2024/12/19

【インタビュー前編】「東京喰種(トーキョーグール)」に着想を得た”生きづらさ”を感じる人と”居場所”を繋ぐ音楽、Leisu&山田ギャル神宮「untake」

株式会社 BUZZ GROUP 

日常で感じる生きづらさや疎外感を抱える人の居場所になりたい




文:Misaki Hoshino
写真:JET

HIPHOPのみならずロック、エレクトロなど幅広いジャンルの曲で数多くのファンを魅了する山田ギャル神宮(ヤマダギャルジングウ)とDJやシンガーとしてもジャンルレスな活躍を魅せるLeisu(リージュ)による「GALPUNK✰彡」以来、2度目となるダブルネーム作品「untake」が2024年12月18日(水)にリリースされた。
プロデューサーには、数多くアーティストの楽曲を手掛け、ギタリストとしても活躍するViryknot(ビリーノット)を迎え、シューゲイズの要素を取り入れた重厚かつ浮遊感のある曲に仕上がっている。
また、本楽曲は著者 石田スイによる漫画「東京喰種(トーキョーグール)」からインスピレーションを受けており、人間と喰種の狭間で葛藤する主人公、金木研の像に自身の煌びやかなシーンと相対する生活と誰しも持つ2面性を重ねながら、自分達は社会の差異の中で苦しむ人達の居場所でありたいという願いが込められた1曲。
「東京喰種」のセリフなどが散りばめられたリリックにも注目だ。
-リリース情報-
Leisu & 山田ギャル神宮「untake」
配信日:2024年12月18日(水)
配信リンク:https://linkco.re/AGY1r5UC




Leisuと山田ギャル神宮の2人に、曲に込めた想いや制作過程などを語ってもらった前編をお届け!

日常で感じる生きづらさや疎外感を抱える人の居場所になれたら

ー楽曲「untake」のテーマは?
Leisu:僕たち2人とも「東京喰種」という作品が好きなんですが、この漫画は鬱屈した面もしっかり描いていて、漠然とですがこの曲のテーマは「東京喰種」だね、と話していました。
どう捉えるかは人それぞれだと思うんですけど、作品の中で描かれる疎外感や居場所を探す姿が、自分たちの感じていることと重なる部分があるんです。

ざっくりというと「東京喰種」の主人公は、元々は普通の人間だったんですけど、ある事故をきっかけに”人間”でも“喰種”でもない、いわば人間でも化け物でもない曖昧な存在になり、どこからも受け入れられないという状況になってしまうんですが、僕らもアーティストとして活動する中で、こういう派手な格好して、顔にピアスが開いていて、仕事もしてなくてみたいなのが、普通の人からしたらまともじゃない人というか、世間から煙たがられる風潮があるじゃないですか。

山田ギャル神宮:マジで今言ってくれた通りなんですが、「東京喰種」の主人公の境遇と、多分音楽をやってる俺らの境遇ってほぼ一緒というか、どこか社会とか歯車から逸脱しながら生きているっていうのは似ているところがあったから、歌詞はめっちゃ書きやすかったですね。
作中のセリフなどサンプリングしたりしながら書きました。




―この曲で伝えたいことなどはありますか?
Leisu:難しいですね、直接的に「こういうことがあっても気にしないで、俺らもいるから」みたいなことは歌ってなくて、結局俺らも今も探し求めてるよみたいな曲になっていて。
この間、友達のリリースパーティーで山田が良いことを言っていたんで、ここは山田から...(笑)

山田ギャル神宮:「untake」(アンテイク)っていうタイトルなんですけど、「東京喰種」に登場する喫茶店の名前である「あんていく」からとっているのですが、その喫茶店「あんていく」というのが、主人公が初めて受け入れられた大事な場所でもあり、人間と喰種が共存できる”安定した区=安定区”だったり、色んな意味が混ざっとって、僕らにとっても曲やライブが”untake(居場所)”だし、来てくれるお客さんにとっても”untake(居場所)”になるように、という感じです。

