「女による女のためのR-18文学賞」大賞受賞の京都芸術大学大学院在学 上村裕香さんの新作「発光」が小説新潮 2024年5月号に掲載されました!

2024/05/05  学校法人 瓜生山学園 京都芸術大学 

第23回女による女のためのR-18文学賞決定発表の特集として、歴代受賞者競作として掲載。発光―書けない駆け出し作家の前に現れた、美しく奔放な友人は


作者からのコメント


魅力的な人物に出会ったとき、小説に書きたいと思ってしまうのは、作家の性(さが)のように思います。その人物がなんらかの注目すべき事柄の「当事者性」を備えていたら、より一層。
この小説は、そんな作家の性と「書く倫理」との間で揺れ動く新人作家・イトウの物語です。多和田という、天真爛漫で、あけすけに若年性不妊であることや、5人のボーイフレンドと恋愛していることを語り、セックスするときひどく輝く友人。イトウは彼女に惹かれ、葛藤し、あるひとつの答えを出します。
ぜひ、小説を開いて、読んで、イトウと同じように多和田に出会ってみてください。

発光 あらすじ


父を介護する女子高生が主人公の、実体験をもとにした小説でデビューした新人作家・イトウは、なかなか次の作品が発表できないでいた。
ある日、イトウは友人の多和田に強い光を見出し、彼女のことを「書きたい」と思う。5人のボーイフレンドと付き合い、「子ども好きな男とは付き合えへんわ、だって、あたし不妊やんか」とあっけらかんと言う、屈託のない多和田に惹かれていく。しかし、多和田のボーイフレンドに会ううち、当事者でもない自分が彼女のことを書いていいのか、と葛藤して……。

上村裕香 プロフィール



2000年佐賀県生まれ。京都芸術大学文芸表現学科2023年度卒業。京都芸術大学 大学院に2024年度から在学。2022年に新潮社主催 第21回「女による女のためのR-18文学賞」において『救われてんじゃねえよ』で大賞受賞。


小説新潮 https://www.shinchosha.co.jp/shoushin/



小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。
時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。
小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。
目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。
言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

京都芸術大学 大学院芸術研究科 https://www.kyoto-art.ac.jp/graduate/


京都芸術大学 大学院芸術研究科は修士課程と博士課程の2つの課程からなり、修士課程は世界各地で活躍するアーティストや研究者・地域や組織で能力を発揮するデザイナーや教育者等を育成する2つの専攻で構成されています。伝統芸術から最先端のポップカルチャーまで、多種多様な専門分野の教員による綿密な指導と、領域・分野の枠を超えた交流が新たな可能性を生み出す「知的・創造的な核」となっています。博士課程は領域・分野のとらわれることなく、より高度な研究・制作を深めていくことができます。
修士課程:芸術専攻(グローバル・ゼミ、歴史遺産研究、美術工芸)/芸術環境専攻(情報デザイン・プロダクトデザイン、文化デザイン・芸術教育、建築・環境デザイン)
博士課程:芸術専攻(研究|研究・制作)

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