ライオン、冬場にも浴室に生育する「複数種の黒カビ」がピンク汚れの原因菌(ロドトルラ)を促進することを明らかに。目に見えない天井の黒カビに要注意!
ライオン 株式会社ライオン株式会社(代表取締役兼社長執行役員:竹森 征之)は、浴室の天井、壁、床に生育する複数の黒色好湿性カビ(以下、黒カビ)がピンク汚れの原因菌の1つであるRhodotorula rubra(赤色酵母、以下、ロドトルラ)の生育を促進すること、またこれらの黒カビの除菌によりロドトルラの生育促進が抑制されることを確認しました。本研究内容は、2025年12月2日(火)~12月5日(金)に開催された「2025年室内環境学会学術大会(福岡県、北九州国際会議場)」にて発表しました。
1. 冬場にも浴室の「複数種の黒カビ」がピンク汚れの原因菌(ロドトルラ)の生育を促進
ピンク汚れの主な原因はロドトルラという菌で、この菌が増殖するとピンク色に見え、ピンク汚れとなります。浴室に生育する「複数種の黒カビ(※1)」とロドトルラを共存させ、冬場の浴室平均気温を想定して15℃(※2)で培養しました。その結果、すべての黒カビがロドトルラの生菌数の増加を促進することが明らかになりました(図1)。冬場においても浴室は黒カビが生育する温度・湿度を満たしているため、黒カビは「生きている状態」にあり(※3)、ロドトルラを増殖させピンク汚れを促進することがわかりました。
(※1) Cladosporium cladosporioides(以下、クラドスポリウム)、Exophiala alcalophila(以下、エクソフィアラ)、Aureobasidium pullulans(以下、オーレオバシジウム)、Alternaria alternata(以下、アルタナリア)
(※2)首都圏6家庭の浴室の平均温度調査(2022年12月~2023年2月)、当社調べ
(※3)Lidea「冬こそお風呂場のカビ対策!春以降に備えて黒カビを予防しよう」 https://lidea.today/articles/616
図1 各種黒カビと共存時のロドトルラの生菌数
試験条件:ロドトルラ菌液(104cfu/mL)と各種黒カビ菌液(102cfu/mL)を1:1で混合し、培養期間を短縮した加速試験にて評価。15℃・湿度95%にて所定日数培養した後に生菌数を測定。
2.黒カビの除菌によって、ピンク汚れの促進を抑制
黒カビの除菌がピンク汚れの促進の抑制に繋がるかを検討するため、各種黒カビ(クラドスポリウム、エクソフィアラ、オーレオバシジウム、アルタナリア)とロドトルラを共存させて培養し、ロドトルラの生菌数を黒カビの除菌の有無で比較しました。その結果、各種黒カビを除菌すると、除菌しない場合と比べロドトルラの生菌数の増加が抑制されました(図2)。このことから、冬場においても、浴室に生育する「複数種の黒カビ」を除菌することで、ピンク汚れの促進を効果的に抑えられることがわかりました。
図2 各種黒カビ除菌によるロドトルラ生菌数増加抑制の効果
試験条件:ロドトルラ菌液(104cfu/mL)と各種黒カビ菌液(102cfu/mL)を1:1で混合し、加速試験にて評価。15℃・湿度95%にて所定日数培養した後に生菌数を測定。
3.冬場にも天井には目に見えない黒カビが生育しており、床のピンク汚れを促進
浴室に生育するカビの調査(※4)を行ったところ、天井は「目で見える黒カビ」の量が、壁や床と比べて少ないことを確認しました(表1)。しかし「実際に生育している黒カビ」を測定したところ、天井にも壁や床と同程度の黒カビ(クラドスポリウム、エクソフィアラ、オーレオバシジウムなど)が生育していることがわかっています。
表1 浴室の場所別カビの生育実態
(※4)25家庭の浴室の各部位(天井・壁・床)でサンプル箇所を設定。
サンプル箇所の内、黒カビを目視で観察し、サンプル箇所全体における「目で見えている黒カビ」の割合を算出。
その後すべての箇所をふき取り採取して培養し、サンプル箇所全体における「実際に生育している黒カビ」の割合を算出。
(当社調べ、「一般住宅の浴室・トイレにおける微生物汚染と対策」、室内環境学会誌、2019年22巻1号P.73-79掲載)
そこで、天井には目には見えないものの実は黒カビが生育しており、天井から床に黒カビが落ちて、床に生育するロドトルラに影響してピンク汚れを促進する可能性があると考え、天井の黒カビが床のピンク汚れに作用するかを検証しました。評価は、冬場の浴室を再現したモデル浴室で、黒カビ(クラドスポリウム)とロドトルラを共存させて行いました(※5)。その結果、黒カビを添加した板(図3「黒カビあり」)では、添加していない板(図3「黒カビなし」)よりも赤色が速く広範囲に広がり(※6)、黒カビがピンク汚れを促進することを確認しました(図3)。
