7月1日より発生しておりましたBtoBプラットフォームにつながりにくい事象につきまして
データセンターのネットワーク機器が影響している可能性が高いことが確認できたため、2日11時ごろに該当機器を待機側に切り替えることで改善がみられました。
現在、他の機器にも問題がないかの調査を進めております。ご迷惑おかけして誠に申し訳ございません。
最終更新時刻:13時20分

天地人、sorano me、慶應義塾大学、JAXA、「衛星利用ビジネス検定」の開発に着手

2024/05/22  宇宙航空研究開発機構(JAXA) 

天地人、sorano me、慶應義塾大学、JAXA、
「衛星利用ビジネス検定」の開発に着手
〜衛星データを価値に変換できるスキルを磨く〜

2024年(令和6年)5月22日

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
株式会社天地人
株式会社sorano me
慶應義塾大学

 株式会社天地人(代表取締役:櫻庭康人、以下「天地人」)※1 、株式会社sorano me(代表取締役社長:城戸彩乃、以下「sorano me」)※2 、学校法人慶應義塾 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(委員長:白坂成功、以下「慶應SDM」)※3 、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(理事長:山川宏、以下「JAXA」)は、新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(以下、J-SPARC)」※4 の枠組みのもと、2023年12月より「衛星利用ビジネス検定」に関する共創活動を開始しました。
 本共創では、天地人とsorano meが衛星データ利用人材拡大を目指し開発を進めている教材及び検定システム開発に、慶應SDMが社会課題解決型宇宙人材育成プログラムの実施等を通じた教育研究プログラムの設計のノウハウと、JAXAがJ-SPARC共創活動に取り組む中で培ってきた衛星データを事業者の提供価値に変換するノウハウを組み合わせることで、衛星利用ビジネス検定の事業化を目指します。最初のステップとして、プロトタイプであるβ版検定を試行的に開催する予定です。多くの方からフィードバックを得るとともに、衛星利用ビジネス検定の実現を加速します。

©JAXA/天地人/sorano me/慶応義塾大学

【共創活動の背景】

 国内外で民間主導の宇宙開発が拡大し、人工衛星の数やデータ量が急速に増加しています。しかしながら、衛星データを解釈し、利用できる人材が不足しており、エンドユーザまで広く価値を届けることができていない現状があります。

【共創活動の内容】

 2022年12月、天地人とsorano meは、両社で衛星データ利用人材拡大のための教材及び検定システムの開発に着手することを発表しました。天地人は、衛星データ利用の採用分野や活用事例が拡大する中で、技術を担う人材の育成に注力したいと考えています。sorano meは、人財基盤開発事業「ソラノメイト」を通じて、業界全体の底上げをするために、他業界から宇宙業界への挑戦を志す方を積極的に呼び込み、宇宙業界の現場で活躍する人材育成に取り組んでいます。

 慶應SDMは、東京大学や東京海洋大学などと共に10年程度実施してきた「社会課題解決型宇宙人材育成プログラム」の実施経験や国内外の様々な社会課題を対象に衛星データを活用する研究開発や事業化をシステム思考やデザイン思考に基づいて取り組んできた知見に基づく教育研修プログラムの設計を行うと共に、検定内容の具体化に貢献します。

 JAXAは、J-SPARC共創に取り組む中で培ってきた「JAXA内外から必要な技術を集め、事業者の提供価値に変換すること」のノウハウをまとめ、衛星データを利用したビジネス創出を目指す際に必須となる基本的なマインドセットとして、衛星利用ビジネス検定を通して宇宙ビジネスプレイヤーに伝えることで、地に足ついた衛星利用ビジネス創出に繋げることを目指します。

【どんな人に受けてもらいたいか】

 受験者として、現場を持つビジネスパーソン、地域を守る自治体職員、地球規模課題に取り組む学生を主に想定しています。検定受検をキッカケに衛星データ利用について学び、その成果を武器にさまざまな分野で活躍してもらうことを期待しています。

