【新潟医療福祉大学】農業従事者の命を守る!持続可能な農業社会の未来を開く研究成果を発表
株式会社 NSGホールディングス
田中 講師
NSGグループの新潟医療福祉大学救急救命学科の田中耕一講師、社会福祉学科の原口彩子教授、金沢医科大学救急医学講座および金沢大学の稲葉英夫教授らの研究グループは、日本の農業従事者は命の危険と隣り合わせで働いており、持続可能な農業にするためには早急に農業従事者の命を守る対策を構築することが重要であることを論じました。
この報告は2024年12月15日付けで国際的な英文雑誌Journal of Public Healthに掲載されました。
【研究概要】
農地・農業は、国民生活にとって必要不可欠ですが、けがや病気のリスクが高い危険な環境です。農業従事者の命を守るための切り口として、農地で発生した院外心停止(OHCA)症例を事務所以外の仕事場で発生したOHCA症例と比較することにより検討しました。
◆研究のポイント
・OHCAは成人の死因の上位
・社会復帰には早期発見・早期通報・早期応急手当・早期救命処置が重要
・農業は国民生活にとって必要不可欠な職業である
・農業従事者の減少や高齢化などの重要課題が山積
・農地でのOHCAの全国的な研究は行われていない
◆研究の方法と結果
方法:2016-2021年の6年間に全国の救急隊が搬送したOHCAデータと救急搬送データを結合し、事務所以外の仕事場で発生した救急隊の目撃がないOHCAに限定し13,469件のデータベースを作成し解析した。
結果:農地でのOHCA症例は事務所以外の仕事場で発生したOHCA症例と比較して、傷病者が高齢であること、心肺停止の目撃が少ないこと、除細動の適応症例が少ないこと、AEDの使用が少ないこと、心肺蘇生法の実施率が低いことなど、生存に不利な特徴があること、救急隊が通報を受けてから傷病者に接触する時間も大幅に遅延していたこと、農地におけるOHCA症例の神経学的に良好な1か月生存率が極端に低かったことなどが分かりました。
◆研究助成
本研究は公益財団法人古泉財団研究費助成金「食と農に関わる研究」による助成を受けて行われました。
◆原論文情報
論文名:Responses to and outcomes of out of hospital cardiac arrest in farmlands compared with other out of office workplaces: an observational study using an extended nationwide database
掲載誌:Journal of Public Health 2024年12月30日にオンライン掲載
DOI: 10.1007/s10389-024-02400-1
著者:田中耕一1,原口彩子2,稲葉英夫3,4
1)新潟医療福祉大学 医療技術学部 救急救命学科
2)新潟医療福祉大学 心理・福祉学部 社会福祉学科
3)金沢医科大学 救急医学講座
4)金沢大学
◆研究に関する問い合わせ先
新潟医療福祉大学 医療技術学部 救急救命学科 田中 耕一
Tel:025-257-4642 E-mail:koichi-tanaka@nuhw.ac.jp
金沢医科大学 救急医学講座 稲葉 英夫
Tel:076-286-2211 E-mail:ishikawamc@gmail.com
【新潟医療福祉大学】 https://www.nuhw.ac.jp/
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提供元:PRTIMES