれども、展望レポートで示すこういう年度ベースの予測値ですとか、実績をみると、2%目標を超えてるというか 3%程度の物価上昇率が任期中ずっと続く可能性が出てきました。改めてですけれども、日銀のこの考察結果は 2%物価安定目標に役立っているのか、ご所見を伺えればと思います。
(答)
まず一点目ですけれども、先ほどもちょっと申し上げたことですが、当面ヘッドラインのインフレ率は少し大きめに上昇します。これは基調的物価のインフレ率の上昇を直ちには意味しないわけですけれども、賃金・物価の設定行動が積極化してる中で期待インフレ率、特に中長期のそれがはっきり上昇して基調物価が上振れてしまうリスクには注意し、そうならないように政策を適切に発動していきたいと思っています。
それから二点目のレビューとの関係ですけれども、レビューの一つの結論は、2021、2022 年くらいまでの期間においては、物価や賃金の中長期の予想あるいはそういうことに関する経済のノルムみたいなものがゼロ近辺にアンカーされてしまって、それを抜け出すのがすごい難しかったということだと思います。現在そこからある程度脱出することはできて、中長期の予想インフレ率も 2[%]に近づいてきているわけですが、先ほども質疑ありましたが、そこにアンカーされてるというところまではまだいける自信がないところでございます。ですので足元おっしゃったように、ヘッドラインのインフレ率は少し上振れていくわけですけれども、2%にできる限りアンカーされるような政策運営に努めたいと思っております。
(問)
一問お願い致します。政策金利が中立金利の中にあるFRB、ECBとは違って、日銀の現状の政策金利は中立金利よりも下ですけれども、現状維持であっても金融環境は引き続き緩和的であると思うんですけど、それは一方で物価には押し上げとして働き、一方で景気下支えには働くかと思うんですけど、原油高とか供給ショックの影響ってのは、物価にはわり方早めにもう結構表れてたかと思うんですけども、生産活動とか消費にはやっぱここから時間がかかると思うんですけど、先ほどのお話聞いてると現状でやっぱ物価上振れリスクの方を軸足を置いてるかと思うんですけど、今後やはりデータ次第で経済の下振れが大きくなってきたときの政策対応というのは現状でどのようにお考えかお伺いしたいんですけど、よろしくお願い致します。
(答)
リスクが顕現化するときに、物価のリスクと景気の方のリスクのどちらが先に表れるかということは必ずしもはっきりしないような気が致します。物価が当面、エネルギー関連中心にあるいはそれを使うような財を中心に上がるということははっきりしているわけですけれども、基調物価に影響するかどうかは必ずしもはっきりしないです。そしてサプライチェーンの問題等が広がる場合には、景気にわりと早めに影響が出るということも考えられるかなと思います。ですから、その辺は予断を持たずに判断していきたいと思いますし、そうしたリスクの顕現化の度合いに応じて、今後の金融政策のあり方を適切に調整していきたいと思っております。
(問)
一問お願いします。まず、中立金利の距離についてちょっとお伺いしたくてですね、中立金利との距離でどの程度近いあるいは遠いとお考えで、現在この物価の上振れリスクへの注意がより必要となる中で、利上げを急ぐ局面ではないという認識もお持ちなのか、そこら辺をお聞かせ頂ければと思います。
(答)
この点は何度もやり取りさせて頂いたわけですけれども、データ分析のような方法で中立金利の範囲を絞るということには、当面かなりの限界があるというふうに感じているわけですが、その中で、私どもとしては、そうした結果も参照しつつですが、毎回の利上げを行った際にその後の金融・経済情勢がどう推移するかということを丁寧にみて、中立金利との距離感まではいかないかもしれないですけれども、金融環境が緩和的かどうかということを判断していくというやり方できているわけです。もう少し具体的に申し上げれば、前回 12 月に利上げをしたわけですけれども、その後の様々な金融指標、実質金利が依然として短期から中期ゾーンを中心にマイナスであるとか、そのもとで貸出の量は増加を続けている、金融機関の貸出態度は緩和的である、ごく一部に例外はありますが、社債・CP市場はやはり良好な状態で推移しているようなことを考えますと、現状でも金融環境は緩和的であるというふうに判断しております。
(問)
一点目は確認ですけれども、先ほど質問への回答で、一時的にはルックスルーが適切という考え方に沿った判断とおっしゃいました。現時点では、中東情勢の緊迫に伴う原油高などがですね、幅広い品目の値上げや賃金上昇に伴ういわゆる二次的な波及、基調物価への影響という意味では、まだそうした影響はないということなのでしょうか。また、今後どういう変化が出てくれば影響が出てきたと確認できるのか、ご認識を教えてください。
それから二点目も関連ですけれども、先ほどその現状維持の理由について中心的見通しの確度が低いというふうにご説明されました。次回 6 月会合の時点でも引き続き低い、あるいはもっと下がっているような可能性もあると思います。そうした状況の中でも、二次的な波及が確認できれば利上げを正当化するような十分な理由になるとお考えでしょうか。
(答)
一点目のご質問、もう 1 回お願いできますでしょうか。
(問)
先ほどその一時的なものにはルックスルーという考え方に沿って判断をされたというふうにご説明になったと思いますけれども、これについての認識の確認で、今の時点で中東情勢の混乱やそれに伴う原油高といった動きがですね、幅広い品目の値上げにつながったり、賃金上昇を伴ったりするような、そういった動きはまだないから、ルックスルーが適当なんだということで今回の判断をされたという認識でよろしいかということです。
(答)
その点はリスクとしては、注意してみていきたいと思いますけれども、現時点では、例えば、先ほど来申し上げてることで申し上げれば、中長期の予想物価上昇率が大きく跳ね上がるというようなことは起きていないというふうに認識していますので、注意しつつも現時点ではそこにまでには至っていないというふうに考えています。
それから、今後の政策運営に関連しまして、中心的見通しの確度は低くても、利上げがあり得るかということをご質問だったと思います。これも若干これまでと重なりますけれども、今申し上げた物価の上振れリスクがかなり顕在化してきた、あるいはそのリスクが高まりつつある、という一方で、経済の方の下振れ、あるいは大きな景気調整が起こるリスク、これがある程度制限されているというような状況の場合には、利上げに至るという可能性があり得ると思っております。
(問)
私の方から二点質問させて頂きます。まずですね、中東情勢に関連して伺います。展望レポートなんですけれども、今回、サプライチェーンの大規模な混乱が生じるリスクというのに言及をされております。現在もなおですね、ホルムズ海峡は実質的に封鎖されていますけれども、物流面の制約でサプライチェーンが寸断されるリスクは残存している状態が続いていれば、その間は利上げする環境が整わないというふうに考えておられますでしょうか。
もう一点。今回利上げを見送られたことで 6 月の次回会合まで 1 か月半ほど間隔が空くということになると思います。6 月の時点で利上げするか否かはもちろんその時点のデータ次第だとは思いますけれども、物価の押し上げ圧力というのがかなり強い中で、この 1 か月半の間に物価が想定以上に上振れしてしまうリスクというのはどの程度あるというふうに考えておられますでしょうか。
(答)
ホルムズ海峡が実質的に閉鎖されたままでも利上げの判断があり得るかということだと思いますけれども、それはそのホルムズ海峡に関する情勢のその先の姿がどうなってるか次第ということだと思います。そこに関する予想を持ったうえで、先ほど申し上げましたようなインフレリスク、それから景気に関するリスクを点検したうえで、場合によっては利上げという判断はあり得るというふうに思います。