ケース1 グローバル事業に取り組む企業の方が、発展途上国の経済分析の手法を探しているときに、衛星データから情報を得ている事例を目にした。どこから手を付けて良いか分からず、具体的な行動に至っていなかったが、検定に臨むことで衛星データの長所・短所を含めた特徴を理解でき、衛星から取得できる夜間光データを情報ソースのひとつとして活用することを決めた。
ケース2 自治体で防災を担当している方が、他の自治体や事業者ではどのように衛星データが活用されているかの事例を知った上で、自分の自治体にはどんな使い方が適しているか判断できるようになった。
ケース3 気候変動対策に取り組む学生が、地球の裏側での変化を知るために、衛星データを活用し、地球規模での影響度合いを把握することができた。

【プロトタイプβ版検定の試行開催について】

 これらの取り組みの成果として、プロトタイプであるβ版検定を2024年6月頃を目処に試行的に開催します。β版では本番の検定と同様に、設問に回答し、衛星利用ビジネスに関するスキルを評価します。β版検定で得られたフィードバックにより、検定内容を充実化させます。そして、2024年内を目処に協会を設立し、衛星利用ビジネス検定の開始を目指します。

【目指す未来】

 近年の宇宙予算が増大に対して、宇宙人材が足りていないという課題が顕在化しています。人材育成は一朝一夕では実現できず、自分事として取り組むプレイヤーの育成と、事業化等の持続可能な仕組みが不可欠です。本共創により、教材及び検定システムの開発を通じて、衛星データの使い道を広く世の中に啓蒙するとともに、衛星データ利用人材拡大を狙います。

※1 株式会社天地人
 天地人は、JAXA衛星をはじめとする地球観測衛星等から得られる宇宙ビッグデータを活用し、土地評価サービスを行う「天地人コンパス」をコアとした事業を展開しています。農業、インフラ、エネルギー、カーボンオフセットという4つの事業領域を軸にグローバルなビジネス展開を進めています。内閣府による第5回宇宙開発利用大賞にて農林水産大臣賞を受賞。
https://tenchijin.co.jp/?hl=ja外部リンク

※2 株式会社sorano me
 sorano meは、「わたしたちの日常を、宇宙ビジネスで豊かにする。」をビジョンに掲げ、2019年10月に設立した企業です。現在は、宇宙ビジネスに関するリサーチや記事の執筆、コンサルティングをはじめ、幅広い事業を行っています。
https://soranome.com/外部リンク

※3 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科
 ものごとを俯瞰的かつ緻密に捉える「システム思考」とアイディアやイノベーションを生み出すような際に必要となる「デザイン思考」、求められた品質やコスト、時間、リスクなどを満たしてプロジェクトを成功裡に導く「マネジメント」についての教育研究を行う独立大学院です。宇宙分野への貢献も大きく、大学、産業界、政府との連携によって。数多くの事業創出や人材育成に寄与しています。本共創活動に主体的に参加する神武直彦教授は、「いちばんやさしい衛星データビジネスの教本」(インプレス社)などを執筆しており、大学発宇宙ベンチャーを中心とした12社が組合員の宇宙サービスイノベーションラボ事業共同組合の代表理事をもつとめています。
http://www.sdm.keio.ac.jp/外部リンク

※4 JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)
 J-SPARC(JAXA Space Innovation through Partnership and Co-creation)は、宇宙ビジネスを目指す民間事業者等とJAXAとの対話から始まり、事業化に向けた双方のコミットメントを得て、共同で事業コンセプト検討や出口志向の技術開発・実証等を行い、新しい技術を獲得し、新しい事業を創出する共創型研究開発プログラムです。2018年5月から始動し、これまでに40以上のプロジェクト・活動を進め、民間事業者による食、生活用品、教育、VR、エンタメ、アバター、通信、小型衛星コンステ事業の事業始動(商品化・サービスイン)にも貢献しています。事業コンセプト共創では、マーケットリサーチ、事業のコンセプトの検討などの活動を、事業共同実証では、事業化手前の共同フィージビリティスタディ、共同技術開発・実証などの活動を行います。
https://aerospacebiz.jaxa.jp/solution/j-sparc/外部リンク

