ペトロナス社とカーボンニュートラル技術の共同検討に関する覚書を締結
東京瓦斯 株式会社水素製造・CCSのコスト低減に向けた協業推進
東京ガス株式会社(以下「東京ガス」)は、このたび、グローバルに展開しているマレーシアの国営石油・天然ガス会社Petroliam Nasional Berhad(以下「ペトロナス社」)と、カーボンニュートラル技術の共同検討に関する覚書(以下「本覚書」)を締結しました。
本覚書は、両社の関係を強化しながら相互の有する技術を補完し、カーボンニュートラル技術に関する幅広い分野での協業拡大を目指して締結するものです。具体的には、水素製造技術とCCS技術に関する共同検討を開始し、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みを推進していきます。
調印式の様子(左から: ペトロナス社 Tengku Muhammad Taufik社長、Mohd Yusri Mohamed Yusof上級副社長、東京ガス 矢加部水素・カーボンマネジメント技術戦略部長、笹山代表執行役社長)
<具体的な検討項目>
■水素製造技術関連
東京ガスは水素製造コストの低減を目指し、水素製造を行う水電解装置の中核部品である水電解用セルスタックの技術開発に取り組んでおり、セルスタックの性能・コスト・耐久性能を左右する重要構成部品の水電解用触媒層付き電解質膜(以下「CCM」)について、低コストな高速生産技術を確立しています(*1)。ペトロナス社は高効率な水電解用セルスタック技術及びシステム化の技術を有しており、東京ガスのCCMを適用することで、水電解システムの低コスト化、水素製造コストの更なる低減を図ります。また、本取り組みで開発した水電解システムを活用してe-methane(以下「e-メタン」)製造の高効率化を図り、将来のe-メタンのコスト低減につなげていきます。
■CCS技術関連
東京ガスはCCSの効率化を目指し、CO2を微細気泡化し、より多くのCO2を効果的に地下貯留するマイクロバブル技術の開発(*2)、実用化に取り組んでいます。ペトロナス社はCCS事業の検討を積極的に進めており、マイクロバブル技術を適用することで、CCSの効率化とコストの低減を検討していきます。
東京ガス 代表執行役副社長 GX カンパニー長 木本 憲太郎 コメント
これまでペトロナス社と当社は40年以上にわたるLNGの取引を通じて、強固な信頼関係を培ってきました。両社はこの信頼関係をベースに、カーボンニュートラルを目指す共通の目標に向かって、e-メタンのサプライチェーン構築に関する共同調査(*3)を進めています。
今回、本覚書締結により、両社の協業がカーボンニュートラル技術の開発分野に拡大し、関係が一層強化されることを大変嬉しく思います。両社の強みを持ち寄ることで、カーボンニュートラル技術が早期に実用化され、マレーシア、日本、世界におけるカーボンニュートラルの実現に貢献するとともに、両社の成長に繋がることを強く期待しています。
ペトロナス社 上級副社長 Mohd Yusri Mohamed Yusof コメント
東京ガスとの40年以上にわたる信頼と協力に基づく堅固なパートナーシップは、今、重要な次の段階へ進もうとしています。本覚書は、カーボンニュートラルおよびネットゼロカーボンの目標達成に向けた我々の相互のコミットメントの証として締結したものです。
両社の技術的な強みと水素製造およびCCSにおける専門知識を持ち寄ることで、より経済的でアクセスしやすいエネルギー源を供給し、マレーシア、日本、そして世界の持続可能な未来のために脱炭素化の取り組みを加速させていきます。
東京ガスは、グループ経営ビジョン「Compass2030」で掲げたCO2ネット・ゼロの具体化に向け、再生可能エネルギー・水素・メタネーション・CCUS等の打ち手を組み合わせ、国内外のさまざまな事業者と連携した取り組みを推進しています。本覚書の取り組みを通じて、日本政府が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現に貢献していきます。
*1:低コストグリーン水素製造に向けた水電解用CCM(触媒層付き電解質膜)の量産化技術を確立(2023年3月15日発表)
https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20230315-01.html
*2:公益財団法人地球環境産業技術研究機構との共同開発
*3:カーボンニュートラルメタンのサプライチェーン構築(2021年11月25日発表)
https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20211125-02.html
以上
提供元:PRTIMES