それから、6 月までの間に物価が大きく上昇するリスクというご質問だったと思いますが、消費者物価の段階で 6 月までのデータにものすごいはっきりと大きな上昇圧力が出てくるということは場合によってはないかもしれないと思っています。もう少し先のデータに今回の物価上昇圧力が表れてくる可能性が高いと思っていますが、当然それが更にもっと上がるというリスクが高まる場合には、それを待たずにいろいろ判断するということはあり得ると思います。予想のもとに見通しのもとに判断するということはあり得ると思います。
(問)
今回の決定会合前に、政府サイドからかなり政策金利についての言及があったように認識しているんですけれども、改めて日銀の自主性、独立性についてどうお考えか、高市政権とのやり取りにご懸念がないかお聞かせください。
(答)
まず、今回の据え置きという判断は私どもで議論したうえでそれが適切というふうに判断したものでありますし、政府とは密接な意思疎通を続けておりますし、今後もその努力を続けたいと思っております。
(問)
1970 年代には物価上昇率が前年比で 2 割を超えて、春闘での賃上げ率が 3 割を超える年もあったんですけれども、植田総裁としては現時点で日本がこういう 1970 年代のようなそういう状況になるリスクというのはどの程度あるとご覧になってますでしょうか。
(答)
70 年代の特に前半、第一次の石油ショックのときがインフレが厳しかったわけですけれども、ここは振り返ってみますと、原油価格は上昇に転じる前に、かなり経済は過熱していて、物価・賃金は高い上昇率の状態にあった。そこに原油価格上昇がきて、一段とひどいことになったということだったと思います。金融政策の対応の問題もありましたけれども。現状をみてみますと、今回の中東情勢の悪化の前の時点で経済がすごい過熱していたとか、あるいは物価・賃金が、物価であれば 2%、賃金はそれプラス生産性上昇率、これを大きく超えて上昇しつつあったという状況ではなかったというふうに思っております。ですので、70 年代の特に前半のようなことになる可能性はそれほど高くないとは考えていますが、唯一、初期条件的な意味では、現実の政策金利が少なくとも中立金利を下回っているという初期条件はありますので、その点は注意しつつ政策運営をしていきたいと思います。
(問)
今回の展望レポートでこのリスクに触れたところで、物価上昇率が大きく上振れて、それがその後の経済に悪影響を及ぼすことないよう十分留意する必要があるっていう結構踏み込んだ表現を使ったんで非常に印象的だったんですが、これは要するにですね、今後対応を誤ると、日銀の政策金利の到達点、ターミナルレートが中立金利を大きく上回るような事態になって経済に悪影響を及ぼすような、そういうようなリスクにも十分留意するよう必要がある、そういったことを言っているんでしょうか。
(答)
インフレ率、特に基調的なインフレ率がはっきり 2[%]を超えて高まってしまう、無視できない程度に高まってしまうことがありますと、それを下げるために強い引き締めをどこかでせざるを得なくなるという可能性が出てきますので、その場合は明らかに、といいますか少なくとも可能性として、ターミナルレートが中立金利を上回ってしまうことがあり得ます。それに伴う経済のボラティリティの上昇ということを気にしないといけないというふうに思います。
(問)
先ほど実質金利は中期までですね引き続きマイナスであるというご発言ございましたが、当面はですね物価の上振れが続いて企業や市場のインフレ期待も上がっておりまして、当面、実質金利は一段とですねマイナス幅が深まるということが考えられるわけですけども、その場合やっぱり物価上振れリスクを一段と強める可能性があると思いますが、こうした上下リスクがある中で、実質金利が低下する局面との金融政策との関係ですね、総裁この辺どのようにお考えでしょうか、お願いします。
(答)
当面実質金利が低い、場合によってはもう少し下がるということが景気を下支え、物価を上振れさせるという可能性があるということ、基本的にはわれわれは中立金利よりちょっと下にあるということは意識しつつ、政策をしていきたいと思います。従いまして、他の条件を一定にすれば、政策金利を、標語的な言い方になりますが、中立金利へ少しずつ調整していく途中にあるという認識は変わっておりません。
(問)
私は金融政策ではなくですね、先週日経新聞が連載で企画記事を載せていたプライベート・クレジットについて伺いたいと思います。米国でのですね、金融システム問題にもつながりかねない問題というふうに取り沙汰され始めている問題であるかと思いますが、去年の 6 月のこの会見でですね、私、同じ質問させて頂いて、それに対して総裁はですね、日本の金融機関や投資家がこういうところと取引する例も増えている、注意深くモニターしていきたい、と答えてくださっております。ほぼほぼ 1 年経ってるんですけれども、このモニター、どんなふうに、日米の問題についてですね、日銀としてはモニターをされていて、日本の投資家にも結構はまっているなとは思うんですけどね。日本でプライベート・クレジットが広範にアメリカのように広がっているとは思いませんけれども、どのように理解しておられますでしょうか。
(答)
プライベート・クレジットの周りのお話ですけれども、基本的には日本からのエクスポージャーはそれほど大きくないというふうに認識しています。ただ全体として、実態に関する不透明性が高いセクターあるいは資金の流れでありますので、注意してみていかないといけないっていう中で、昨年夏以降、いくつかの警鐘を鳴らすようなことが起こっておりましたし、更に今年に入って、特に第 1 四半期ですかね、一部のリテールの資金の流出が目立つというようなことも、ルールの範囲内でですけれども起きました。ただ、全体として、プライベート・クレジット周りあるいはリスクの高い企業に対するクレジットの価格が大きく下落しているという事態にはなっていない、つまりシステミックな事態にはなっていないというふうにみておりますが、データギャップ、必ずしも現実をきちっと把握するデータが十分には取れていないということもありますので、海外当局とも連携しながら実態の把握に引き続き努めていきたいと思っております。
(問)
基調的物価について伺いたいんですが、日銀は新しい基調的物価の指標を最近使い始めましたけど、この 13 年間にわたって何度となく基調的物価をみる指標を差し替えてきました。その度に、ほぼ物価見通しを外し続けてきました。どうしてそういうことになったのか。その都度、なんていうんですか、都合のいい、政策に合わせるための基調的物価データを使ってきたんじゃないかということはないのかということと、その結果、正しい政策を適用できなかったのではないかという見方ができるわけですけど、総裁はどうお考えでしょうか。
(答)
基調に関しては、私どもが何か新しい指標を開発してそれを、言い方あれですけど、都合よく世間に発表して、議論を誘導しようということで、前回の一時的な要因を除く何とかというのを発表したわけではございませんで、これは前からもずっとみていた指標の一部でございます。その中で、このタイミングで発表した理由としましては、前回申し上げたかもしれませんが、ヘッドラインのインフレ率が足元低下していく中で、それが政府の政策で一時的に低下して。
(問)
すいません、あの、今回差し替えた理由ではなくて、過去の話を伺ってます。
(答)
過去の、特にどの部分でしょうか。
(問)
例えば消費者物価指数の総合を使い、生鮮食品を除くを使い、生鮮食品とエネルギーを除くを使い、刈込平均を使いと、その都度なんていうんですか、政策に合わせて、都合のいい指標を前面に出して、もちろん全て使ってるのかもしれませんが、説明の材料に使ってきたようにみえるわけですけれども、その結果、過去の政策が誤った判断をしたということはないんでしょうか。