<株式会社天地人 COO・取締役 百束泰俊 コメント>

 弊社は、「宇宙視点で考える」「ワクワクする未来を選ぶ」「一人一人の行動で切り拓く」「地球に良い営みを」の4つをバリューとしています。今回の検定を通じて、宇宙技術の代表とも言える衛星データとその活用についての知識を社会に広げることで、ワクワクする未来を一緒に作ってくれる仲間を増やしていきたいと考えています。また足元の問題として、観測センサー技術においても様々な技術革新が行われている中で、データ活用の可能性も日々拡大しており、それが体系的な知識習得を難しくしているという課題も感じています。今回のsorano me様、慶應SDM様、JAXA様とのバランスの取れた連携により、こうした課題を解決し、受験者の皆様にとって高い価値のある検定の開発に努めてまいります。

<株式会社sorano me 代表取締役社長 城戸彩乃 コメント>

 近年、人工衛星から取得できるデータ量が急速に増大していることで、宇宙利用の機運が高まっていると感じております。
 当社は、宇宙ビジネスは「他分野x宇宙」の掛け合わせで生まれると考えており、宇宙分野以外で活躍している方が宇宙に興味を持った時、その興味を形にできる場所として2021年より人材基盤事業「ソラノメイト」を行ってまいりました。
 宇宙はまだまだ遠い存在と思われている方も多い中で、他分野からの人材流入を加速するためには、他分野で活躍している方が衛星データの正しい知識を体系的に身に着けることが重要であると感じております。こうした中、今回の教材及び検定開発に挑戦することを決意いたしました。
 「わたしたちの日常を、宇宙ビジネスで豊かにする。」世界を目指し、本活動を通じて、天地人様、慶應SDM様、JAXA様と連携しながら産業の発展に貢献していきたいと考えております。

<慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 教授 神武直彦 コメント>

 1年間に打ち上がる人工衛星の数は、この10年間で約10倍の1,000機程度になり、利用できる衛星データの質も量も飛躍的に向上してきています。日本も株式会社天地人や株式会社sorano meをはじめとして宇宙に関するベンチャー企業が100程度になり、産業規模が拡大し、今年度からJAXA基金などによって、さらに企業や大学研究機関での宇宙事業に関する研究開発が促進される予定です。その状況で、最も大きな課題のひとつはそこに関わることができる人材、また、興味を持って下さる方の数が多くないということです。本共創活動によって、宇宙事業や衛星データに興味を持って下さる方が増え、また、衛星データを解釈し、利用できる人材が飛躍的に増えることを期待し、私たちもそれに貢献していきたいと思います。本共創活動に宇宙視点で関わって下さる方を心からお待ちしています。

<JAXA 新事業促進部 事業開発グループ長 高田真一 コメント>

 2018年5月に始動したJ-SPARCでは、宇宙産業創出に向けたイノベーションへの取り組みを通じて、次代に向けた「人作り」を意識しています。新たなプレイヤーを巻き込み、新しい事業領域を開拓し、異業種連携に挑戦し、多くの気付きを得ました。その1つが、衛星データ利用事業領域において、地域の社会課題を解決し、社会に大きな変革をもたらすには、衛星データと現地のデータとを紐づけ、ソリューションを開発し、利用者の価値に変換していくビジネス視点、システム構築能力が重要であるということです。これまでのJ-SPARC共創活動で得られた良い面、苦い面双方の知見を盛り込んだ本検定事業を通して、多くの方々の共感を呼び起こし、リテラシーを高め、そして、未来のプレイヤーとなっていただけるよう、努力して参ります。

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