2021/12/02

木更津高専は小規模水力発電電力から水素を生成するモデルシステムを開発

独立行政法人 国立高等専門学校機構 

~ 地域水力エネルギーの地産地消を目指した日本水力(株)との共同研究 ~

木更津工業高等専門学校(千葉県木更津市 校長:佐久間研二、以下「木更津高専」)と日本水力株式会社(千葉県市原市 代表取締役 社長:高橋 裕二郎 以下「日本水力(株)」)は小水力発電の電力を利用して水素を生成する実験室レベルのモデル開発を、共同研究により行いました。


 日本国内の中山間地域には小さな河川が数多く存在し、水資源が豊富で小規模水力エネルギーが潜在しています。しかし、多くが山中であり、発電電力量に対する設備費や保守費用等を考慮すると、商用の電力として利用するには採算性が高くありません。そこで小規模水力発電の電力を用いて、近い将来必要となる水素を生成し(電解質膜を用いた水の電気分解装置)これを生産地で利用するシステムとしました。このたび木更津高専と日本水力(株)はこのシステムの実験室レベルのモデルを開発しました。モデル展示の様子を図1に示します。



特徴
日本水力(株)の開発した小水力用の水車で発電した電力で水素生成を行います。また生成した水素はその場で蓄え、その地域で利用するのが前提です。いわば脱炭素エネルギーの地産地消システムであり、これまでに無い新しいものです。

共同研究の端緒
共同研究は、木更津高専の技術振興交流会に来校した千葉県産業振興センターのコーディネータによる案内がきっかけです。

【概要】
以下に示す項目を計画目標に、発電機(小水力発電所で実際に使用していたもの)からの電力を用いて、高分子膜による水素発生を行うシステムの、モデル装置を製作しました。

地域に存在する小水力発電の適地に水力発電所を建設し(もしくは既設の発電所で)、その場で水の電気分解によって高効率に水素を生成
生成された水素は近在で利用できるように、水素スタンドも整備し水素自動車などで利用を目指す
地域の環境を汚染しない完全CO2フリーの水素を地域に提供し、エネルギーのクリーン化を地域から推進

 日本水力(株)との共同研究は2019年から始め、今年度実験室レベルのモデルシステムを完成させました。そこで2021年10月から2022年3月まで、千葉県市原市の西広堰農村公園の管理施設で装置を公開します。多くの企業や公的機関に興味を持っていただき、10月だけで14件の企業や公的機関の方々が見学に訪れました。今後はより実用的な実証システムを構築するのが目標です。
 モデル装置の構成は図2に示すように[模擬水車、発電機(どこでも展示可能なようにモータで回します)、電力変換装置、水素発生器(固体高分子膜)] からなります。このうち木更津高専では電力変換装置の開発を担当しました。




【木更津高専について】

機関名:独立行政法人国立高等専門学校機構 木更津工業高等専門学校


所在地:千葉県木更津市清見台東2-11-1
代表者:校長 佐久間 研二
設立:1967年6月
URL:https://www.kisarazu.ac.jp
事業内容:高等専門学校・高等教育機関

 木更津高専は、1967年に千葉県木更津市に創設された国立高専の学校であり、これまでの50年間で本校卒業生は7762名、専攻科修了生は633名に上り、国内外の様々な領域で幅広く活躍しています。本校の方針により、幅広い教養を基本とし、国際的視野を持ち、自ら考え決断する判断力、自ら工夫し新しいものを造り出す創造力、自らの信念に基づき困難にも屈せず遂行する実行力の三つの能力を備えた創造的エンジニアとしての人材の養成を目指します。あわせて、健康な身体と精神、豊かな情操を培い、各専門の科学技術発展と成果の基礎となる理論を十分に理解して、社会に貢献でき、広範囲に活躍する実践的技術者の育成教育に努めます。

【日本水力(株)について】
 小型水車の開発の後、小水力発電所の建設、管理を一貫して行っています。

企業名:日本水力株式会社
所在地:千葉県市原市西広3丁目2番地1
代表者:代表取締役 社長 高橋 裕二郎
設立:2006年11月
URL:http:// www.jwp-nedht.com /company.html
事業内容:小水力発電システムの開発から設置、運営メンテナンスまで

【本リリースに関する報道お問い合わせ先】
木更津工業高等専門学校
TEL:0438-30-4000(平日9時から16時)
e-mail:asoumu@a.kisarazu.ac.jp

日本水力株式会社 取締役 営業・技術開発部長 市橋 俊彦
TEL:0436-37-2807
e-mail:ichihashi@jwp-nedht.com

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提供元:PRTIMES

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