マーサー「2019年世界生活環境調査(Quality of Living Survey) ‐ 都市ランキング」を発表

2019/03/13  マーサージャパン 株式会社 



ウィーンが10年連続「世界生活環境ランキング」の首位
「個人の安全度ランキング」首位はルクセンブルク
日本の主要都市の順位は、東京(49位)、神戸(49位)、横浜(55位)、大阪(58位)、名古屋(62位)
生活環境は都市としての魅力となる重要なファクター


マーサーは「2019年世界生活環境調査(Quality of Living Survey) ‐ 都市ランキング」 を発表した。貿易摩擦やポピュリストが世界的な経済情勢の中心となる中、金融引き締め政策と市場の不安定性への懸念も相まって、グローバル企業においては海外事業を適切に進めることがこれまで以上に求められている。 今年で21年目になるマーサーの世界生活環境調査によると、世界の多くの都市は依然として魅力的なビジネス環境を提供しており、生活環境は都市としての魅力を語る上で重要なファクターとなっている。

全世界のランキングでは、ウィーンが10年連続でトップを維持し、チューリッヒが僅差で2位となった。オークランドとミュンヘン、そして北米で10年連続最高位のバンクーバーがともに3位という結果となった。シンガポール(25位)、モンテビデオ(78位)、ポートルイス(83位)は、それぞれアジア、南米、アフリカの各地域での最高位を維持した。バグダッドは依然ランキング最下位ではあるものの、安全性と保健医療面において大きな改善が見られた。一方で、カラカスは、政治・経済情勢が著しく不安定となり、生活水準は下落した。

「グローバル企業の海外事業においては、現地へ派遣した人材に、その場所で高い能力を発揮してもらう必要がありますが、これには公私にわたる個人の健康や生活環境が大きく影響しています」とマーサーのシニアパートナーでキャリア部門代表のイリヤ・ボニックは述べている。「海外事業の拡大を目指す企業は、新たな拠点をどこに置くのか、誰を派遣するのがベストかを決定する際に、様々なことを考慮する必要があります。進出先、グローバル人材の配置、住宅や報酬の決定に至るまで、企業が極めて重大な決定を行う上で、適切で信頼できるデータと、標準的な指標は不可欠です。」

マーサーの世界生活環境調査は世界でも有数の総合調査として信頼されており、多国籍企業などが海外派遣にあたり社員の報酬を公平に決定できるよう毎年実施されている。生活環境を相対的に評価した有益なデータであるとともに、世界450 都市以上のハードシップ手当について提言しており、うち231 都市を今年のランキング対象としている。

今回の調査では、各都市における国内情勢の安定性、犯罪(治安)、司法機関による職務遂行能力、個人の自由への制限、他国との関係性、報道の自由などを評価した「個人の安全度ランキング」も併せて発表した。個人の安全度はどの都市においてもビジネスや人材の成長に欠かせず、安定性の基盤となる。このランキングでは、ルクセンブルクが世界で最も安全度が高い都市としてトップとなり、ヘルシンキとスイスのバーゼル、ベルン、チューリッヒが同順位で2位と続き、西ヨーロッパが上位を独占する結果となった。世界で最も安全度の低い都市はダマスカス(231位)で、次点は中央アフリカ共和国のバンギ(230位)となった。

「個人の安全度は様々な要因から成り立っており、国や都市の情勢や状況が毎年変化するため、常に流動的です。多国籍企業が従業員を海外派遣する際には、海外赴任者自身の身辺の安全に関わるだけではなく、海外派遣者報酬コストにも大きな影響を与え得るため、個人の安全度を構成する要素を把握することは企業にとって非常に重要です。派遣先の生活環境について情報を常に把握しておくために、正確なデータと客観的なメソッドを用意しておく必要があります。」とマーサーのプリンシパルであり本調査の責任者であるスラジン・パラカティルは述べている。


地域別分析


ヨーロッパ

総合ランキング
ヨーロッパの各都市は高い生活環境を維持しており、ヨーロッパでトップ3となったウィーン(1位)、チューリッヒ(2位)、ミュンヘン(3位)は、全世界のランキングでもトップ3となっており、上位20位のうち、ヨーロッパの13都市がランクインする結果となった。ヨーロッパの主要都市であるベルリン(13位)、パリ(39位)、ロンドン(41位)は、昨年から順位に変動がなかった一方で、マドリッド(46位)は3つ順位が上がり、ローマ(56位)は1つ順位が上がった。サラエボ(156位)は、犯罪報告件数が減ったために3つ順位が上がった一方で、ミンスク(188位)、ティラナ(175位)、サンクトペテルブルク(174位)は、今年もヨーロッパで最も順位が低い都市となった。

個人の安全度ランキング
ヨーロッパで最も安全度の高い都市は、ルクセンブルク(1位)となった。これにバーゼル、ベルン、ヘルシンキ、チューリッヒが同順位2位で続いた。モスクワ(200位)とサンクトペテルスブルク(197位)は、ヨーロッパで最も安全度の低い都市となった。2005年から2019年の間に、西ヨーロッパにおいて最も順位が下がった都市は、近年テロ攻撃が発生しているブリュッセル(47位)と、世界的な財政危機後の政治・経済の混乱からの回復が遅れているアテネ(102位)となった。