(答)
まず、政策が誤ったかどうかは別にしまして、ヘッドラインのインフレ率、それから生鮮を除く、あるいはエネルギーを除く、エネルギー・食料を除く、こうしたものをみるというのは、広い意味での基調的な物価をみたいという、いろんな中央銀行がほぼ全てしていることであって、私どもが特別変わったことをしているというわけではないということかと思います。
(問)
3 月の前回会合と比べた認識の変化についてもう少し精度を上げて教えて頂ければと存じます。前回の会見ではですね、物価の上方リスクを重視したいという人が微妙に人数として多かったという印象を持ったというふうに総裁おっしゃっていました。今回はその人数として、前回の微妙に多かったという印象よりも増えたのか、また政策委員会全体として物価上昇リスクへ備えなければならない雰囲気っていうのは前回よりも強まったのかどうか、総裁の印象をですね、なるべく分かりやすい言葉でお伝え頂ければと存じます。
(答)
前回との比較で何人というのは難しいんですが、前回との比較で申し上げれば、3月の時点では見通しはまだ 1 月のもののままだったわけで、そことの比較で上方リスクを皆さんあるいは少なくともある程度の方がおっしゃってたということだと思います。今回はインフレ見通しを上方修正したうえで、そのうえで更に上振れリスクをおっしゃる方が何人かいらしたという、特に先ほど申し上げた三人は、それを根拠に利上げをすることが適当であるというふうにおっしゃったということでございます。
(問)
展望レポートの 9 ページのところ、一番最後のところで、経済・物価・金融情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げて、金融緩和度合いを調整するという表現が今回あると思うんですけど、これ従来の改善に応じてというのがなくなっているところが違いだと思ってます。これは今回の展望レポートでは 26 年度の経済については前回に比べて下振れしていて、なかなか経済の改善が難しい中でも利上げを続けていく、経済改善と利上げをリンクさせるのをちょっとやめたというような見方をすればいいのかというところと、あと先ほども少し質問にあったスタグフレーションについてなんですけれど、改めて今スタグフレーションなのか、それともまだスタグフレーションではないけどその可能性が徐々に高まっているのか、そこの部分を改めてお聞かせください。
(答)
前段ですけれども、今日いろいろなご質問に対する答えで申し上げた通り、今後の利上げのパターンとしては、もちろん見通しの確度が上がっていくということに沿ってというのが典型的なパターンですけれども、その中でも見通し通りでも当面成長率が少し下がるということであります。その場合でも大きな景気の下振れっていうことにならない限り、物価が見通し通りのパスを描くあるいは上振れリスクが顕在化するようなときには利上げの可能性があるということであります。そういうことでありますので、経済・物価の改善の度合いに応じてという表現が必ずしも馴染まないかなということで、そこは削除ないし変更させて頂いたということでございます。すみません二点目が何でしたっけ。
(問)
スタグフレーションに今なってるのか、まだなってないけど、この可能性が高まっているのかっていうことを改めて確認させてください。
(答)
それはスタグフレーションという言葉の定義次第だと思いますけれども、私どもの見通し通りであれば、景気は減速し、物価上昇率は上昇するということであります。ただどちらも一時的、ただし、物価の上昇率の上昇の方は少し長く続くという見通しであるということでございます。
(問)
物価見通しについてちょっとまた改めてお伺いしたいんですけども、コアコアが2027 年度も 2.6 から 2.7%と高い状態が続くとの大勢見通しで、前提として中東情勢も影響が和らいで、サプライチェーンも大規模混乱が生じないということがあるとは思いつつも、その割には水準が高いように思いちょっと気になりました。供給が途絶する極端なサプライショックっていうものは想定はしないけれども、一応原油価格高騰などによって関連する製品の、副次的な効果として、価格が上がったことをある程度織り込まれているようなところもあって、そういう影響が 1 年以上は長期化するとみての 27 年度見通しっていうふうにみてもいいのかどうかっていうところを、ちょっとこの辺り詳しい見方についてお伺いできればと思います。
(答)
そこはですね、大まかには原油、石油化学製品の価格上昇が少しずついろんな財、場合によってはサービスに転嫁されていくということがゆっくり進んでいく結果ということだと思いますが、もう少しこれを解像度を上げてみれば、確か 27 年度の前半くらいまでにはピークを打って、そこからインフレ率としては下がっていくということだと思うんですけど、平均をとってみますと 27 年度全体の、こういう姿になるということだったと思います。
(問)
次回 6 月の政策決定会合では、国債買入れ減額計画の中間評価があります。買入れ計画の見直しの判断と利上げ判断っていうのは、セットで考える可能性があるのでしょうか。それともそれぞれ別々の判断軸で考えるべきだとお考えでしょうか。
(答)
短く申し上げれば、それぞれ別々に適切に判断したいというふうに思っております。
(問)
その理由も簡単に伺ってもよろしいですか。
(答)
国債買いオペの減額については、従来から申し上げてますように、国債市場の安定性に配慮するための柔軟性を確保しつつ、予見可能なかたちで減額していく。一方で、政策金利については、今日申し上げたような様々なリスク要因もありますが、基本的には実質金利が低いもとで、適宜見通しの確度の上昇に応じて金利を引き上げていく、ということが適切であるという見方から判断していくということでございます。
以上
日本銀行
総裁記者会見
――2026年4月28日(火)午後3時30分から約65分
(問)
本日の金融政策決定会合の内容について、展望レポートの内容も含めて、総裁、ご説明お願いします。
(答)
今日の決定会合では、無担保コールレート・オーバーナイト物を 0.75%程度で推移するよう促す、という金融市場調節方針を維持することを賛成多数で決定しました。中川委員は、中東情勢の不透明感はあるが、経済情勢を踏まえると、緩和的な金融環境のもとで、物価の上振れリスクが高いとして、それから、高田委員は、物価安定目標は概ね達成されており、海外発の物価上昇の二次的波及から国内物価の上振れリスクが既に高まっているとして、それから田村委員は、物価上振れリスクが大きく拡大する中、中立金利に少しでも近づけるためとして、政策金利を三者とも1.0%程度に引き上げる議案を提出しましたが、反対多数で否決されました。
