国内の空き家問題やインバウンドの宿泊課題を解決し、地方活性化を推進 IT化が進んでいない簡易宿所業界のDXを後押しする『エアテラス』の提供開始

2024/06/26  株式会社 No.1 


株式会社No.1(本社:東京都千代田区、代表取締役:辰巳崇之、東証スタンダード:3562、以下当社)のグループ会社である株式会社No.1デジタルソリューション(以下 NDS)が提供する簡易宿所の運用代行サービス「エアテラス」が、1年間のテストマーケティングを経て、2024年7月1日よりサービスの提供を開始いたします。

【国内の空き家問題】

国土交通省が発表した「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」によると、1988年から2018年の20年間で空き家総数は約1.5倍、「その他の空き家」の数は約1.9倍に増加しています。また、住宅ストック(既存の建物で売りに出されている住宅)の住宅総数に対する空き家率は、9.4%から13.6%に増加しています。

このような状況を鑑み、NDSは簡易宿所(※1)の運用代行サービス「エアテラス」を提供し、全国各地の人気観光地を対象に、マンション・別荘・戸建て住宅などの空室を宿泊施設として運用し、物件オーナー様が空室物件を維持しながら収益を得られるよう、宿泊管理業務のIT化を代行いたします。

(出典:国土交通省 空き家政策の現状と課題及び検討の方向性 2024年3月29日より)

(※1)簡易宿所とは
簡易宿所は、宿泊する場所を多数人で共用する構造および設備を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業のものをいいます(ペンション、ユースホステルなど)。
同じく住宅を利用する「民泊サービス」の場合は、民泊新法(住宅宿泊事業法)により年間の運営可能日数が180日以内と定められていますが、簡易宿所は旅館業法の許可を取得しているため、普通のホテルと同じように365日運営することが可能です。

【簡易宿所の運用代行サービス「エアテラス」とは】

「エアテラス」は、NDSが新たに開始した簡易宿所の運用代行サービスです。全国各地の人気観光地を対象に、マンション・別荘・戸建て住宅などの空室を宿泊施設として運用し、物件オーナー様が空室物件を維持しながら収益を得られるよう、宿泊管理業務をIT化により代行する新ビジネスです。
NDSが開発したオールインワンの独自システムにより、立ち上げ支援からオンラインによる運用代行まで、ワンストップでのサービス提供が可能。これまでIT化が遅れていた簡易宿所業界へ向けてDXを推進することにより、空き家問題やインバウンドの受け皿問題が速やかに解決され、新たなビジネスとして地方を活性化させます。

【エアテラスの名称の由来】

NDSでは、フルマネージドクラウドサービス「デジテラス(※2)」を代表とする「~テラス」が名称に付く独自ブランドを、多彩なラインナップで展開中です。
「エアテラス」は、“実体のない”または“仮想的”の意味である「エア」と“明るい未来を照らす”意である「テラス」をつなげた新名称。弊社ブランドの一つとして広く認知され、たくさんのお客様にご利用いただけるよう積極的に事業展開してまいります。

(※2)デジテラスとは
NDSが提供するフルマネージドクラウドサービスで、オラクル社が提供する「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」をベースに構築され、24時間365日の有人によるシステム監視および運用代行サービスから構成されています。クラウド運用のアドバイスから、クラウドの構築代行・移行支援、運用設計・監視・障害時の対応までお客様のITインフラをワンストップで総合的にサポートしています。

*Oracleは、Oracle Corporation、その子会社及び関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。

【簡易宿所へのDXで生まれた「エアテラス」のメリット】

1.IT化による新たなビジネスモデルの創造と事業展開に期待
DXにより宿泊施設の予約管理や運営プロセスが効率化されることで、オンラインによるサービスの運用が可能となります。それにより、手作業業務の削減や人的ミスも減少し、労働力不足も解消します。
またスムーズな検索、予約、利用により、顧客体験の向上と満足度が増加。さらに高度なデータ収集と分析によって、戦略的なサービスへの取り組みが可能となり、全国に向けた事業展開にも期待できます。

2.インバウンド増加による宿泊施設不足を解消
簡易宿所は個人の物件のため、ホテルや旅館とは異なる宿泊体験ができ、観光客に対して地元の生活や文化に触れる機会をより多く提供できます。さらに、インバウンド増加により、ホテルや旅館の受け入れが限界に達しても、簡易宿所が新たな宿泊先として確保可能となります。

3.空き家問題を解決し、物件の有効活用で収益を生む
放置されている空き家の増加問題については、全国的に深刻化しています。空き家を放置していると税金や維持費がかかるばかりで、建物の老朽化も防げません。そこで、空き家を宿泊施設として活用すれば、収益が発生するうえ、建物の維持も可能になります。   
「エアテラス」では、物件オーナー様から空き家をご提供いただき、宿泊施設としての立ち上げ支援から、OTA(※3)への登録、清掃手配などを含む運用・保守に至るまで、ワンストップでトータルにサポートいたします。