南北アメリカ

総合ランキング
北米では、昨年に引き続きカナダ各都市が上位にランクインする結果となった。今回もバンクーバー(3位)が総合ランキングで最高位となった。米国は、犯罪率が引き続き低下していることにより1つ順位が上がったニューヨーク(44位)を除き、調査対象である全都市の順位が下がっており、最も順位が下がったのはワシントンDC(53位)となった。ニューヨーク(44位)のみが、犯罪率が引き続き低下していることにより1つ順位が上がった。デトロイトは、今回も米国の最下位となり、ハイチの首都であるポルトー・プランス(228位)は南北アメリカ地域で最下位となった。不安定な国内情勢やデモにより、ニカラグアのマナグア(180位)は今回7つ順位が下がった。メキシコでは麻薬カルテル関連の暴力事件が続いており、犯罪率も高いモンテレイ(113位)とメキシコシティ(129位)は今回も下位となった。南米ではモンテビデオ(78位)が再び最高位となった。不安定な状況が続くカラカス(202位)は9つ順位が下がった。その他南米の主要都市であるブエノスアイレス(91位)、サンチアゴ(93位)リオデジャネイロ(118位)などは、昨年から大きな変動はなかった。

個人の安全度ランキング
北米ではトロント、モントリオール、オタワ、カルガリー、バンクーバーがともに同順位17位でトップとなった。カラカスは順位を48落として、南北アメリカ地域最下位の222位となった。

中東・アフリカ

総合ランキング
ドバイ(74位)が昨年に引き続き中東のトップとなり、その後にアブダビ(78位)が僅差で続いた。一方、最下位はサヌア(229位)とバグダッド(231位)となった。サウジアラビア政府のビジョン2030の一つとして新たな娯楽施設がオープンしたリヤド(164位)は、今回順位が1つ上がり、イスタンブール(130位)は、犯罪率の低下と、過去12ヶ月間テロ事件が起こらなかったために、順位が4つ上がった。

アフリカでは、ポートルイス(83位)がトップとなり、南アフリカのダーバン(88位)、ケープタウン(95位)、ヨハネスブルグ(96位)が続いた。アフリカ地域の最下位はバンギ(230位)となった。政治体制の民主化が進み、国際関係や人権向上への改善が見られたガンビアの首都バンジュール(179位)は6つ順位が上がり、アフリカおよび全世界で最も順位が上がった都市となった。

個人の安全度ランキング
中東の最高位は、ドバイ(73位)とアブダビ(同73位)となった。ダマスカス(231位)は中東だけでなく、全世界でも最下位となった。アフリカでは総合ランキングでもトップのポートルイス(59位)が最高位となった。総合ランキングでは上位となったが、個人の安全度ランキングでは低い順位となったのがダーバン(128位)、ケープタウン(152位)、ヨハネスブルグ(152位)である。ケープタウンは水不足の問題によって今回順位が1つ下がった。総合ランキング最下位となったバンギは、個人の安全度でも最下位(230位)となった。

アジア・太平洋

総合ランキング
アジアでは、シンガポール(25位)が総合ランキングのトップとなり、これに日本の東京(49位)、神戸(49位)、横浜(55位)、大阪(58位)、名古屋(62位)が続き、さらに香港(71位)、そして昨年の大統領逮捕後の政治的安定を取り戻して2つ順位が上がったソウル(77位)が続いた。東南アジアのその他の主要都市では、クアラルンプール(85位)、バンコク(133位)、マニラ(137位)、ジャカルタ(142位)となり、中国は、上海(103位)、北京(120位)、広州(122位)、深セン(132位)となった。

南アジアでは、インドのニューデリー(162位)、ムンバイ(154位)、ベンガルール(149位)の総合ランキングの順位は昨年から変動はなく、コロンボ(138位)が最高位となった。

ニュージーランドとオーストラリアは、オークランド(3位)、シドニー(11位)、ウェリントン(15位)、メルボルン(17位)が今回も上位となり、20位以内の順位を維持した。

個人の安全度ランキング
東アジアおよび東南アジアの都市ではシンガポール(30位)がアジアで最高位となり、プノンペン(199位)が最下位となった。中央アジアのアルマトイ(181位)、タシュケント(201位)、アシガバート(206位)、ドゥシャンベ(209位)、ビシュケク(211位)では安全度は引き続き課題となっている。

南アジアでは、105位のチェンナイが南アジア地域で最も高く、カラチ(226位)が最も低い結果となった。

オーストラリアの主要都市は、全て上位50位内に入っており、オークランドとウェリントンは同順位の9位でオセアニア地域の最高位となった。


付記: 2019年世界生活環境調査(Quality of Living Survey)について


「世界生活環境ランキング(Quality of Living Survey)」は、マーサーがグローバルで実施する世界生活環境調査の最新の結果に基づき毎年作成されています。マーサーでは調査対象の都市ごとに個別レポートを作成しています。全都市を対象としたサマリーレポートは作成しておりません。複数都市比較も可能です。本データは主に2018年9月から11月にかけてマーサーが収集したもので、特に重要な政治、経済、 環境開発等の状況の変化に対応して定期的に更新されています。

