2026/05/26

建設工事クレーン吊り荷作業向け「玉掛合図無線システム」を開発~免許不要のプライベートLTE(sXGP)で混信課題を解決、現場実証を経て2026年5月より商用展開~[NEC通信システム]

日本電気 株式会社 

NEWS

建設工事クレーン吊り荷作業向け「玉掛合図無線システム」を開発

~免許不要のプライベートLTE(sXGP)で混信課題を解決、 現場実証を経て2026年5月より商用展開~

2026年5月26日
日本電気通信システム株式会社
株式会社竹中工務店
株式会社アクティオ

日本電気通信システム株式会社(代表取締役 執行役員社長:火物丈裕、以下 NEC通信システム)と株式会社竹中工務店(取締役社長:丁野成人、以下 竹中工務店)は、無線ネットワークの一種であるsXGP (注1)を活用した「玉掛(たまがけ)合図無線システム」を新たに開発し、建設現場での長期間の実証に成功しました。
建設工事においてタワークレーンで資材を吊り上げて移動させる玉掛作業では、地上作業員とクレーンオペレータが瞬時に連絡を取り合う必要があります。本システムは、スマートフォンと無線による低遅延・高品質なグループ通話を実現し、都市部での混信課題を根本的に解決するものです。
本システムの実証では、都市部の建設現場で課題となっていた業務用特定小電力無線機(以下 特小無線)の混信・周波数調整負荷を低減し、玉掛作業に必要な即時性の高い音声連絡を安定的に可能とすることで、安全で効率的な玉掛作業の実現に貢献しました。

両社は、建機レンタル業の株式会社アクティオ(代表取締役社長:小沼直人、以下 アクティオ)と協業し、本システムの大規模新築工事現場向けレンタル事業を、2026年5月から開始しました。

背景

建設現場において、タワークレーンで資材を吊り上げて移動する際、地上の作業員が吊り荷の安全な位置決めとクレーンの動きをコントロールし、クレーンのフックにワイヤロープなどを掛け外しする玉掛作業を行い、クレーンオペレータとの無線による指示・確認を通じて安全に作業を進めています。現在、本作業の指示および確認には、トランシーバなどの特小無線が使用されています。

一方、大規模な工事が近接している都市部では、特小無線の周波数チャネル数が限られているため、複数の工事が同時進行する場合、混信を防ぐための周波数調整が難航し、作業の一時中断を余儀なくされる事態が多く発生していました。

玉掛合図無線システム開発の経緯

こうした課題を受け、NEC通信システムと竹中工務店は、免許不要のプライベートLTE方式として、周波数効率に優れ、複数プロジェクトの同時運用を実現でき、安定した通信品質を備えているsXGPの特性に着目し、2024年より現場向けの新たな無線通信システムの共同研究開発に着手しました。
NEC通信システムは、強みとする通信事業者向けの技術ノウハウを活かしたsXGPネットワークの構築と、専用ネットワークに最適化したグループ通話システムの開発および低遅延化に取り組みました。一方、竹中工務店は、現場作業員のニーズに基づいた使いやすいユーザーインターフェースや、建設現場における基地局の最適な設置方法、また実運用における具体的なユースケースの検討を実施しました。また、竹中工務店が開発に携わるタワークレーン遠隔操作システム「TawaRemo®」(注2、以下TawaRemo)との連携の可能性も検討してきました。
両社は、2025年に竹中工務店が施工担当した滋賀県守山市、東京都港区などの建設工事において、タワークレーン玉掛作業での実証実験を繰り返し実施し改善を図るとともに、実装に向けた課題解決に取り組み、2025年12月~2026年2月に関西地域の大規模建設工事において長期実証を実施しました。

玉掛合図無線システムの特長

本システムは、スマートフォンと屋外型sXGPアクセスポイント(AP)を活用して半径50~500m程度の無線通信エリアを構築し、外部ネットワークには接続せず、単独システムとしてエリア内のグループ通話を実現するものです。

システム構成概要

1. 低遅延通信を実現

玉掛作業では瞬時の合図が不可欠なため、独自のネットワーク設定により遅延を最小化し、従来の特小無線と遜色ない作業を可能とする遅延0.2秒程度の応答性を実現しました(音声の発声と聞き取りまでの時間が0.2秒程度)。

2. シンプルな操作画面とスマートな使用感

現場作業員が瞬時に使用できるようスマートフォンの画面上をワンタップで通話可能とし、従来の特小無線と同様のシンプルな操作画面を実現しました。また、遅延が少ない無線ヘッドセットとの組み合わせにより利便性を向上し、従来の特小無線と比べてスマートな使用感を実現しました。

シンプルな操作画面(イメージ) スマートな使用感(イメージ)

3. 混信課題を解決

sXGPの活用により周波数不足が解消されたことで、特小無線では実施していた複数プロジェクト間での周波数調整が不要となり、混信課題を解決します。

4. 初期設定済みで即時使用可能

レンタル品はセットアップ済みのため、sXGPのアクセスポイントを設置しスマートフォンを接続するだけで、すぐに使用可能です。

また、2025年12月~2026年2月に実証した関西地域における大規模建設工事での実証では、本システムとTawaRemoをそれぞれ独立した通信システムとして同一現場内で運用しました。この結果、相互に支障を生じさせることなく、良好な音声通信環境を構築・維持できました。これにより、建設現場で既に運用されている他の通信システムとの共存が可能であることを確認しました。今後は両システムの連携活用により、建設作業の効率化と安全性の向上を推進していきます。

今後の展開

NEC通信システムと竹中工務店は、今後も共同研究を通じて本システムの改善を推進します。またアクティオを含めた3社は、本システムの事業展開に取り組みながら、時代に即した安全・安心なサービス提供を通じて、新たな社会価値の共創により建設業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)の促進に貢献していきます。

以上

(注1)sXGP: shared eXtended Global Platformの略。無線免許が不要な日本国内におけるプライベートLTE方式で、ポストPHSの方式の1つ。
※PHS: Personal Handy-phone Systemの略。日本発祥のコードレス固定電話を拡張した移動通信方式。公衆PHSは2023年に停波済み。

(注2)TawaRemo®: 竹中工務店、鹿島建設、アクティオが共同開発したタワークレーン遠隔操作システム。

本件に関するお問い合わせ先

アクティオ 通信ICT事業部
TEL:03-6666-2329

NEC通信システム クロスイノベーション統括部

https://contact.nec.com/http-www.ncos.co.jp_tb_products_4f854d/

この企業のニュース

業界チャネル Pick Upニュース

注目キーワード