Leisu:みんなにとってのかけがえのない"untake(居場所)”に俺らがなれたらなみたいなのを思っていますね。
やっぱり、結構ライブに来てくれる子とかも、みんなキャピキャピして元気そうに見えるけど、それぞれ色々な悩みを抱えてたりとか、自分はこういう場所が好きなのに周りに一緒に来る友達がいないから一人で来るみたいなこともあったりして、そういう子たちの居場所になってあげたいなっていうのもありますし、僕らも僕らでここが居場所だから、これをなくしちゃいけないな、と。





ーこの楽曲の制作のキッカケなどはありますか?
Leisu:いつもお世話になっているワンさんのイベント「Paranoid」にメインフロアで出演させていただくにあたって、特別な曲を作ろうというところから始まりました。
元々はクローズ担当みたいな話だったから、メインタイムのメインフロアでの出演っていうのが凄い嬉しかったし、しかもワンさんが「このパーティーは、山田とLeisu、ANNちゃんとMEZZちゃんにスポットを当てるために始めたパーティーだから」みたいに言ってくれて、「泣ける」と思ったし、そのために特別な曲を作りたかったので、自分も山田もスケジュールがかつかつだったんですが、イベント3日前とかになんとか完成させました。






―制作はどのように進めましたか?
Leisu:オルタナティブロックの中でもシューゲイズっていうジャンルがあるのですが、自分がソロの曲をやっていきたいみたいになった時にどういうジャンルやろう?と考えていた時に出てきたのがシューゲイズだったんです。
それも念頭にあったのかもしれませんが、2人が選んだビートがめっちゃ似てたのでこの路線で行こうとなりましたね。

山田ギャル神宮:前にLeisuと作った曲「GALPUNK✰彡」が結構ポップ系だったから、次に作るなら落ち着いたやつを作りたいなと思って、そういうビートを探しとって、Leisuがインスタライブやっとった時に「これ聴いてくんね」って言ってLINEでビートを送ったら、めっちゃ似てる!ってなって、方向性は速攻固まりました。

Leisu:僕らが曲を作る時は大体、タイプビートを選んで曲を作り、リリース前にそのビートの権利を購入してからリリースするという流れなんですが、今回はイレギュラーが起きてしまって。
ミックスマスターまで終わって曲が完成し、いざ権利を購入しようと思った時に、そのビートがサイトからなくなっていて、焦って僕が直接そのトラックを作った海外のトラックメーカーにインスタのDMでコンタクト送ったら「数時間前に売り切れちゃった」と言われて。
終わった、と思って絶望していたんですが、色々話し合って、どうせならもっとかっこよくしてくれる人にお願いしたいよね、となってぱっと浮かんだのがViryknot(ビリーノット)君で、プロデュースをお願いできないか相談させてもらいました。

そうしたら快く引き受けてくれて、色々な提案もくれつつこちらからの要望なども細かく話し合いをしました。
最初に送ってくれたViryknot君のギターのリフがすごくかっこよくて、普通はフックが8小節なんですが、制作の段階で僕たちの熱が入りすぎて16小節の構成になっちゃったんです(笑)
そのままにすると少ししつこく感じるので、最初の部分を8小節にして、その後に間奏としてViryknot君のギターのイントロを入れる形にしたりとかして、今の形になりました。





聴きどころは、今の時期にぴったりなサウンドと一体感のある2人の掛け合い!山田ギャル神宮による「東京喰種」のセリフをサンプリングした歌詞にも注目!

―意識して聴いてほしいポイントや、楽曲中のこだわりはありますか?
山田ギャル神宮:ちゃんと自分で初めて漫画を全巻買ったのが「東京喰種」。
めちゃめちゃ好きで思い入れのある作品なので、「東京喰種」のファンなら気づくような原作にちなんだセリフなりをめちゃめちゃサンプリングしとったりして、「東京喰種」が好きな人は気づいて欲しいですね。結構散りばめました。

Leisu:僕は直接的な表現で感情を丸出しにする赤裸々系なのでリリックに関しては、特筆してあげることはないんですが、こういう寒くなってきた時期にもぴったりな曲なので、冬の夜道を歩くときとか、コンビニに行くでも良いんですが、サウンドとしても聴いてもらえたらと思います。

