3回目のサステナビリティ・リンク・ボンド発行を予定

2024/06/03  日本電気 株式会社 

NEC、3回目のサステナビリティ・リンク・ボンド発行を予定

2024年6月3日
日本電気株式会社

NECは、国内社債市場における公募形式によりサステナビリティ・リンク・ボンド(※1)(以下、本社債)を発行する予定であり、本社債発行に向けた社債の訂正発行登録書を関東財務局長に提出しました。本社債発行は、2022年7月及び2023年7月に続いて3回目のサステナビリティ・リンク・ボンド発行となります。

1. 本社債発行の目的および背景

NECは、サステナビリティ経営の基本方針として「事業をとおした社会課題解決への貢献」「リスク管理・コンプライアンスの徹底」「ステークホルダー・コミュニケーションの推進」を掲げ、デジタル技術が社会に与える負の影響の防止や低減と、気候変動等の環境課題をはじめとした社会課題解決に取り組んでおります。
この基本方針のもと、「2025中期経営計画」において、以下の7つのテーマを、リスク低減および機会創出に向けNECが取り組むべきESG視点の経営優先テーマ「基盤マテリアリティ」として特定し、「2025中期経営計画」における成長事業が創出を目指す5つの社会・環境テーマを機会創出に向けた「成長マテリアリティ」としています。

基盤マテリアリティ

  • 気候変動(脱炭素)を核とした環境課題への対応

  • ICTの可能性を最大限に広げるセキュリティ

  • 人権尊重を最優先にしたAI提供と利活用(AIと人権)

  • 多様な人材の育成とカルチャーの変革

  • 社会価値の継続的な創出と企業価値の最大化を図るコーポレート・ガバナンス

  • 調達取引先との協働・共創を通じたサプライチェーンサステナビリティ

  • 社会価値創造型企業としてのコンプライアンスの実践

成長マテリアリティ

  • 行政・金融のデジタル化によるWell-beingな社会を実現

  • 人にも環境にもストレスなくつながる社会の実現

  • 社会や産業の変革をデジタルの力で実現

  • 誰もが自分らしく生きる、新しいヘルスケア・ライフサイエンスの世界を実現

  • お客さま・社会のカーボンニュートラルを実現

本社債は、上述の基盤マテリアリティの1つである「気候変動(脱炭素)を核とした環境課題への対応」に資金調達を通じて強くコミットするものとなっており、その着実な進捗を計測するためにKPI/SPTs(※1)が設定されております。
本社債発行を通じて、NECグループの存在意義「Purpose」(NECは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します)を実践するとともに、当社のサステナビリティ経営の取り組みについて、さまざまなステークホルダーのみなさまと対話・共創することを企図しております。

  • ※1

    サステナビリティ・リンク・ボンドとは、あらかじめ定められたサステナビリティ/ESGの目標を達成するか否かによって条件が変化する債券をいいます。サステナビリティ・リンク・ボンドの発行体は、あらかじめ定めた時間軸の中で、将来の持続可能性に関する成果の改善にコミットします。具体的には、サステナビリティ・リンク・ボンドは、発行体があらかじめ定めた重要な評価指標(以下、KPI)とサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(以下、SPTs)による将来のパフォーマンスの評価に基づいた金融商品であり、KPIに関して達成すべき目標数値として設定されたSPTsを達成したかどうかによって、債券の条件が変化します。

2. 本社債の概要

発行年限 5年 10年
発行額 未定
発行時期 2024年7月以降(予定)
KPIs
  • KPI 1:

    NECグループのScope1およびScope2におけるCO2排出量削減率

  • KPI 2:

    CDP気候変動のスコア

NECは、「気候変動(脱炭素)を核とした環境課題への対応」を基盤マテリアリティの1つとして特定し、2040年カーボンニュートラル達成に向けた環境経営を加速することを掲げています。
上記KPI 1はNECグループ自身の観点から、KPI 2は第三者評価の観点から、これら脱炭素に向けた取り組みの進捗を測る適切な指標となります。

