「森永乳業ビフィズス菌通信 Vol.3」ビフィズス菌は、お母さんからのファーストプレゼント 赤ちゃんからはじめる“腸活”のための豆知識 小さく生まれた命を支える森永乳業独自の取り組みも

2021/07/29  森永乳業 株式会社 

第3弾は、「赤ちゃんの腸内環境とビフィズス菌」がテーマです。

近年、ビフィズス菌をはじめとする腸内細菌と全身のさまざまな疾患との関連性について、世界中で研究が進められており、なかでも大腸の腸内環境を整えることは全身の健康につながると重要視されています。


森永乳業は50年以上にわたり、ビフィズス菌や腸内フローラの研究に取り組んでいます。ヒトにすむビフィズス菌の研究論文では、世界1位※1の論文数を公開しており、また、森永乳業のビフィズス菌はこれまでに世界30ヶ国以上で使用実績があります。これからもビフィズス菌の研究で得た知見や成果を、皆さまの健康にお役立ていただけるよう、発信していきます。
 ※1 メタジェン調べ…2019年時点、医薬文献DBにおいて企業による研究論文数で世界1位

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 https://prtimes.jp/a/?f=d21580-20210728-98e05d28c254a3d405b33275cacf1e23.pdf



■夏は、新しい命との出会いが多い季節
梅雨が明けると、いよいよ夏も本番。ウェザーニュースの発表によると、2021年も7~9月は全国的に広範囲で平年並みか、それよりやや暑い夏になる見通しです。まだまだマスクが外せない中で、今年の夏はますます暑さを実感することになるかもしれません。
そんな夏の時期は、日本においては赤ちゃんの出生数が多い時期でもあるのです。厚生労働省の人口動態調査によると、7~9月の出生数が多い※2傾向が見られ、新しい命に出会える嬉しい季節とも言えるかもしれません。
 ※2厚生労働省、「人口動態統計特殊報告(平成17年度)」

■赤ちゃんを守る大事な存在「ビフィズス菌」
 生まれたばかりの赤ちゃんは自力で栄養を摂ることができません。しかし身体が未発達でありながらも、生まれた直後から赤ちゃんひとりひとりが個別の腸内細菌叢を築いていくのです。赤ちゃんがお母さんのお腹に宿ってから2歳ごろまでの「最初の1000日」は、その後の成長や発達に大きな影響を及ぼすことから、この時期の正しい腸内環境づくりが重要視されています※3。
※3 Ruairi C. et al., Cell 2019

 腸内環境の形成において、特に頼もしい存在がビフィズス菌です。
ビフィズス菌は「短鎖脂肪酸」の一種である酢酸を作り出し、大腸 【離乳食開始前の腸内のビフィズス菌割合】   

内の悪玉菌の増加を抑えるとともに、腸のバリア機能を高める
働きをします。生まれて間もない赤ちゃんのウンチが臭くなく、少し酸っぱいニオイがするように感じるのは、短鎖脂肪酸のためだと言われます。
また、ビフィズス菌は、離乳期前の赤ちゃんの腸内細菌の過半数を占めるほど、赤ちゃんのお腹の中に多く棲んでいます。ビフィズス菌はこういった作用によって、生まれたばかりのか弱い赤ちゃんの健康を守る良好な腸内環境づくりに大きな役割を果たしているのです。
 では、ビフィズス菌は一体いつから赤ちゃんのお腹に存在しているのでしょうか。実はビフィズス菌は、出生時にお母さんから赤ちゃんへ受け継がれる、言わば「母から子へのファーストプレゼント」と言われています。大腸では数百種類、約40兆個と言われる腸内細菌が「腸内フローラ」というものを形成しています。赤ちゃんは生まれる際に、産道などでお母さんの持つビフィズス菌をはじめとする腸内細菌に触れ、自分のものにすると考えられています。受け継がれたビフィズス菌は、母乳に含まれるオリゴ糖をエサに増殖し、赤ちゃんの腸内細菌の中で最優勢の菌として、お腹に棲むようになります。