山田ギャル神宮:あと、フィーチャリングの曲って、大体メインの人が1バース目やって、フューチャリングで入ってる人が2バース目やるみたいながっつり分ける形が多いと思うんですけど、今回はユニゾン感を作りたかったので、バースもフックも交互に2人で歌っていますし、それこそ俺の歌ってるところにLeisuにハモリとかコーラス入れてもらったりとか、全体として二人で一緒に歌っているような構成にしました。

Leisu:一体感が欲しくて。掛け合い系というか、ライブでもそうだし、作品としてまとまりが欲しくてそうしましたね。




ーインスピレーションを受けた作品「東京喰種」の好きなところは?
山田ギャル神宮:俺のリリックの観点について最近考えてたんですけど、英語は喋れないから無理して英語は使いたくないんですよ。
でも、その分日本語はめちゃめちゃ深く使いたいなっていうので、割といろんな言葉とかを使ったりするようにしていて、昔言った「難しく表現したい」というのもあるんですけど。

「東京喰種」で、主人公が「薄氷」の読み方について「はくひょう」という読み方もあるけど、「うすらい」っていう方が綺麗じゃない?っていうようなシーンがあって、俺の根底にある言葉の響きとか表現の仕方って、多分それやなと思ったんですよ。

だから、結構「untake」でも、普段は使わないような言葉が俺のリリックに混ざってたり、それこそストレートタイプのリリックでも「罪」っていう言葉を「ツミ」って読ませずに「ザイ」って読ませたり、結構変化球的なリリックが多いというかメインになっている気がします。
まず、それは「東京喰種」というテーマをやったからなんじゃないかなと思ってるんですね。

Leisu:リアルタイムでは、確か中学生とか高校生くらいの頃で、もちろん面白いなと思って見ていたんですが、大人になってから普通に社会人として働いてる時に、仕事の行きの電車やバスの中ですごい見返してたんですよ。
その時はがっつり音楽をやっていたわけでもないし、仕事のストレスとかで心がすり減ってしまうようなことも多くて、作品の中のキャラクターやシーンに以前とは違う形で共感することが増えてきたり、自分が仕事が無理になってる時に救われるシーンもあったりして、思い入れの深い作品だなと思っています。





東京の音楽シーンで独自の立ち位置を築く2人が紡いだ「untake」。
彼らが音楽やライブを通して創るコミュニティは、リアルな孤独と拠り所を求める想いが交錯する“安定区”として、これからも居場所となっていくだろう。

Leisu Profile



幼少期から多くの音楽に触れ2019年からDJとして活動を開始。 HIPHOP、ロックを軸にエレクトロなどを織りまぜるジャンルに囚われない唯一無二のプレースタイル、そのジャンルレスなグルーブ感でフロアを魅了する。 またアーティスト活動においては2023年に山田ギャル神宮、izolmaとのミックステープ”Revive”をリリース。 フロントマンとして透き通るような歌声でリスナーの心を鷲掴みにしている。 2024年よりソロプロジェクトを始動。

各SNS情報
楽曲配信:https://www.tunecore.co.jp/artists/leisu
Sound Cloud:https://soundcloud.com/leisu-9452192
TikTok:https://www.tiktok.com/@leisurely_w0lf
Instagram:https://www.instagram.com/leisurely_w0lf
X:https://x.com/leisurely_w0lf

山田ギャル神宮 Profile




2001年生まれ。音楽のみならず故郷石川県やインターネット・ファッションなど様々なカルチャーを背景に2020年からSoundCloudを中心に活動開始し、 1st SINGLE”MyStory”で瞬く間に全国のヘッズたちを虜にした。 SoundCloudを基盤としたイベント”Demonia”など多くのイベントへの出演や、数々の楽曲で話題は尽きることなく、2023年6月に待望の1st アルバム"刹那流想i"をリリース。

各SNS情報
楽曲配信:https://www.tunecore.co.jp/artists/YamadaGaling?lang=ja
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCK4Pp-Hssh4GGORPgZdVnuw
Sound Cloud:https://soundcloud.com/user-992978122-119092839
TikTok:https://www.tiktok.com/@yamada_gal_zing
Instagram:https://www.instagram.com/yamada_gal_zing
X:https://x.com/yamada_gal_zing?s=21
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ダンスと音楽のカルチャーマガジン。
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サイト:https://movementpress.jp/

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提供元:PRTIMES

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