本日は、展望レポートを公表しましたので、これに沿って、経済・物価の現状と先行きについてご説明します。最初に、今回の見通しの前提についてです。中東情勢については、なお不透明な状況が続いていますが、今回の展望レポートの中心的な見通しは、今後、中東情勢の影響が和らぐもとで原油価格が下落し、サプライチェーンの大規模な混乱は生じないことを前提に作成しました。こうしたもとで、ドバイ原油の価格については、先物市場の動向などを参考に 1 バレル 105 ドル程度を出発点に、見通し期間の終盤にかけて 70 ドル台程度まで下落していくと想定しました。なお、今後の中東情勢の帰趨次第では、経済・物価の見通しが大きく変化し得る点には注意が必要と考えています。そのうえで経済についてです。わが国の景気の現状ですが、中東情勢の影響もあって、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復していると判断しました。先行きを展望すると、2026 年度については、原油価格上昇に伴う交易条件の悪化などが企業収益や家計の実質所得に対する下押し要因となることから、成長ペースは減速すると考えられます。もっとも、企業部門における高水準の収益や政府による各種施策が下支えとなり、緩やかな成長は維持されると考えています。2027 年度以降は、原油高のマイナスの影響が減衰し、所得から支出への前向きな循環メカニズムが徐々に強まっていくことから、わが国経済は成長率を緩やかに高めていくと考えられます。前回の展望レポートからの比較でみますと、2026 年度の成長率の見通しが下振れています。次に、物価についてですが、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、賃金上昇の販売価格への転嫁の動きが続くもとで、米などの食料品価格上昇の影響もあって、2%を上回って推移してきましたが、足元では政府によるエネルギー負担緩和策の効果などから 1%台後半となっています。先行きについては、賃金上昇を販売価格に転嫁する動きが続くもとで、原油価格上昇が、エネルギー価格や財価格を中心に押し上げ方向に作用することから、2026 年度は 2%台後半になると予想されます。その後は、原油高の影響が減衰していくもとでプラス幅を縮小していき、2027 年度は 2%台前半、28 年度は 2%程度になると予想されます。この間、人手不足の強い状況が続く中で、賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇していくメカニズムは維持され、中長期的な予想物価上昇率は上昇していくと見込まれます。こうしたもとで、消費者物価の基調的な上昇率は徐々に高まっていくと予想され、2026 年度後半から 27 年度にかけて、物価安定の目標と概ね整合的な水準となり、その後も同程度で推移すると考えられます。前回の展望レポートからの比較でみますと、26 年度の物価見通しが大幅に上振れているほか、27 年度もいくぶん上振れています。以上のような見通しを巡るリスク要因としては、様々なものがありますが、当面は、今後の中東情勢の展開が金融・為替市場やわが国の経済・物価に及ぼす影響を特に注視する必要があります。こうしたことから、今回の展望レポートでは、中東情勢を巡るリスクシナリオが顕在化した場合の経済・物価への影響について詳しく説明しています。リスクバランスは、2026 年度を中心に経済見通しについては下振れリスク、物価の見通しについては上振れリスクの方が大きいとみています。これらのリスクがともに高まることも考えられますが、基調的な物価上昇率が 2%に近づいている中、企業の賃金・価格設定行動が積極化していることなどを踏まえますと、特に物価上昇率が大きく上振れていくリスクが顕在化し、それがその後の経済に悪影響を及ぼすことがないよう十分に留意する必要があります。なお、展望レポートについて、高田委員からは、消費者物価は既に概ね物価安定の目標に達する水準にあることなどを記述する案、田村委員からは、基調的な物価上昇率は、物価安定の目標と概ね整合的な水準で推移すると考えられることなどを記述する案が提出され、それぞれ否決されました。
最後に、今後の金融政策運営についてです。日本銀行としては、基調的な物価上昇率が 2%に近づいている中、現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえますと、経済・物価・金融情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えています。そのうえで、調整のタイミングやペースについては、中東情勢の展開がわが国経済・物価に及ぼす影響を注視したうえで、経済・物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検しながら検討していく方針です。日本銀行は、2%の物価安定の目標のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、適切に金融政策を運営していく方針です。
(問)
一問目はリスクについてです。総裁は中東情勢について物価の上方リスクと景気の下方リスクの双方を見極める考えを示されてきました。今回の決定に際し、それぞれのリスクについて総裁がどのように判断されたか、またどちらに重きを置いたかも含めてご教示頂ければと思います。
二問目は金融政策についてお伺い致します。供給制約の解消が見通せない中で、石油や関連製品では値上げの動きも既に出ております。今回、金利を据え置いたわけですけれども、ビハインド・ザ・カーブへの懸念について総裁は今どのようにお考えでしょうか。
(答)
まず一問目ですけれども、先ほど申し上げました通り、今回の展望レポートでは、2026 年度を中心に経済見通しについては下振れリスク、物価見通しについては上振れリスクが大きいと判断しています。まず、経済についてですが、仮に中東情勢の緊迫が長期化し、原油価格が高止まりすることになれば、交易条件の悪化やサプライチェーンへの影響等を通じて、先行きの景気下押し要因となり得ます。この点についてわが国経済は、企業部門に蓄積された高水準の収益や、政府による様々な経済対策などから、こうした下押し圧力に対してある程度の耐性を有していると考えられますが、ショックの規模や持続性次第では、経済が一段と減速する可能性がある点には留意が必要と考えています。物価面ですが、中東情勢に伴う景気減速は、需給ギャップの悪化などを通じて、基調的な物価上昇率を下押す方向に作用するものの、全体としてみれば上振れリスクの方が大きいと考えています。すなわち原油は、様々な産業の上流から下流にかけて広く原材料として使われているため、原油価格の高止まりはエネルギー価格だけでなく幅広い財を中心に、価格を押し上げる方向に作用します。加えまして、現在のわが国では、過去に比べて企業の賃金・価格設定行動が積極化していることなどを踏まえますと、原油価格の上昇はこれまで以上に様々な財・サービスの値上げに波及しやすくなっている可能性があります。また、そうした動きが予想物価上昇率の上昇を通じて基調的な物価上昇率の押し上げにつながりやすくなっている可能性があることにも留意が必要と考えています。
二つ目のご質問ですけれども、これも先ほど申し上げました通り、今回の展望レポートでは、基調的な物価上昇率が 2026 年度後半から 27 年度にかけて、物価安定の目標と概ね整合的な水準となるというこれまでの中心的な見通しは維持しています。もっとも、中東情勢の帰趨を巡り、足元、経済・物価ともに不確実性が高いことを踏まえますと、その分、こうした見通しが実現する確度は、これまでに比べれば低下していると考えています。また、リスクバランスをみますと、これは申し上げた通り、26 年度を中心に経済は下振れリスク、物価は上振れリスクがそれぞれ大きくなっていて、現時点ではその持続性や両者の関係などについて評価が難しい状況となっています。こうした中、日本銀行としては、中東情勢の帰趨やそれがわが国の経済・物価情勢に及ぼす影響、すなわち中心的な見通しの確度が再び高まってくるかどうか、また、経済・物価を巡るリスクが変化していくかどうか、といった点をもう少し確認したいと考えています。特に、基調的な物価上昇率が 2%に近づいている中、ご指摘のように石油関連製品を中心に企業の価格設定行動が積極化していることなどを踏まえますと、物価上昇率が大きく上振れていくリスクが顕在化し、それがその後の経済に悪影響を及ぼすことがないかどうか、十分に留意する必要があると考えています。こうした点も踏まえつつ、日本銀行としては、経済・物価・金融情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくという基本的な考え方のもと、ビハインド・ザ・カーブに陥ることがないよう、様々なデータや情報を丁寧に点検しながら、次回以降の決定会合において適切に政策を判断していきたいと考えています。
