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スライド型枠を利用した「Smart Lining System(TM) Type 2」を開発

2024/05/22  飛島建設 株式会社 

スライド型枠を利用した「Smart Lining System(TM) Type 2」を開発

-コンクリート吹付け時間の短縮と粉じん・はね返りの低減を同時に実現-

2024年05月22日

飛島建設株式会社(東京都港区:代表取締役社長 乘京正弘)、株式会社エム・シー・エス(山梨県韮崎市:代表取締役社長 河西哲夫)、株式会社すばる建設(埼玉県三郷市:代表取締役社長 稲村隆浩)、および、岐阜工業株式会社(岐阜県瑞穂市:代表取締役 宗像国義)は、山岳トンネル建設工事の施工サイクルタイムの短縮による生産性の向上、坑内環境の改善、材料ロスの低減を目的に開発した専用把持型枠方式のSmart Lining System(TM)(図1)を改良し、スライド型枠併用吹込み方式による一次支保工構築工法「Smart Lining System(TM) Type 2」(図2)を開発しました。


図1 Smart Lining System(TM)把持型枠方式


図2 Smart Lining System(TM) Type2用スライド型枠

Smart Lining System(TM) Type 2開発の背景と概要

山岳トンネル建設工事においては、工期短縮やコスト低減を目的に施工サイクルタイムの短縮が望まれており、吹付けコンクリート施工時間の短縮が注目されています。一方で、吹付けコンクリートの粉じんやはね返りによる材料ロスの増加や坑内環境の悪化への対策も求められています。
これらの課題を解決するために、2021年に型枠併用吹込み方式一次支保工構築工法「Smart Lining System(TM)」を開発しました(2021年7月7日リリース)。
この工法は、地山に直接コンクリートを吹付ける従来工法(図3参照)に対し、コンクリート吹付け仕上がり面位置に専用型枠をセットし、地山と専用型枠との間にコンクリートを吹込むことにより(図4参照)、従来の吹付けコンクリートに対して、はね返りと粉じんの発生を大幅に抑制できる工法です。
本工法を実際のトンネル工事に適用した結果、コンクリートの吹込みなど一連の作業が実施でき、本工法の有用性は確認できたものの、品質の安定や型枠の盛替え作業に労力と時間を要するなどの課題を残していました。


図3 吹付けコンクリート(従来)施工イメージ 図4 Smart Lining System(TM) 施工イメージ


図5 Smart Lining System(TM) Type 2施工イメージ

今回これらの課題を解決するために新たに開発したものが型枠バイブレータを備えたトンネル上半断面対象のスライド型枠を利用して吹込む「Smart Lining System(TM) Type 2」です。
この新たな工法は、型枠バイブレータにより充填性と密実性を向上させるとともに、上半断面全体を覆うスライド型枠を利用することで、専用把持型枠の盛替え作業における労力や時間の削減が見込まれるものです。

工事への適用

本工法の実証実験として、令和2年度北勢BP坂部 トンネル工事(発注者:国土交通省中部地方整備局)の一部区間<施工スパンは4スパン(1スパン1m)、上半を対象とし上半高さ5.4m、幅13.4m>において、Smart Lining System(TM) Type 2を適用しました。
適用の結果、従来の吹付けコンクリートに比べ、粉じん、および、はね返りの大幅な低減が確認できました。
特に、一般的な吹付けコンクリートでは20~25%程度と言われているはね返りについては概ねゼロとなりました。また、スライド型枠を使用していることから上半部全周での仕上がりは平滑であり、今後内側に施工される覆工コンクリートへの拘束の低減が期待できます。さらに、従来のSmart Lining System(TM)に比べ、型枠バイブレータを備えたスライド型枠により、隅々まで充填した密実なコンクリートを型枠盛替えの労力や時間を要することなく構築することが可能となりました。
一方で、今回の現場適用では、スライド型枠の所定位置へのセットを手動測量と人力作業で実施したことからスライド型枠のセットに時間を要する結果となり、全体の施工時間を増加させるという新たな課題が残りました。


図6 実施状況と仕上がり

今後の展望

今後は、本工法の山岳トンネル建設工事への本格適用に向けて、スライド型枠のセット方法の改善や自動測量の導入などにより、設置時間の短縮について改善を進め更なる施工性の改善に取り組んでまいります。

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