生活環境が厳しい地域で勤務する海外派遣者への適切な報酬とインセンティブ
企業は、合理的で一 貫性のある海外派遣者の報酬制度を構築する必要があります。海外、特に生活環境が厳しい地域で勤務する社員とその家族に、一定のインセンティブを支給する ことが一般的となっています。一般的なインセンティブとして、「ハードシップ手当」と「海外勤務手当(モビリティープレミアム)」があります。


ハードシップ手当は、派遣元と派遣先の生活環境差に対する補償として支払われます
海外勤務手当(モビリティープレミアム)は、本国を離れて海外で勤務することに対する奨励として支払われます


通常ハードシップ手当は赴任先によって異なりますが、海外勤務手当は赴任先によって金額が変わるものではありません。多国籍企業の中にはこれらの手当を合算して支給している企業もありますが、ほとんどの企業では別々に支給しています。

生活環境の質: 都市のベンチマーキング Quality of Living: City Benchmarking
マーサーの世界生活環境調査(Quality of Living Survey)は、自治体が各都市の世界生活環境ランキングを向上させることが出来る要因を評価する一助となります。グローバル環境において、企業や組織が人材を派遣し、新たなビジネスを立ち上げる拠点の選択肢は豊富にあります。したがって都市の生活環境水準は、企業や組織が考慮する重要な変数であると 言えます。

多くの都市の行政は、市民の生活環境に影響を与え、ランキングに作用する具体的な要因の追求に努めています。マーサーは独自の評価基準により、各都市の多国籍企業と海外派遣者誘致に関する要素改善に対し包括的な助言を行っています。

マーサーが推奨するハードシップ手当
マーサーの調査では、世界450都市において生活環境査定に必要な39の重要項目について評価を実施しており、以下の10カテゴリーに分類されています。

政治・社会環境(政情、治安、法秩序等)
経済環境(現地通貨の交換規制、銀行サービス等)
社会文化環境(メディアの利用、検閲、個人の自由の制限等)
健康・衛生(医療サービス、伝染病、下水道設備、廃棄物処理、大気汚染等)
学校および教育(水準、およびインターナショナルスクールの有無等)
公共サービスおよび交通(電気、水道、公共交通機関、交通渋滞等)
レクリエーション(レストラン、劇場、映画館、スポーツ・レジャー施設等)
消費財(食料/日常消費財の調達状況、自動車等)
住宅(住宅、家電、家具、住居維持サービス関連等)
自然環境(気候、自然災害の記録)

上記の項目スコアは 2都市間で比較することが可能です。「生活環境指数」は、2都市間の相対的差異を比較するための指数となっています。生活環境指数を実際に適用していただくために、マーサーでは生活環境指数の結果からハードシップ手当相当額を算出するための割合を参照いただける表(grid)をご提供しております。

詳細および、レポートのお申込みにつきましては、プロダクト・ソリューションズ (電話:03-6775-6521)もしくは mobility.japan@mercer.com までご連絡下さい。

* 「世界生活環境レポート」(以下、レポート)に含まれるデータは情報提供を目的としたものであり、多国籍企業や政府機関が使用することを前提としています。対外投資や観光産業の基盤として使用されることを目的とはしていません。マーサーは、レポートに基づいて取られたいかなる決定や行為およびそれに伴う結果についても責任を負いません。レポートは信頼性があり正確だと考えられる情報やシステムに基づいて作成されていますが、現状有姿で提供されるものであり、レポートの編集に使われた出典やデータの妥当性、正確性などについてマーサーが法的責任を負うものではありません。マーサーとその関連会社はレポートに関する説明および保証を一切せず、特定の目的に対する品質、精度、適時性、完全性、市場性、および適合性を含むいかなるものに対しても、特別な黙示の法的保証をいたしません。

■国際人世界生活環境レポート:
https://www.mercer.co.jp/about-mercer/lines-of-business/information-solutions/quality-of-living-international.html
■日本人世界生活環境レポート (Quality of Living)
https://www.mercer.co.jp/about-mercer/lines-of-business/information-solutions/quality-of-living.html
■よくある質問集:世界生活環境レポート
https://www.mercer.co.jp/about-mercer/lines-of-business/information-solutions/quality-of-living/question-and-answer.html
■マーサー ジャパン - サービス概要:プロダクト・ソリューションズ
https://www.mercer.co.jp/about-mercer/lines-of-business/information-solutions.html
■Quality of Living City Rankings 2019 (Global Site)
https://mobilityexchange.mercer.com/Insights/quality-of-living-rankings

※ 以下の都市ランキングは「上位10位、下位10位の表」のみ複製利用を許諾しております。事前にマーサージャパン広報へのご連絡をお願いいたします。
全ランキング(都市ランキング)は下記フォームへの入力後ダウンロード可能です。

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マーサー 2019年世界生活環境調査(Quality of Living Survey)‐都市ランキング






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