株式会社シー・アイ・エム総合研究所 自動車業界に代表される大型部品生産ライン工程の段取スケジュールをシステム化 「Dr.段取」発表

2023/11/10  株式会社 シー・アイ・エム総合研究所 

~ライン生産における型替え段取りの生産性・安全性向上に向けた取り組み~

株式会社シー・アイ・エム総合研究所(本社:東京都目黒区、代表:富田 英史)は、本日2023年11月9日(木)にプレス等のライン生産工程の段取スケジューラ「Dr.段取」を発表しました。本製品は、個別受注生産向けスケジューラ「Dr.工程PRO」のスケジューリング技術を応用し、人手に依存することが多い大型部品生産ラインの段取スケジュールをシステム化、ライン生産工程の生産性や安全性の向上をはかるとともに、車体生産等の製品生産全体の生産性向上に貢献します。


本取組の背景


近年の自動車のEV化により、自動車部品の軽量化、集約化が進んでいますが、それらの動きと合わせ、部品を生産するための金型自体は以下のような大型化の流れが進んでいます。
車体の主要構造部分を一体成形するギガキャストによるダイキャスト金型の大型化

車体プレス部品のハイテン材(高張力鋼材)の適用拡大によるプレス金型の大型化

バックパネル、フェンダー等の樹脂部品化による樹脂金型の大型化


これらの金型の大型化に伴い、ライン生産における型替え段取りの安全性や、効率化が求められる様になってきました。
当社は1995年の創立以来、金型製造のお客様を中心に工程管理システムを提供してまいりましたが、これまで蓄積してきた自動スケジューリングのノウハウを活用し、この度、金型を利用した生産を行う大型プレスライン生産の効率化に貢献する為のスケジューラの開発を行いました。

Dr.段取の概要


Dr.段取は、「段取りとスケジュール」で9割決まるともいわれる大型部品生産ラインの効率化に貢献する為のスケジューラであり、主に以下に貢献する事を目的としております。
上位システムからの手配指示(部品生産数・納期)、部品在庫状況、部品ロット数を考慮したスケジュールによる部品の在庫切れ、余剰在庫削減への貢献

ライン生産能力(片袖・両袖・ボルスター含む)、掛け持ちクレーン、搬送台車積載数を考慮したスケジュールによるライン段取り(型替)時間改善に貢献

生産ライン担当、クレーン担当、ブランクライン担当、部品搬送担当への的確な作業指示による現場の調整業務削減混乱回避への貢献



大型部品生産ラインの段取りにおけるお客様の課題


タンデムプレス、トランスファープレスの生産ラインは、設備自体は自動ですが、その周りの段取業務は、様々な調整業務をクレーン担当、ブランクライン担当、部品搬送担当等個々の担当者が人手で行っています。
その中で図1に記載されるような様々な課題、お悩みをかかえていらっしゃいます。

【図1.大型部品生産ライン「Dr.段取」適用事例(現状の課題)】

また、計画作成、各作業者への作業指示、情報共有の観点でも図2に記載されるような様々な課題があります。

【図2.大型部品生産ライン「Dr.段取」適用事例(計画、作業指示の現状)】ご参照

Dr.段取の概要


Dr.段取は、上述の様なお客様の課題を解決し、自動車業界のギガキャストに代表される様な金型の大型化に伴う「大型部品生産ラインでの型替え段取りの安全性、効率化」を行う為の「段取スケジューラ」です。


大型部品生産ラインの複雑な段取への対応例


以下の様な複雑な段取作業も自動スケジューリングで対応します。

より正確な「段取スケジュール」を導き出す


正しい「段取スケジュール」を行う為には、部品在庫置場、組み立てラインサイド等に分散している部品数量、工場内を移動している搬入台車の数量を正しく把握する必要があります。
ところが、常に動いている部品在庫数、搬入台車数を把握するには、移動する度に作業者にシステム入力させる事は本来の作業の妨げにもなり困難です。
既存の生産管理システムとの連携による部品数量の把握、工場内の各ポイントへのカメラ設置による搬入台車数の把握等により正確な情報をDr.段取に取り込む事で、作業者に負担をかけず、より正確な「段取スケジュール」を導き出す取組も提案させて頂きます。
本製品の詳細およびお問い合わせは以下の当社HPをご確認ください。
https://www.cim.co.jp/components/2624/

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