(問)
二問お願いします。2027 年[度]以降は成長率は元の水準というか高まっていく一方で、展望レポートの見通しですと、2027、28[年度]の、コアコアが大幅に 2%を上回っております。かつ委員のリスク評価の分布も物価の上振れリスクを強めにみているようです。これをみると近い将来の利上げおよび中立金利に向けて数度の利上げを視野に入れてるというふうに読めるんですが、そういう理解でいいのかという点が一点目です。あと、基調物価、予想インフレはまだ 2%にアンカーされていないのでしょうか。物価の上振れリスクに対して随分強調した展望レポートのように読めるので、既にサプライショックをルックスルーできない情勢のようにみえるんですが、そこについての見解をお願いします。
(答)
コアコアあるいはコアも前回に比べるとだいぶ上振れした見通しになっていますけれども、基本的にこれはさっき申し上げましたように、原油価格上昇が波及して、様々な財、場合によっては一部サービスの価格が上がる、しかしそれは一時的なものであるという見方を反映したものでございます。ただ、どこをみるかによって一時的な度合いが少し早く終わったり、少し長引いたり、ということだと思います。そのもとで、これも申し上げましたように、基調的な物価は現在やや 2%を下回るところにあるのが、徐々に上昇していって、見通し期間後半といいますか、26 年度の後半から 27 年度にかけて 2%に大体定着して、その前後でその後推移するという見方は前回と変えていません。ただそう申し上げたうえで、こうした、まとめてヘッドラインと申し上げますと、中心のインフレ率の上昇が基調物価を引き上げるというリスクは、先ほども申し上げましたように十分意識していますし、そこのリスクを評価する際に、二点目でおっしゃいました期待インフレ率がアンカーされているかどうか、現在、中長期のインフレ予想はどの指標をみるかによってかなり開きがありますけれども、2%に近づいてきてるけれども、長い間 2[%]のところをずっと行ったり来たりしてるわけではないという意味で、完全にはアンカーされてないということはあると思います。従って、ここから上下に振れやすいという可能性は頭に置いていろいろみていかないといけないというふうには思っています。
(問)
二点お伺いします。まず一点目、先行きのリスクについてなんですけども、総裁かねて上下双方向のリスクに言及されて、今回の展望レポートではですね、その両方に触れつつ、特に物価上昇のリスク顕在化に留意するっていう言及があります。物価見通しも上振れ予想になってますけれども、その中で利上げ見送りの判断になったっていうのは、これは現状としては景気下振れと物価上振れっていうのは五分五分で、その先は物価上昇リスクの方が大きくなるっていうそういう整理なんでしょうか。
二点目も併せて。現状の利上げペースへの評価についてなんですけれども、実質金利がきわめて低いっていう状況にある中で、三会合連続で金利維持しました。一方で、物価安定目標の達成時期が変わっておりませんで、物価見通しは上振れだという中で、総裁、先ほどもう少し確認したいっていう文言もありましたけども、次、いつ頃利上げすることができればこれは整合的な金融政策運営になるとお考えでしょうか。
(答)
物価の上振れリスクと景気の下振れリスクをどう評価して、今回、現状維持になったかというご質問だったと思いますが、現状維持の基本的な理由を一言で申し上げれば、中心的な見通しの確度がかなり今回は低下したということだと思います。その裏側でリスクシナリオとして、物価の特に上振れリスクと、景気の下振れリスクに注意しないといけないということです。今後、それを更に付言させて頂ければ、景気については、特に大きな景気調整局面が来るかどうかというリスクについて意識してみていきたいと思いますし、物価については、基調的物価がここからはっきりと上振れるリスクがあるかどうかということを中心にみていきたい、これらについてもう少し確認をしたいということが今回の据え置きの基本的な理由でございます。
では、三回据え置きの後、どこまで見極めたらよいのかというご質問だったと思いますが、これについて、見極めに何か月かかるかという点については、いつも申し上げていることですが、予断を持っておりません。次回以降、次回も見通しの確度、そして今申し上げたようなリスクのあり方を点検して適切な判断をしていきたいと思っております。
(問)
二問お伺いします。一問目は、今回三人の審議委員の方が決定案に反対をされました。植田さんが総裁になられてから審議委員を含めて政策委員の方三人が反対されるのは初めてとなりますが、この件についての受け止めと、日銀の金融政策の決定に対してボードの多くの方が反対されることによる金融政策のクレディビリティみたいなものへの影響があるのかどうかっていうのを教えてください。
もう一点はですね、今回改めてなんですが、その利上げを見送られましたが、26 年[度]の見通しは物価が 0.9%、大幅に上振れておりますし、実質GDPは 0.5%の下振れと、いわゆるスタグフレーションみたいなですね、色彩を帯び始めているのか、そういったことを懸念されているのかっていうことと、もしそういう状況があるんであれば、早めに利上げしなければビハインド・ザ・カーブになるんじゃないかという懸念もあると思います。改めて教えてください。
(答)
まず三人反対が出たということですけれども、それ自体は議長としては深刻に受け止めないといけないと思っております。ただし、どうしてそうなったかということを考えてみますと、おっしゃったように、負のサプライショックで景気は下振れ、物価は上振れ、そういう中でどういう金融政策を遂行していくのが適切かという判断がきわめて難しいところという点を反映しているというふうに考えます。反対した三方は、皆さん、私も先ほど言及致しました、物価の今後の上振れリスクを気にして、それに備えるために現在から利上げをするのが適切であるという、縮めて言えばそういうご判断だったと思います。これに対して残りの六人について、平均的なところを申し上げれば、やはり物価の上振れリスクは皆さん気にしていらっしゃいますが、現在直ちに利上げで対応するというところまでの緊急度はないと、もう少し、先ほど申し上げたように、リスクの展開あるいは中心的見通しの確度が上がってくるかどうかをみたいというご判断だったと思います。
それから、やや重なりますけれども、特に、例えば 26 年度を中心に大きく物価見通しが上振れする中で金利を据え置くという判断が適切かどうかということですが、これは例えて言えば、よく言われます一時的なサプライショックに対しては物価は上振れ、景気は下振れるわけですが、ルックスルーというのが適切であるという考え方と概ね沿った判断というふうに考えております。ただ、これが二次的な効果を持つ、私どもの言葉で言えば基調的物価上昇率に響いてくるというような際には、適切に利上げ方向で反応しないといけないということは申し上げるまでもないということだと思います。
(問)
二点お伺いしたいんですけれども、今回リスクバランスのところで物価上昇率が大きく上振れていくリスクが顕在化し、それがその後の経済に悪影響を及ぼすことを十分留意する必要があると、これをおっしゃってるのは可能性として、上振れリスクに対応して利上げをしなければいけない可能性を今感じてきてらっしゃるのかどうかっていうことが一つ。
あともう一つが、今後のコミュニケーションについてなんですけれども、本会合に当たってですね、マーケットの中では去年の 1 月と 12 月の利上げの前にですね、明確な利上げのシグナルがあったと。今回の会合に関してはそれがなかったので、利上げはないだろうという予測が増えたというふうに私は理解してるんですけれども、今後もこの非常に難しい状況、経済不確実性が高い中なんですけれども、利上げを必要性を感じたら総裁としては明確に市場にシグナルを送るというお考えなのか、それともこういった状況だとそれはちょっと難しいということなのかお願いします。