■日本で増加する、低体重で生まれる赤ちゃん         【日本における低出生体重児の割合】

 近年、日本では赤ちゃんの出生数が低下傾向にありますが、出生時の平均体重も減少しています。40年間で男女ともに約200g減っており、「低出生体重児」と呼ばれる2500g未満で生まれた赤ちゃんの割合も増加しています。2005年頃からは9%台中盤で横ばいが続いています。低出生体重児は、早産などにより身体の発育が未熟のまま生まれた乳幼児であるため、出生後にも医療的ケアが必要になることも少なくありません。


■低出生体重児とビフィズス菌
 低出生体重児の中でも、出生時の体重が1500g未満の極低出生体重児や超低出生体重児は、特に身体が未発達のため、腸内でのビフィズス菌などの善玉菌の定着が遅れがちです。それは、大腸菌や黄色ブドウ球菌などの悪玉菌が増えてしまうことにもつながります。
 そこで森永乳業では、独自の機能性素材である「ビフィズス菌M-16V」を大学病院との共同研究に使用し、低出生体重児として生まれた赤ちゃんたちの感染症や発育に及ぼす影響について調査をしました。その結果、赤ちゃんへのビフィズス菌の投与によって、感染症の発生率が抑えられ、分娩予定日の体重が増えたことに加え、入院期間も短くなったことが示されました。また、体重1000~2000gの赤ちゃんにビフィズス菌を投与したところ、投与していない群では4週目までビフィズス菌の検出率が20%程度であったのに対し、投与した群では2週目からビフィズス菌の検出率が100%となり、大腸内の環境改善が確認されたのです。

【ビフィズス菌投与が低出生体重児に及ぼす影響】


■NICUで活躍するビフィズス菌
 リスクが高い状態で生まれてきた赤ちゃんは、通常NICU(新生児集中治療室)と呼ばれる救急施設でケアが行われます。赤ちゃんに極力ストレスを与えないよう、細心の配慮のもと静かであたたかく、刺激が少ない環境が用意されています。1000g未満で生まれた赤ちゃんも、3~4kgに成長するまで安全に過ごし、元気に退院していくための大事な施設です。 [テキスト ボックス: =1包] そんなNICUでもビフィズス菌は活躍しています。森永乳業では全国140以上のNICUや小児科へビフィズス菌を提供しており、多くの赤ちゃんの健全な成長を支えています。ビフィズス菌を積極的に赤ちゃんの大腸へ届け、赤ちゃんの腸内環境を整えることで、様々なリスクケアや身体の成長・発達に役立てていただいているのです。2012年からはオーストラリアや諸外国のNICUでも使用されるようになりました。そして世界中の赤ちゃんの健康を支えています。

【ビフィズス菌M-16V直近の提供実績(包)】





■赤ちゃんのうちからビフィズス菌への意識を
 大腸内でのビフィズス菌の割合は、一生のうちでも、赤ちゃんの時期が最も高くなります。ビフィズス菌は赤ちゃんの大腸を守る心強い味方です。お母さんのビフィズス菌をしっかり赤ちゃんに届け、生まれて間もない赤ちゃんを健全に発育させていくためにも、妊娠中からビフィズス菌を意識的に摂るなど、赤ちゃんに向けた「腸活」を心がけてみてください。


            ~ 知っているようで知らないビフィズス菌のはなし ~
          『日本人特有?!ビフィズス菌はお風呂で家族にシェアされる』

【家族の腸内フローラは似ている?】
 これまでビフィズス菌は、お母さんの産道で赤ちゃんに受け継がれる(母子伝播)ものと考えられてきました。しかし、実はお風呂の中でも他の家族と菌の伝播が行われている可能性が、2019年に論文として発表されました。
 家族一緒に入浴している家族の、入浴後の浴槽水を調べたところ、なんと生きたビフィズス菌が見つかったのです。そのビフィズス菌の遺伝子情報を分析すると、入浴していた親子の大腸に棲んでいるビフィズス菌と同一であると考えられました。
 次に、子どもと両親が一緒に入浴する家族と、別々に入浴する家族の腸内細菌を比較してみると、一緒に入浴する家族の方が、家族間でビフィズス菌を含む多くの種類の腸内細菌を共有していることがわかったのです。
 お母さんからのファーストプレゼントと考えられていたビフィズス菌が、実はお父さんやほかの家族とも同じ菌を分け合っている可能性がでてきました。入浴習慣のある日本ならではの、大変興味深いビフィズス菌の共有方法です。
【家族間による共通の腸内細菌の保有】


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