2025/12/19

日立、企業システムにおけるソブリン性の確保やモダナイズを促進する、新クラウドサービスを提供開始

株式会社 日立製作所 

社会インフラの運用経験を基に、システムを統制する自律性と利便性を両立し、ビジネス継続と変革に貢献


サービスの概要

 株式会社日立製作所(以下、日立)は、企業システムにおけるソブリン性の確保とモダナイズを促進する新しいクラウドサービスを、Hitachi EverFlexクラウドサービス (以下、本サービス)として12月19日より順次提供開始します。
 昨今、地政学リスクの高まりなどを背景に、非平常時でも安定してシステムを統制する自律性、すなわちソブリン性と、変化に柔軟に対応する利便性を向上するモダナイズの両立に関心が高まっています。日立は、金融・電力・交通といった社会インフラを長年支えてきた運用経験を通じて、企業のビジネス継続や緊急時対応に不可欠なIT基盤の透明性を確保するノウハウを培ってきました。このノウハウを基にした本サービスにより、企業は事業環境の変化や技術の進化に対応したIT基盤を将来にわたり安定的に運用でき、ビジネス継続と変革を可能とします。具体的には、業務要件で選べるプライベートクラウド、マルチテナントクラウドの利用形態に加え、セキュリティなど必要な対策も含めた多様な選択肢により、自律性と利便性を両立します。また、本サービスの中核となる仮想化/コンテナ環境は、日立独自の高信頼化技術とパートナーとの連携により信頼性と運用性を強化した、Hyper-V、Kernel-based Virtual Machine(以下、KVM)、OpenShift*1の3つを利用でき、日立が環境構築を支援できます。KVMの仮想化環境においては、株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)が提供する仮想化管理ソリューション「Prossione Virtualization(R)」と日立独自のLinux高信頼化技術*2を組み合わせて、2026年3月末日より提供開始予定です。
 なお、本サービスは、社会インフラを革新する日立のAIソリューション群である「HMAX」*3の展開を支える基盤としても活用していきます。これにより、企業はソブリン性を確保しながら、最新のAI技術によるビジネス変革を強力に推進できます。日立は、今後も、国内法規制への対応強化や企業データを守る暗号化、AIによる運用の効率化・高度化に加え、ソブリン性を確保したクラウド上でAIを安心して活用できるサービスの拡充を通じ、お客さまの持続的な成長に貢献していきます。
*1:Red Hat OpenShift
*2:Red Hat Enterprise Linux環境において提供
*3:AI Strategy Update Session:2025年10月10日
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2025/10/1010.html

背景
 昨今、変化への対応力が高いクラウドサービスの利用が進んでいる一方で、地政学リスクの高まりや経済安全保障推進法の運用開始などを背景に、ソブリン性への関心が高まっています。特に、企業の重要情報を扱うシステムでクラウドサービスを利用する場合、緊急時の備えや長期的な技術選択の観点で企業が統制できる範囲が限定されブラックボックス化するリスクが顕在化しています。このため、企業が主体的にIT基盤の選択や運用に関わることの重要性が再認識され、システムを統制する自律性と変化に柔軟に対応する利便性を両立するクラウドサービス*3が求められています。
*4:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「重要情報を扱うシステムの要求策定ガイド」を基に、日立が考えるサービス要件
https://www.ipa.go.jp/digital/kaihatsu/system-youkyu.html

今回提供を開始するサービスの特長
(1)安定してシステムを統制する自律性
 日立は、金融・電力・交通といった社会インフラを長年支えてきた経験を通じて、自社・パートナー・OSSの技術を柔軟に組み合わせ、企業のビジネス継続や緊急時対応に不可欠なIT基盤の透明性を確保するノウハウを培ってきました。本サービスでは、このノウハウを基に、企業がシステムを統制する自律性確保を支援します。AIソリューション群であるHMAXの展開においても、自律性を確保することで、企業の継続的な成長に貢献します。
1.IT基盤運用の透明性確保と説明責任の支援
運用状況の記録・情報提供、緊急時の対応と報告、監査対応といった企業の説明責任を強力に支援する各種運用サービスにより、透明性を確保するとともに、業種ごとの法規制の改定にも継続的に対応します。
2.データの機密性確保
データの暗号化、データを保全する冗長化、ランサムウェア対策を強化したバックアップなどを提供します。
3.ソフトウェアの継続的なリスク評価
ソフトウェアのパートナーとの技術提携などに基づき日立のエンジニアによる専門的なソフトウェアのメンテナンス体制を確立します。ソフトウェアの継続的なリスク評価をおこない、脆弱性対策のポリシー設定などを実施します。

