2024/02/14

HMS株式会社 配筋検査自動化システムの開発で国土交通省「SBIRフェーズ3事業」に2.9億円で採択

HMS 株式会社 

国土交通省「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3基金事業)」に「3Dセンサと独自開発AIによる3次元認識の複合による配筋検査自動化システム」が採択されました(交付額上限2.9億円)。



中小企業イノベーション創出推進事業について
中小企業イノベーション創出推進事業は、革新的な研究開発を行う中小企業・スタートアップによる研究開発を促進し、日本国内の行政課題の解決、イノベーション創出を促進するための制度に基づいて行う補助金事業です。

当事業では、当社3Dセンサと独自開発AIによる3次元認識を融合した配筋検査自動化システムの開発を行います。当社がハードウェア・ソフトウェア両面を開発する当システムは、既存の検査プラットフォームとの連携を可能とし、検査の省力化を実現します。それと同時に、建設業界全体の研究/開発基盤である建設RXコンソーシアムに協力を得て、本システムの実用化に向けて実証・普及活動を行います。配筋検査自動化システムでは、組まれた配筋そのものを3Dスキャナで読み込み、ほぼリアルタイムで3Dモデルに変換し、前述の既存検査プラットフォーム内の設計・施工データと照合することで、配筋検査の効率化・自動化を目指します。

当事業の実施期間は2023年度から2027年度までであり、補助金の金額は最大2.9億円を予定しています。
国土交通省 報道発表資料:https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_001042.html

配筋検査自動化システムについて
本事業の目標は、当社3Dセンサを活用した配筋検査自動化装置の開発・活用による建設現場における生産性向上の支援です。

同装置の開発として、1.当社の既存3Dセンサ(StereoPRO)にオートフォーカス機能を持った4K RGBセンサを一体化するための制御基盤開発、2.取得したデータから当社のエッジクラウディングAI技術を活用して、エッジでデータ取得結果をその場で確認可能にして、確認後数分程度でクラウドで鉄筋を3Dモデル化して迅速な検査完了を可能にするソフトウェア開発、3.既存の検査プラットフォームとの連携機能の開発、を行います。

さらに、開発結果は、建設RXコンソーシアムに昨年末に新たに立ち上がった分科会において、当社も参加することで、これまでにない機能として紹介し、意見をいただくことで、製品化やその後の業界全体への普及展開が進むものと期待しています。

なお、この開発と並行して、同分科会では、当社は他の協力企業と共に、鉄筋に対して、鋼種や鉄筋径の情報を表す2次元コードの貼付を行うことを提案しています。この提案がゼネコン各社や鉄筋製造メーカーの同意を得られ、普及するようになれば、このシステムのいっそうの機能向上が図れると共に、鉄筋の搬送経路確認時や配筋作業時の誤認等のミス削減にも寄与し、副次的な効果が得られることも期待しています。

鉄筋データのスキャンイメージ

配筋検査自動化システムの開発・普及に取組む背景
配筋検査は、鉄筋コンクリート構造物の強度・安全性・品質を担保する上で重要な業務です。しかし、配筋検査は土木・建築どちらおいても人手に頼る業務です。また、業界動向を俯瞰すると、建築需要は堅調に推移する一方で、建設業従事者の減少は著しく、次世代技術者の育成も喫緊の課題であり、建設業界においてもDXは重要な経営課題と考えられます。そのような背景から、現場での自動化・省力化による生産性向上を実現するために、配筋検査自動化システムの開発・普及に取組んでいます。

当システムにより、配筋検査は以下のように省力化されます。
1.検査部位の鉄筋周辺をスキャンしながら移動する。
2.配筋された鉄筋は、3Dセンサで点群データとして取得され、エッジ(検査現場)で
 リアルタイムでメッシュ化される。その結果を、手元の画面に表示することで、
 スキャンの取りこぼしがないかをすぐに確認できる。
3.同時にスキャンした動画像から必要最低限の画像を切り出しクラウドに送り、
 クラウド上にて数分程度で、検査部位の3Dモデルを構築する。
4.この3Dモデルを既存の配筋検査プラットフォームに送り、当プラットフォーム内の
 検査システムで配筋検査を完了させる。

配筋検査自動化システムを実現可能にする当社技術について
当社の3Dセンサは、リアルタイムVisualSLAM(自己位置推定技術)が可能なステレオカメラ、コード認識や画像AI認識が可能なRGBセンサ、対象物との正確な距離を計測できるToFセンサを、コンパクトに一体化した視覚センサです。

当社3Dセンサ『Stereo PRO』 当センサを配筋検査自動化装置に活用
今回開発する配筋検査自動化システムでは、上記3DセンサにAF(オートフォーカス)機能を追加し、コード認識を高度化しています。また当社は、3次元点群の統合化やセグメンテーションの技術も社内で自社開発しているため、これらの技術を融合した開発をスピーディーに行えることも強みとしています。


当事業担当者:那須正(HMS株式会社最高技術顧問)コメント
HMSに参画しようと思ったきっかけが、前職で配筋検査の生産性向上を図るための仕組みを研究している際に、当社の3Dセンサを見つけたことです。

それまで、LiDarやステレオカメラを検討していましたが、当社の3DセンサStereoPROを見て、リアルタイムで点群が取得しながら、点群を取得した位置をVSLAMで把握し、さらに画像AIまで同時に使用できることに、性能の高さを感じました。柱や梁のような部材を計測する際にも、点群の統合化を図ることが短時間ででき、また、鉄筋に径や鋼種を示すコードを貼って同時に認識できれば、自動的な配筋検査も夢じゃないと、と感じました。

その開発が、今回採択された補助金事業をはずみに実現できると感じています。


中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3)について
革新的な研究開発を行うスタートアップ等による研究開発を促進し、その成果を国主導の下で円滑に社会実装し、我が国におけるスタートアップ等の有する先端技術の社会実装の促進を図ることを目的としています。
※「SBIR(Small / Startup Business Innovation Research)制度」
 https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo17_hh_000161.html

建設RXコンソーシアムについて
建設業界が抱える就労人口の減少、生産性・安全性の向上などの諸課題の解決に向け、施工ロボットやIoTアプリ等の開発と利用に係るロボティクストランスフォーメーション(ロボット変革)を推進すべく設立した民間団体です。
https://rxconso-com.dw365-ssl.jp/index.html


●会社概要●
社名:HMS株式会社(HMS Co., Ltd)
代表取締役社長:胡 振程(HU ZHENCHENG)
事業内容:スマートAIカメラ『SiNGRAY』シリーズの開発・提供
     AI画像処理プラットフォーム『SiNGRAY NET』の開発・運営
     エッジおよびクラウドAIソリューションサービスの提供
設立:2018年9月13日
本社:〒812-0011 福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目12−12 第5グリーンビル4F
企業URL:https://www.hms-global.com
お問い合わせ:info@hms-global.com

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提供元:PRTIMES

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