(答)
一つ目のご質問は、物価の上振れリスクに対応した利上げがあるかどうかというご質問ですか。
(問)
その可能性を感じ始めていらっしゃるか。
(答)
その可能性は、はい、おっしゃる通りです。ただ、それが今後の利上げの唯一の理由になるとは考えていません。
それからコミュニケーション上、例えば利上げの直前に明確なシグナルを送るかどうかとかいう辺りについては、どういうコミュニケーションが適切か、足元の経済・金融情勢等も踏まえて引き続き検討していきたいと考えています。
(問)
過去のご発言から二点伺います。まず一点目は、物価の上振れリスクについてなんですけれども、2 年ほど前の 24 年 5 月の講演で、これ「賃金と物価の好循環と今後の金融政策運営」と題された講演なんですけれども、その中で物価の見通しが上振れたり、あるいは物価の上振れリスクが大きくなった場合は、政策金利を早めに調整していくことが適当になるとおっしゃっていました。今回の展望レポートをみると、繰り返しになりますけれども、緩和環境下で物価をコントロールする立場として、上振れリスクをかなり意識されてるようにも受け取れるんですが、今会合でのこの政策判断、行動が伴わなかった理由、あとこれまでの発言・対話との整合性の観点から伺えればと思います。
あともう一点はですね、3 年前なんですけど、総裁が初めて出席された 23 年の 4 月会合で着手を決めた多角的レビューに関して、その直後の会見で 1 年半としたレビューを手がける期間について、正副総裁の任期 5 年ですけれども、それを念頭に任期中にレビュー結果を役立てたいとされていました。既に残りの任期も 2 年を切ってますけれども、展望レポートで示すこういう年度ベースの予測値ですとか、実績をみると、2%目標を超えてるというか 3%程度の物価上昇率が任期中ずっと続く可能性が出てきました。改めてですけれども、日銀のこの考察結果は 2%物価安定目標に役立っているのか、ご所見を伺えればと思います。
(答)
まず一点目ですけれども、先ほどもちょっと申し上げたことですが、当面ヘッドラインのインフレ率は少し大きめに上昇します。これは基調的物価のインフレ率の上昇を直ちには意味しないわけですけれども、賃金・物価の設定行動が積極化してる中で期待インフレ率、特に中長期のそれがはっきり上昇して基調物価が上振れてしまうリスクには注意し、そうならないように政策を適切に発動していきたいと思っています。
それから二点目のレビューとの関係ですけれども、レビューの一つの結論は、2021、2022 年くらいまでの期間においては、物価や賃金の中長期の予想あるいはそういうことに関する経済のノルムみたいなものがゼロ近辺にアンカーされてしまって、それを抜け出すのがすごい難しかったということだと思います。現在そこからある程度脱出することはできて、中長期の予想インフレ率も 2[%]に近づいてきているわけですが、先ほども質疑ありましたが、そこにアンカーされてるというところまではまだいける自信がないところでございます。ですので足元おっしゃったように、ヘッドラインのインフレ率は少し上振れていくわけですけれども、2%にできる限りアンカーされるような政策運営に努めたいと思っております。
(問)
一問お願い致します。政策金利が中立金利の中にあるFRB、ECBとは違って、日銀の現状の政策金利は中立金利よりも下ですけれども、現状維持であっても金融環境は引き続き緩和的であると思うんですけど、それは一方で物価には押し上げとして働き、一方で景気下支えには働くかと思うんですけど、原油高とか供給ショックの影響ってのは、物価にはわり方早めにもう結構表れてたかと思うんですけども、生産活動とか消費にはやっぱここから時間がかかると思うんですけど、先ほどのお話聞いてると現状でやっぱ物価上振れリスクの方を軸足を置いてるかと思うんですけど、今後やはりデータ次第で経済の下振れが大きくなってきたときの政策対応というのは現状でどのようにお考えかお伺いしたいんですけど、よろしくお願い致します。
(答)
リスクが顕現化するときに、物価のリスクと景気の方のリスクのどちらが先に表れるかということは必ずしもはっきりしないような気が致します。物価が当面、エネルギー関連中心にあるいはそれを使うような財を中心に上がるということははっきりしているわけですけれども、基調物価に影響するかどうかは必ずしもはっきりしないです。そしてサプライチェーンの問題等が広がる場合には、景気にわりと早めに影響が出るということも考えられるかなと思います。ですから、その辺は予断を持たずに判断していきたいと思いますし、そうしたリスクの顕現化の度合いに応じて、今後の金融政策のあり方を適切に調整していきたいと思っております。
(問)
一問お願いします。まず、中立金利の距離についてちょっとお伺いしたくてですね、中立金利との距離でどの程度近いあるいは遠いとお考えで、現在この物価の上振れリスクへの注意がより必要となる中で、利上げを急ぐ局面ではないという認識もお持ちなのか、そこら辺をお聞かせ頂ければと思います。
(答)
この点は何度もやり取りさせて頂いたわけですけれども、データ分析のような方法で中立金利の範囲を絞るということには、当面かなりの限界があるというふうに感じているわけですが、その中で、私どもとしては、そうした結果も参照しつつですが、毎回の利上げを行った際にその後の金融・経済情勢がどう推移するかということを丁寧にみて、中立金利との距離感まではいかないかもしれないですけれども、金融環境が緩和的かどうかということを判断していくというやり方できているわけです。もう少し具体的に申し上げれば、前回 12 月に利上げをしたわけですけれども、その後の様々な金融指標、実質金利が依然として短期から中期ゾーンを中心にマイナスであるとか、そのもとで貸出の量は増加を続けている、金融機関の貸出態度は緩和的である、ごく一部に例外はありますが、社債・CP市場はやはり良好な状態で推移しているようなことを考えますと、現状でも金融環境は緩和的であるというふうに判断しております。
(問)
一点目は確認ですけれども、先ほど質問への回答で、一時的にはルックスルーが適切という考え方に沿った判断とおっしゃいました。現時点では、中東情勢の緊迫に伴う原油高などがですね、幅広い品目の値上げや賃金上昇に伴ういわゆる二次的な波及、基調物価への影響という意味では、まだそうした影響はないということなのでしょうか。また、今後どういう変化が出てくれば影響が出てきたと確認できるのか、ご認識を教えてください。
それから二点目も関連ですけれども、先ほどその現状維持の理由について中心的見通しの確度が低いというふうにご説明されました。次回 6 月会合の時点でも引き続き低い、あるいはもっと下がっているような可能性もあると思います。そうした状況の中でも、二次的な波及が確認できれば利上げを正当化するような十分な理由になるとお考えでしょうか。
(答)
一点目のご質問、もう 1 回お願いできますでしょうか。
(問)
先ほどその一時的なものにはルックスルーという考え方に沿って判断をされたというふうにご説明になったと思いますけれども、これについての認識の確認で、今の時点で中東情勢の混乱やそれに伴う原油高といった動きがですね、幅広い品目の値上げにつながったり、賃金上昇を伴ったりするような、そういった動きはまだないから、ルックスルーが適当なんだということで今回の判断をされたという認識でよろしいかということです。
(答)
