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最終更新時刻:17時14分

特殊エンプラ、機能性樹脂の世界市場を調査

2022/12/07  株式会社 富士経済 

特殊エンプラ、機能性樹脂の世界市場を調査

―2027年世界市場予測(2021年比)―
■エンプラ、機能性樹脂の世界市場 1,616万トン(14.9%増)
各国の経済成長や自動車生産台数の増加で拡大
●環状ポリオレフィン(COP・COC) 7万3,800トン(24.9%増)
ディスプレイサイズの大型化で光学フィルム向けが増加

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、各国の経済成長に加え、金属の代替素材として有力視される特殊エンプラと、産業分野から日用品まで幅広く使用され、光学レンズなどでガラス代替の需要獲得が進む機能性樹脂、およびその原料の世界市場を調査した。その結果を「2023年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略 下巻」にまとめた。

本調査では特殊エンプラ14品目、機能性樹脂11品目とその原料2品目を調査し最新の市場動向をまとめた。また、「2023年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略 上巻」で調査した汎用エンプラ、スーパーエンプラの調査結果と合わせてエンプラ、機能性樹脂の世界市場を提示した。

◆調査結果の概要

■特殊エンプラと機能性樹脂の世界市場

 

2022年見込

2021年比

2027年予測

2021年比

特殊エンプラ

148万トン

100.0%

171万トン

115.5%

機能性樹脂

183万トン

96.8%

207万トン

109.5%

※PMI、新規耐熱透明樹脂、バイオPCは含めない

特殊エンプラは耐熱性や耐摩擦・摩耗性、耐薬品性、難燃性などに特に優れた特性を有するサルホン系樹脂、イミド系樹脂、フッ素系樹脂などが対象である。金属の代替素材として有力視され、航空、軍事、宇宙分野をはじめ、自動車や電気電子、産業機器分野でも需要が増加している。

機能性樹脂は透明樹脂とバイオエンプラを対象としている。2022年は中国や欧州の経済状況悪化により、市場は前年比96.8%が見込まれる。今後はアジア地域などの経済成長によって産業分野から日用品まで幅広い用途で使われるポリメチルメタクリレート(PMMA)が拡大するほか、COP・COCや特殊ポリカーボネート(特殊PC)、フルオレン系ポリエステルなどは光学レンズでガラス代替利用が増加していくとみられる。

■エンプラ、機能性樹脂の世界市場

2022年見込

2021年比

2027年予測

2021年比

1,382万トン

98.3%

1,616万トン

114.9%

※PMI、新規耐熱透明樹脂、バイオPCは含めない

エンプラ(汎用エンプラ、スーパーエンプラ、特殊エンプラ)と機能性樹脂を対象とする。市場は各国の経済成長や自動車の電装化によって拡大してきた。2022年は一部の地域を除いて経済成長が鈍化していることから、採用分野が多岐に亘り経済環境の影響を受けやすい汎用エンプラを中心に需要が低迷し、市場は前年比1.7%減が見込まれる。

2023年以降、部品の供給不足解消による自動車生産台数の増加や移動制限の緩和に伴う航空産業の回復により、市場も再び拡大するとみられる。また長期的にも各国の経済成長によって市場は拡大していくと予想される。

◆注目市場

●超高分子量ポリエチレン(U-PE)【特殊エンプラ】

2022年見込

2021年比

2027年予測

2021年比

17万9,900トン

103.3%

22万5,000トン

129.2%

U-PEは熱可塑性樹脂の中で最も優れた耐衝撃性を持ち、自己潤滑性や耐摩耗性、摺動性にも優れ、低温でも特性を保持するなどの特色を持つ。2022年は中国や欧州を中心としたEVシフトの進行により、LiB(リチウムイオン二次電池)セパレータ向けが増加するとみられる。

世界各国の安全保障意識の高まりから、安全保護具の防弾チョッキやヘルメットなどでU-PE繊維の需要が増加している。また、先進国で高齢化が進んでいることから、人工関節置換手術の件数が増えており、医療用インプラントの採用が広がっていることから市場の拡大が予想される。

●環状ポリオレフィン(COP・COC)【機能性樹脂】

2022年見込

2021年比

2027年予測

2021年比

6万1,100トン

103.4%

7万3,800トン

124.9%

COP・COCは耐熱性や透明性に優れる比重の小さい樹脂であり、低吸水性や低複屈折率など光学部品用の素材として優れた特性がある。2022年は液晶テレビの在庫調整やスマートフォンの減産がマイナス要素であるものの、パッケージ向けや医療用品向けが堅調であるため、市場は前年を上回るとみられる。

今後はディスプレイサイズの大型化で光学フィルム向けが増加すると想定される。また、リサイクル推進のためパッケージのモノマテリアル化が進むことや、医療容器のガラス代替として採用が広がることにより、市場は拡大が続くとみられる。

●ポリメチルメタクリレート(PMMA)【機能性樹脂】

2022年見込

2021年比

2027年予測

2021年比

132万1,000トン

100.2%

148万2,500トン

112.4%

PMMAは、全光線透過率が93~94%と樹脂の中でも最高度の透明度を持ち、透明性や光学特性が求められる電気電子部品や自動車部品において使用される。また、他の光学特性に優れた樹脂よりも耐候性に優れるため屋外や寒冷地での使用に適していることや、比較的安価であることも需要の多さの一因となっている。

2022年は主な用途である自動車向けが低調であることに加え、近年好調であった導光板の需要が減少しているため、市場は前年比0.2%増に留まるとみられる。

2023年以降に自動車の生産が回復することにより、市場も拡大していくとみられる。また、アジア地域の経済成長を背景として、日用品や家電製品、建材などの幅広い用途で需要が増加し、2027年の市場は2021年比12.4%増が予測される。

◆調査対象

特殊エンプラ

 

・ポリサルホン・ポリフェニルサルホン

・ポリベンゾイミダゾール(PBI)

(PSF・PPSF)

・ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)

・ポリエーテルサルホン(PES)

・溶融フッ素樹脂

・ポリエーテルイミド(PEI)

・耐熱アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン

・熱可塑性ポリイミド(TPI)

共重合樹脂(耐熱ABS)

・ポリアミドイミド(PAI)

・超高分子量ポリエチレン(U-PE)

・全芳香族ポリイミド(API)

・フェノール樹脂成形材料(PMC)

・ポリメタクリルイミド(PMI)

・ポリエステルエラストマー(TPC)

機能性樹脂

 

・ポリメチルメタクリレート(PMMA)

・ポリメチルペンテン(PMP)

・透明アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン

・ポリエチレンナフタレート(PEN)

共重合樹脂(透明ABS)

・ポリアリレート(PAR)

・環状ポリオレフィン(COP・COC)

・新規耐熱透明樹脂

・特殊ポリカーボネート(特殊PC)

・バイオポリカーボネート(バイオPC)

・フルオレン系ポリエステル

・ポリグリコール酸(PGA)

原料

 

・メタクリル酸メチル(MMA)

・イソソルビド(ISB)

※下線付きの品目は市場規模を算出していない

汎用エンプラ

PC、m-PPE、POM、PBT、GF-PET、PA6、PA66

スーパーエンプラ

PA46、PA11・PA12、PA610・612、PAMXD6、PA6T、PA9T、PA10T・PA11T、PCT、SPS、PPS、LCP、PAEK

※汎用エンプラ、スーパーエンプラの市場は上巻に収載
※PA10T・PA11Tは市場規模を算出していない

2022/12/07

上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。

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