なお、NECグループは、2040年にはScope3のCO2排出量もゼロとする目標を策定し、SBTネットゼロ認定(※2)を受けております。但し、Scope3のCO2排出量については、換算係数による推計値での算定が中心であり、企業努力がそのまま排出量算定結果に反映されないことから、より精度の高いScope3のCO2排出量の算定方法やそのためのサプライチェーン間でのデータ連携基盤が整うまでは、Scope3関連のKPIは設定しないこととします。

  • ※2

    SBT(Science Based Targets)とは、パリ協定(世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準(Well Below 2℃)に抑え、また1.5℃に抑えることを目指すもの)が求める水準と整合した、5年~15年先を目標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減目標のことをいいます。

SPTs
  • SPT 1:

    Scope1およびScope2の各年度におけるCO2排出量削減率(基準年度である2020年度比)

  • SPT 2:

    CDP気候変動の最終スコア「A」の維持

【5年債】(判定日:2028年7月末)

  • SPT 1:

    2027年度におけるScope1およびScope2のCO2排出量を35.0%削減(2020年度比)
    参照期間:2027年4月~2028年3月

  • SPT 2:

    CDP気候変動の最終スコア「A」の維持

【10年債】(判定日:2033年7月末)

  • SPT 1:

    2032年度におけるScope1およびScope2のCO2排出量を60.0%削減(2020年度比)
    参照期間:2032年4月~2033年3月

  • SPT 2:

    CDP気候変動の最終スコア「A」の維持

債券の特性

SPTsの達成状況により、本社債の債券特性は変動します。変動内容については、本社債の判定日以降、①または②のいずれにするかを決定します。

  • いずれのSPTも未達成の場合、本社債の償還までに、社債発行額の0.1%相当額の排出権(CO2削減価値をクレジット・証書化したもの)を購入します。なお、SPT 1が未達成の場合は、社債発行額の0.1%相当額の10分の7の、SPT 2が未達成の場合は、社債発行額の0.1%相当額の10分の3の排出権を購入します。

  • いずれのSPTも未達成の場合、本社債の償還までに、社債発行額の0.1%相当額を、環境保全活動を目的とする公益社団法人、公益財団法人、国際機関、自治体認定NPO法人、地方自治体やそれに準じた組織に対して寄付します。なお、SPT 1が未達成の場合は、社債発行額の0.1%相当額の10分の7を、SPT 2が未達成の場合は、社債発行額の0.1%相当額の10分の3を寄付します。

Structuring
Agent(※3)
大和証券株式会社、SMBC日興証券株式会社
主幹事 SMBC日興証券株式会社、大和証券株式会社、みずほ証券株式会社、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 大和証券株式会社、SMBC日興証券株式会社、みずほ証券株式会社、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
  • ※3

    Structuring Agentとは、フレームワークの策定を通じて、ESG債の発行支援を行う者を指します。

3. サステナビリティ・リンク・ボンド・フレームワークの策定および第三者評価の取得

NECは、①KPIsの選定、②SPTsの測定、③債券の特性、④レポーティング、⑤検証の5つの要素について記載したサステナビリティ・リンク・ボンド・フレームワークを2022年6月に策定するとともに、国際資本市場協会(ICMA)が定める「サステナビリティ・リンク・ボンド原則2020」および環境省が定める「サステナビリティ・リンク・ボンドガイドライン(2022年版)」への適合性を確認したセカンドオピニオンを、株式会社格付投資情報センター(以下、R&I)より取得しています。
2023年6月には、従来計画比で10年前倒しとなる2040年カーボンニュートラル宣言の実施および関連目標の更新等に伴い、2022年6月に策定したサステナビリティ・リンク・ボンド・フレームワーク全体を改訂、セカンドオピニオンをR&Iより再取得しています。
本社債発行にあたり、マテリアリティの再整理や、時点更新に伴うCO2排出量の数値修正(但し、KPI目標値の変更は無し)等に伴い、2023年6月公表のサステナビリティ・リンク・ボンド・フレームワークを改訂しています。

関連情報

以上

NECは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、
誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します。
https://jpn.nec.com/brand/

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