その点はリスクとしては、注意してみていきたいと思いますけれども、現時点では、例えば、先ほど来申し上げてることで申し上げれば、中長期の予想物価上昇率が大きく跳ね上がるというようなことは起きていないというふうに認識していますので、注意しつつも現時点ではそこにまでには至っていないというふうに考えています。
それから、今後の政策運営に関連しまして、中心的見通しの確度は低くても、利上げがあり得るかということをご質問だったと思います。これも若干これまでと重なりますけれども、今申し上げた物価の上振れリスクがかなり顕在化してきた、あるいはそのリスクが高まりつつある、という一方で、経済の方の下振れ、あるいは大きな景気調整が起こるリスク、これがある程度制限されているというような状況の場合には、利上げに至るという可能性があり得ると思っております。
(問)
私の方から二点質問させて頂きます。まずですね、中東情勢に関連して伺います。展望レポートなんですけれども、今回、サプライチェーンの大規模な混乱が生じるリスクというのに言及をされております。現在もなおですね、ホルムズ海峡は実質的に封鎖されていますけれども、物流面の制約でサプライチェーンが寸断されるリスクは残存している状態が続いていれば、その間は利上げする環境が整わないというふうに考えておられますでしょうか。
もう一点。今回利上げを見送られたことで 6 月の次回会合まで 1 か月半ほど間隔が空くということになると思います。6 月の時点で利上げするか否かはもちろんその時点のデータ次第だとは思いますけれども、物価の押し上げ圧力というのがかなり強い中で、この 1 か月半の間に物価が想定以上に上振れしてしまうリスクというのはどの程度あるというふうに考えておられますでしょうか。
(答)
ホルムズ海峡が実質的に閉鎖されたままでも利上げの判断があり得るかということだと思いますけれども、それはそのホルムズ海峡に関する情勢のその先の姿がどうなってるか次第ということだと思います。そこに関する予想を持ったうえで、先ほど申し上げましたようなインフレリスク、それから景気に関するリスクを点検したうえで、場合によっては利上げという判断はあり得るというふうに思います。
それから、6 月までの間に物価が大きく上昇するリスクというご質問だったと思いますが、消費者物価の段階で 6 月までのデータにものすごいはっきりと大きな上昇圧力が出てくるということは場合によってはないかもしれないと思っています。もう少し先のデータに今回の物価上昇圧力が表れてくる可能性が高いと思っていますが、当然それが更にもっと上がるというリスクが高まる場合には、それを待たずにいろいろ判断するということはあり得ると思います。予想のもとに見通しのもとに判断するということはあり得ると思います。
(問)
今回の決定会合前に、政府サイドからかなり政策金利についての言及があったように認識しているんですけれども、改めて日銀の自主性、独立性についてどうお考えか、高市政権とのやり取りにご懸念がないかお聞かせください。
(答)
まず、今回の据え置きという判断は私どもで議論したうえでそれが適切というふうに判断したものでありますし、政府とは密接な意思疎通を続けておりますし、今後もその努力を続けたいと思っております。
(問)
1970 年代には物価上昇率が前年比で 2 割を超えて、春闘での賃上げ率が 3 割を超える年もあったんですけれども、植田総裁としては現時点で日本がこういう 1970 年代のようなそういう状況になるリスクというのはどの程度あるとご覧になってますでしょうか。
(答)
70 年代の特に前半、第一次の石油ショックのときがインフレが厳しかったわけですけれども、ここは振り返ってみますと、原油価格は上昇に転じる前に、かなり経済は過熱していて、物価・賃金は高い上昇率の状態にあった。そこに原油価格上昇がきて、一段とひどいことになったということだったと思います。金融政策の対応の問題もありましたけれども。現状をみてみますと、今回の中東情勢の悪化の前の時点で経済がすごい過熱していたとか、あるいは物価・賃金が、物価であれば 2%、賃金はそれプラス生産性上昇率、これを大きく超えて上昇しつつあったという状況ではなかったというふうに思っております。ですので、70 年代の特に前半のようなことになる可能性はそれほど高くないとは考えていますが、唯一、初期条件的な意味では、現実の政策金利が少なくとも中立金利を下回っているという初期条件はありますので、その点は注意しつつ政策運営をしていきたいと思います。
(問)
今回の展望レポートでこのリスクに触れたところで、物価上昇率が大きく上振れて、それがその後の経済に悪影響を及ぼすことないよう十分留意する必要があるっていう結構踏み込んだ表現を使ったんで非常に印象的だったんですが、これは要するにですね、今後対応を誤ると、日銀の政策金利の到達点、ターミナルレートが中立金利を大きく上回るような事態になって経済に悪影響を及ぼすような、そういうようなリスクにも十分留意するよう必要がある、そういったことを言っているんでしょうか。
(答)
インフレ率、特に基調的なインフレ率がはっきり 2[%]を超えて高まってしまう、無視できない程度に高まってしまうことがありますと、それを下げるために強い引き締めをどこかでせざるを得なくなるという可能性が出てきますので、その場合は明らかに、といいますか少なくとも可能性として、ターミナルレートが中立金利を上回ってしまうことがあり得ます。それに伴う経済のボラティリティの上昇ということを気にしないといけないというふうに思います。
(問)
先ほど実質金利は中期までですね引き続きマイナスであるというご発言ございましたが、当面はですね物価の上振れが続いて企業や市場のインフレ期待も上がっておりまして、当面、実質金利は一段とですねマイナス幅が深まるということが考えられるわけですけども、その場合やっぱり物価上振れリスクを一段と強める可能性があると思いますが、こうした上下リスクがある中で、実質金利が低下する局面との金融政策との関係ですね、総裁この辺どのようにお考えでしょうか、お願いします。
(答)
当面実質金利が低い、場合によってはもう少し下がるということが景気を下支え、物価を上振れさせるという可能性があるということ、基本的にはわれわれは中立金利よりちょっと下にあるということは意識しつつ、政策をしていきたいと思います。従いまして、他の条件を一定にすれば、政策金利を、標語的な言い方になりますが、中立金利へ少しずつ調整していく途中にあるという認識は変わっておりません。
(問)
私は金融政策ではなくですね、先週日経新聞が連載で企画記事を載せていたプライベート・クレジットについて伺いたいと思います。米国でのですね、金融システム問題にもつながりかねない問題というふうに取り沙汰され始めている問題であるかと思いますが、去年の 6 月のこの会見でですね、私、同じ質問させて頂いて、それに対して総裁はですね、日本の金融機関や投資家がこういうところと取引する例も増えている、注意深くモニターしていきたい、と答えてくださっております。ほぼほぼ 1 年経ってるんですけれども、このモニター、どんなふうに、日米の問題についてですね、日銀としてはモニターをされていて、日本の投資家にも結構はまっているなとは思うんですけどね。日本でプライベート・クレジットが広範にアメリカのように広がっているとは思いませんけれども、どのように理解しておられますでしょうか。
(答)
プライベート・クレジットの周りのお話ですけれども、基本的には日本からのエクスポージャーはそれほど大きくないというふうに認識しています。ただ全体として、実態に関する不透明性が高いセクターあるいは資金の流れでありますので、注意してみていかないといけないっていう中で、昨年夏以降、いくつかの警鐘を鳴らすようなことが起こっておりましたし、更に今年に入って、特に第 1 四半期ですかね、一部のリテールの資金の流出が目立つというようなことも、ルールの範囲内でですけれども起きました。ただ、全体として、プライベート・クレジット周りあるいはリスクの高い企業に対するクレジットの価格が大きく下落しているという事態にはなっていない、つまりシステミックな事態にはなっていないというふうにみておりますが、データギャップ、必ずしも現実をきちっと把握するデータが十分には取れていないということもありますので、海外当局とも連携しながら実態の把握に引き続き努めていきたいと思っております。