(※5)試験条件:天井から落下する黒カビ数は、実際の浴室で計測された数をもとに試算(「洗濯物の室内干しにおけるカビ汚染の影響について」 第66回大会日本家政学会発表、2014年)、モデル浴室で評価。
(※6) 赤色の濃さ(赤色強度)を数値化しLab値として表示。Lab値のa値は赤色の強度を示し、a値が大きいほど赤色の濃さが濃いことを意味する。
図3 天井からの黒カビ(クラドスポリウム)の有無によるロドトルラの増殖の違い
試験条件:ロドトルラ(103cfu)にクラドスポリウム(10cfu)を添加(黒カビあり)またはロドトルラ(103cfu)のみ(黒カビなし)の条件にて、15℃・湿度95%で10日間培養。クラドスポリウムの添加量は過去の知見を引用し※5、浴室の天井から降ってくるクラドスポリウム量を算出して、ロドトルラに添加した。
以上の結果から、冬場にも天井には目には見えない黒カビが存在しており、放置するとピンク汚れを促進させることがわかりました。そのため、ピンク汚れの発生を遅らせるには、浴室の床だけではなく天井も除菌することが有効です。
本研究結果については、下記の学会で発表しました。
【2025年 室内環境学会学術大会】
〇期 間 2025年12月2日(火)~12月5日(金)
〇場 所 北九州国際会議場(福岡県)
〇演 題 冬季の浴室におけるRhodotorulaの生育に及ぼす種々のカビの影響
〇発表者 ライオン株式会社研究開発本部 山岸弘、那須万里奈、河野三美、小倉弘嗣
<ライオン リビングケアマイスターからアドバイス>
「浴室のカビがなくならない」主な原因は天井にあり。
浴室に潜むカビには浴室まるごと除菌がおすすめ。
浴室の天井は、カビの増殖要因である「汚れ」が少ないため、目に見える大きさまで黒カビが成長しにくく、さらに手が届きにくいことが理由で、掃除が後回しにされがちです。しかし、目には見えなくても天井にはカビが潜んでいて、浴室全体にカビの胞子をまき散らしています。このカビの胞子が壁や床に付着し、黒カビへと成長します。壁や床を掃除してもカビがすぐに生えるのは、天井に主な原因があったのです。
また、今回の研究で、浴室の天井、壁、床に生育している「複数の黒カビ」がピンク汚れの増加にも関わっていることがわかりました。さらに、浴室は洗濯物を干す場所としても使われることがあるため、浴室で一晩タオルを干すと、天井からタオルにカビ胞子が5,000個も付着することがわかっています※5。清潔なお洗濯のためにも、浴室全体のキレイを保つには、天井のケアがとても大切です。浴室まるごと除菌することは、浴室での洗濯乾燥にも良い環境になります。特に天井は、カビが目に見えないからと油断せずに、浴室全体を定期的に除菌しましょう。
◎ライオン株式会社 リビングケアマイスター
吉井 和美(よしい かずみ)
掃除用洗剤の製品開発を約15年、
技術者向けの情報発信に約5年携わる。
~浴室全体をまるごと除菌できる製品のご紹介~
『ルックプラス おふろの防カビくん煙剤』の商品特長~
(1)「防カビ」はもちろん、「除菌(※7)」、「ピンク汚れ予防」、「ウイルス除去(※7)」、「消臭」の5つの機能で浴室の悩みまるごと解決へ!
(2)「銀イオンの煙」が天井や換気扇の裏までいきわたり、浴室の黒カビ原因菌をまるごと除菌
(3)黒カビが発生しにくくなり、カビ取り剤を使う掃除の回数が減るので、カビ掃除が楽になる
(4)2ヶ月に1回定期的な使用によって、カビ取り剤を使わない普段の掃除だけで、きれいな浴室を維持できる
(※7)すべての菌・ウイルスを取り除くわけではありません。
左からフローラルの香り、せっけんの香り、消臭ミントの香り
【関連情報】
・『ルックプラス』ブランドサイト
https://look.lion.co.jp/
・2025年5月22日参考資料:『ルックプラス おふろの防カビくん煙剤』累計販売個数1億個突破
https://www.lion.co.jp/ja/news/2025/4903
・2024年3月29日参考資料:『ルックプラス おふろの防カビくん煙剤』 機能訴求追加と「ピンク汚れ予防」に関する調査・検証報告
https://doc.lion.co.jp/uploads/tmg_block_page_image/file/9771/20240328_01.pdf
提供元:PRTIMES