(※3)OTAとは
OTAとは、「Online Travel Agency」の略で、オンラインだけで旅行に関する手配を完結させる旅行会社のこと。

4.地域活性化と地域経済への貢献
簡易宿所の普及で地域に新たな観光客を呼び込み、地元の人々との交流が促進されることで地域の魅力が再発見され、地域活性化につながります。
また観光客によって地域の小売店や飲食店への利用が増えると、周辺産業にも利益が生じ、地域経済への貢献が見込まれます。

【簡易宿所が注目される社会的背景】

国土交通省観光庁によると、観光立国の実現に関する基本的な計画として新たな「観光立国推進基本計画」が2023年3月31日に閣議決定され、2025年までに目指すべき目標が以下のとおりに設定されました(※4)。

◆インバウンド回復の目標
・訪日外国人旅行者一人当たり地方部宿泊数:2025年までに2泊(2019年実績:1.4泊)
・訪日外国人旅行者数:2025年までに3,188万人以上(2019年実績:3,188万人)

◆国内交流拡大
・日本人の地方部延べ宿泊者数:2025年までに3.2億人泊(2019年実績:3.0億人泊)

また、国土交通省住宅局によると、「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」が2023年12月13日より施行され、「特定空家(そのまま放置すると倒壊等の恐れがある状態)」に加え、「管理不全空家(窓や壁が破損しているなど、管理が不十分な状態)」についても、市区町村の指導・勧告対象となりました。
これにより、「特定空家」や「管理不全空家」として指導を受け、さらに勧告を受けた場合、固定資産税等の軽減措置(住宅用地特例)の適用が認められなくなります。
このような政府の計画や法改正により、国内の宿泊施設不足と空き家問題がさらに注目されており、空き家を有効活用できる簡易宿所への需要が急増すると予想されます。

(※4):国土交通省観光庁「観光立国推進基本計画」の目標について
コロナ渦前の2019年の水準を超えることが目標とされています。

【NDSが市場参入を決断した背景と動機】

NDSは、No.1グループのなかでもITソリューションに特化した組織であり、クラウドシステムを中心としたDXの推進により、企業の課題解決やビジネスの拡大に貢献しております。
これまで、建築業界や福祉業界など、さまざまな業界でDXの実績を積み重ねてまいりましたが、旅行業界に注目し始めたきっかけは、OTAの急速な普及でした。現在の旅行業界では、OTAの台頭が著しく、24時間365日、オンラインでの手続きだけで世界中の観光商品の手配が可能となっているため、その利便性から訪日外国人や若年層の利用者が増えています。
弊社はこのOTAのシステムと、全国に広がる簡易宿所の運用サービスとの相性の良さに注目し、今なおIT化が進んでいない簡易宿所業界の運用にDX事業で参入することで、一つのビジネスモデルを発案。さらなるサービスの拡大を見込み、新事業の立ち上げを企画しました。
そこで、これまでクラウド事業で積み重ねた実績と高度な専門知識、そして先端技術を駆使したオールインワンの独自システムを開発し、さらに青森市の顧客物件と弊社の物件をフラッグシップとして、1年間のテストマーケティングを実施。さまざまな改善点を克服し、新事業としての展開が実現可能と確信したため、この度、運用を本格的にスタートさせる運びとなりました。

【今後の展開について ~観光地への展開および震災復興・地方活性化への貢献】

現在、日本国内で最も観光客を集客しているイベントは青森県の「ねぶた祭」を代表とする東北四大夏祭りです(※5)。NDSでは、この人気の東北四大夏祭りのなかでも「ねぶた祭」に焦点を当て、開催地である青森市に簡易宿所となる物件を準備。NDS直営のフラッグシップ物件も含めてサービスを開始し、2024年7月1日時点では、20軒ほどに増加しております。
今後は観光客が集中する首都圏や、訪日観光客にも人気の静岡県熱海市周辺などでも運用物件の拡大を促進し、運用代行サービスの全国展開に向けて積極的に取り組んでまいります。
また震災復興を進めている能登・金沢といった地域など、町の建設に関わる建設業者向けの宿泊施設を提供することで、復興支援に寄与するとともに、復興後も継続利用されることで地方経済の活性化にも貢献できることから、新たなニーズのある地域を積極的に探求してまいります。

(※5):東北四大夏祭りについて
阪急交通社による2022年および2023年7月1日~9月30日開催の夏祭りツアー申込者数をもとに集計した「日本の夏祭りランキング」では、東北四大夏祭り(青森ねぶた祭、秋田竿灯まつり、山形花笠まつり、仙台七夕まつり)が2年連続1位。

・サービスの問い合わせ窓口
株式会社No.1デジタルソリューション
03-5843-5601
・サービスに関するサイトURL
https://www.airteras.com/

【会社概要】






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