(2)変化に柔軟に対応する利便性
 日立は、クラウドやAIなど日々進化する技術を、企業システムの特性にあわせて適切に取り入れるための高度な専門性をもつエンジニアを多く擁しています。その技術力を生かし、企業のIT基盤のモダナイズや、AIによる運用の効率化・高度化を推進します。また、需要に応じたリソース拡張の迅速化や、利用状況を可視化するセルフポータルの継続的な改善などにより、利便性を向上します。なお、「モダナイゼーション powered by Lumada」*4のサービス群と組み合わせてAIネイティブな事業基盤への変革に貢献します。
*5:AIネイティブな基幹システムへ刷新する「モダナイゼーション powered by Lumada」を提供開始:2025年10月21日https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2025/10/1021.html

(3) 業務要件で選べる多様な選択肢
 企業システムの業務要件に沿った運用方針やセキュリティポリシー、モダナイズの状況に応じて、最適な利用形態と仮想化環境を柔軟に選択できます。
1.業務要件に沿った運用方針やセキュリティポリシーで選べる利用形態
企業指定のデータセンターで専有環境を標準化した運用で提供するプライベートクラウド、または、日立のデータセンターからITリソースを迅速に提供するマルチテナントクラウドを選択可能です。いずれの利用形態でも、日立の高信頼な運用サービスにより、データの機密性確保やバックアップ、法規制対応など、必要な対策を組み合わせて利用できます。
2.信頼性と運用性を強化した仮想化/コンテナ環境
日立独自の技術とパートナー連携により強化された、以下の3つの環境を利用可能です。また、IT基盤の導入を容易にするHitachi Private Cloud Platformとして提供することもできます。

・Hyper-V 仮想化環境:
企業のIT環境として一般的なMicrosoftの各種サービスとの親和性が高いHyper-V仮想化環境において、日立のノウハウに基づく監視機能やログ機能など強化し、障害時の迅速な状況把握などサービスの信頼性を強化しています。
・KVM 仮想化環境 (2026年3月末日提供開始予定):
NTTデータの仮想化管理ソリューション「Prossione Virtualization」と、日立独自のLinux高信頼化技術を組み合わせ、運用性と信頼性の向上に継続的に取り組みます。
・OpenShift コンテナ環境:
オーバーヘッドを削減できるベアメタル構成が選択可能です。また、Red Hat OpenShift Virtualizationにより、従来の仮想化環境を生かしながら、クラウドネイティブ技術を取り込む段階的なモダナイズを加速します。

パートナー企業のコメント
株式会社NTTデータ ソリューション事業本部 クラウド&データセンタ事業部 事業部長 堀田 兼作氏
 NTTデータは日立製作所によるHitachi EverFlex クラウドサービスの発表を心より歓迎いたします。「Prossione Virtualization」は、NTTデータがKVMを利用したシステム開発・運用で培ってきた知見・経験を結集して提供しているサービスであり、長期継続利用を想定した、多様なお客さま環境への適用が進んでいます。このたび、運用性の向上およびソフトウェアの継続性の観点から日立製作所に高く評価いただき、Hitachi EverFlex クラウドサービスに採用いただけることを大変光栄に思います。日立製作所が長年培ってきた高信頼化のノウハウと「Prossione Virtualization」を組み合わせることで、お客さまシステムの安定的で持続可能な長期運用に貢献できると確信しています。

Hitachi EverFlex クラウドサービス



*6:1VMあたりCPU:2コア、メモリー:8GB、ストレージ:100GB/定額料金プラン/企業保有のデータセンターへ設置の最小構成80VM相当とした場合 (従量料金プラン/日立のデータセンターへの設置も選択可)
*7:1VMあたりCPU:2コア、メモリー:8GB、ストレージ:100GB/VMリソースのみとした場合

仮想化基盤



関連サイト
Hitachi EverFlex:https://www.hitachi.co.jp/products/it/everflex/index.html
仮想化基盤:https://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/v-infra/

商標注記
・Microsoft、Hyper-Vは、マイクロソフト企業グループの商標です。
・Red Hat、およびOpenShiftは、米国およびその他の国におけるRed Hat, Inc.およびその子会社の商標または登録商標です。
・Prossione Virtualizationは株式会社NTTデータの登録商標です。
・EverFlexは、Hitachi Vantara LLCの登録商標または商標です。
・記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

日立製作所について
 日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。2024年度(2025年3月期)売上収益は9兆7,833億円、2025年3月末時点で連結子会社は618社、全世界で約28万人の従業員を擁しています。詳しくは、www.hitachi.co.jpをご覧ください。

お問い合わせ先
株式会社日立製作所
AI&ソフトウェアサービスビジネスユニット
マネージド&プラットフォームサービス事業部
お問い合わせフォーム
https://www.hitachi.co.jp/it-pf/inq/NR/

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提供元:PRTIMES

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