(問)
基調的物価について伺いたいんですが、日銀は新しい基調的物価の指標を最近使い始めましたけど、この 13 年間にわたって何度となく基調的物価をみる指標を差し替えてきました。その度に、ほぼ物価見通しを外し続けてきました。どうしてそういうことになったのか。その都度、なんていうんですか、都合のいい、政策に合わせるための基調的物価データを使ってきたんじゃないかということはないのかということと、その結果、正しい政策を適用できなかったのではないかという見方ができるわけですけど、総裁はどうお考えでしょうか。
(答)
基調に関しては、私どもが何か新しい指標を開発してそれを、言い方あれですけど、都合よく世間に発表して、議論を誘導しようということで、前回の一時的な要因を除く何とかというのを発表したわけではございませんで、これは前からもずっとみていた指標の一部でございます。その中で、このタイミングで発表した理由としましては、前回申し上げたかもしれませんが、ヘッドラインのインフレ率が足元低下していく中で、それが政府の政策で一時的に低下して。
(問)
すいません、あの、今回差し替えた理由ではなくて、過去の話を伺ってます。
(答)
過去の、特にどの部分でしょうか。
(問)
例えば消費者物価指数の総合を使い、生鮮食品を除くを使い、生鮮食品とエネルギーを除くを使い、刈込平均を使いと、その都度なんていうんですか、政策に合わせて、都合のいい指標を前面に出して、もちろん全て使ってるのかもしれませんが、説明の材料に使ってきたようにみえるわけですけれども、その結果、過去の政策が誤った判断をしたということはないんでしょうか。
(答)
まず、政策が誤ったかどうかは別にしまして、ヘッドラインのインフレ率、それから生鮮を除く、あるいはエネルギーを除く、エネルギー・食料を除く、こうしたものをみるというのは、広い意味での基調的な物価をみたいという、いろんな中央銀行がほぼ全てしていることであって、私どもが特別変わったことをしているというわけではないということかと思います。
(問)
3 月の前回会合と比べた認識の変化についてもう少し精度を上げて教えて頂ければと存じます。前回の会見ではですね、物価の上方リスクを重視したいという人が微妙に人数として多かったという印象を持ったというふうに総裁おっしゃっていました。今回はその人数として、前回の微妙に多かったという印象よりも増えたのか、また政策委員会全体として物価上昇リスクへ備えなければならない雰囲気っていうのは前回よりも強まったのかどうか、総裁の印象をですね、なるべく分かりやすい言葉でお伝え頂ければと存じます。
(答)
前回との比較で何人というのは難しいんですが、前回との比較で申し上げれば、3月の時点では見通しはまだ 1 月のもののままだったわけで、そことの比較で上方リスクを皆さんあるいは少なくともある程度の方がおっしゃってたということだと思います。今回はインフレ見通しを上方修正したうえで、そのうえで更に上振れリスクをおっしゃる方が何人かいらしたという、特に先ほど申し上げた三人は、それを根拠に利上げをすることが適当であるというふうにおっしゃったということでございます。
(問)
展望レポートの 9 ページのところ、一番最後のところで、経済・物価・金融情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げて、金融緩和度合いを調整するという表現が今回あると思うんですけど、これ従来の改善に応じてというのがなくなっているところが違いだと思ってます。これは今回の展望レポートでは 26 年度の経済については前回に比べて下振れしていて、なかなか経済の改善が難しい中でも利上げを続けていく、経済改善と利上げをリンクさせるのをちょっとやめたというような見方をすればいいのかというところと、あと先ほども少し質問にあったスタグフレーションについてなんですけれど、改めて今スタグフレーションなのか、それともまだスタグフレーションではないけどその可能性が徐々に高まっているのか、そこの部分を改めてお聞かせください。
(答)
前段ですけれども、今日いろいろなご質問に対する答えで申し上げた通り、今後の利上げのパターンとしては、もちろん見通しの確度が上がっていくということに沿ってというのが典型的なパターンですけれども、その中でも見通し通りでも当面成長率が少し下がるということであります。その場合でも大きな景気の下振れっていうことにならない限り、物価が見通し通りのパスを描くあるいは上振れリスクが顕在化するようなときには利上げの可能性があるということであります。そういうことでありますので、経済・物価の改善の度合いに応じてという表現が必ずしも馴染まないかなということで、そこは削除ないし変更させて頂いたということでございます。すみません二点目が何でしたっけ。
(問)
スタグフレーションに今なってるのか、まだなってないけど、この可能性が高まっているのかっていうことを改めて確認させてください。
(答)
それはスタグフレーションという言葉の定義次第だと思いますけれども、私どもの見通し通りであれば、景気は減速し、物価上昇率は上昇するということであります。ただどちらも一時的、ただし、物価の上昇率の上昇の方は少し長く続くという見通しであるということでございます。
(問)
物価見通しについてちょっとまた改めてお伺いしたいんですけども、コアコアが2027 年度も 2.6 から 2.7%と高い状態が続くとの大勢見通しで、前提として中東情勢も影響が和らいで、サプライチェーンも大規模混乱が生じないということがあるとは思いつつも、その割には水準が高いように思いちょっと気になりました。供給が途絶する極端なサプライショックっていうものは想定はしないけれども、一応原油価格高騰などによって関連する製品の、副次的な効果として、価格が上がったことをある程度織り込まれているようなところもあって、そういう影響が 1 年以上は長期化するとみての 27 年度見通しっていうふうにみてもいいのかどうかっていうところを、ちょっとこの辺り詳しい見方についてお伺いできればと思います。
(答)
そこはですね、大まかには原油、石油化学製品の価格上昇が少しずついろんな財、場合によってはサービスに転嫁されていくということがゆっくり進んでいく結果ということだと思いますが、もう少しこれを解像度を上げてみれば、確か 27 年度の前半くらいまでにはピークを打って、そこからインフレ率としては下がっていくということだと思うんですけど、平均をとってみますと 27 年度全体の、こういう姿になるということだったと思います。
(問)
次回 6 月の政策決定会合では、国債買入れ減額計画の中間評価があります。買入れ計画の見直しの判断と利上げ判断っていうのは、セットで考える可能性があるのでしょうか。それともそれぞれ別々の判断軸で考えるべきだとお考えでしょうか。
(答)
短く申し上げれば、それぞれ別々に適切に判断したいというふうに思っております。
(問)
その理由も簡単に伺ってもよろしいですか。
(答)
国債買いオペの減額については、従来から申し上げてますように、国債市場の安定性に配慮するための柔軟性を確保しつつ、予見可能なかたちで減額していく。一方で、政策金利については、今日申し上げたような様々なリスク要因もありますが、基本的には実質金利が低いもとで、適宜見通しの確度の上昇に応じて金利を引き上げていく、ということが適切であるという見方から判断していくということでございます。
以上