日本産業規格(JIS)を制定・改正しました(2024年6月分)

2024/06/20  経済産業省 

日本産業規格(JIS)を制定・改正しました(2024年6月分)

2024年6月20日

経済産業

JISは、製品やサービスの品質などを定めた国家規格であり、社会的環境の変化に対応して、制定・改正を行っています。経済産業省では、今月制定・改正したJISについてお知らせします。

1.日本産業規格(JIS)とは

日本産業規格(JIS:Japanese Industrial Standards)は、産業標準化法(JIS法)に基づく国家規格であり、製品、データ、サービスなどの種類や品質・性能、それらを確認する試験方法や評価方法などを定めています。

JISは、製造事業者やサービス事業者が、品質の良い製品やサービスを生産・提供することや、消費者等が、品質の良い製品やサービスを入手・利用すること等のために用いられています。
経済産業省を含む関係府省では、技術の進歩や社会的環境の変化等を踏まえ、必要に応じて、JISを制定・改正しています。

JISの制定・改正は、経済産業大臣等の主務大臣により、日本産業標準調査会(JISC)※1での審議・議決を経て行われます。(認定産業標準作成機関※2が作成したJIS案については、同調査会の審議を経ずに主務大臣が迅速に制定・改正を行います。)

※1 JIS法に基づき経済産業省に設置されている審議会
※2 JIS法に基づき主務大臣の認定を受けた、迅速かつ安定的な標準化活動に関する専門知識及び能力を有する民間機関

2.今回のJISの制定・改正内容

今回、経済産業省では、4件の制定及び15件の改正を行いました。
制定・改正したJISのうち、認定産業標準作成機関がJIS案を作成したものは、改正10
件(一般社団法人日本鉄鋼連盟)となります(資料1)。
以下、今月、制定・改正したJISのうち、3件を紹介します。

なお、以下の(2)は、新市場創造型標準化制度の活用による制定です。
この制度の概要は、こちらを参照ください。

(1)窓ガラス及び窓シャッターに関する暴風雨対策のためのJISを整備(JIS A 4717及びJIS R 3109)

近年、台風の大型化等による暴風雨の増加により、窓ガラスに飛来物が衝突し、破損する等の甚大な被害が生じています。その対策として、窓ガラスを合わせガラス※3にしたり、窓シャッターを設置する例が増えています。
今般、暴風雨の際に、窓ガラス及び窓シャッターに飛来物が衝突した場合の性能評価について、起き得る事象の再現性を高めるために試験方法を改正するとともに、窓ガラスと窓シャッターを対象とするJISにおいて、その手法を統一化しました。また、窓シャッターについては、要求される基本性能及びそれらを評価するための試験方法等について、新たにJISを制定しました。
これにより、建材メーカーにおいて、暴風雨対策等に資する製品の開発・普及や、品質の向上が図られることが期待されます。また、住宅メーカー、施工業者及び消費者等において、必要とされる耐風圧性や飛来物が衝突した際の耐久性能などに応じた製品の選択が可能となります。これらを通じて、自然災害に強い住宅の普及に繋がることが期待されます(資料2)。

※3 2枚の板ガラスの間に合成樹脂の中間層を挟み込んで圧着したガラス


合わせガラスの例(出典:一般社団法人板硝子協会)


住宅用窓シャッターの例(出典:一般社団法人日本サッシ協会)

(2)微粒フェロニッケルスラグに関するJISを制定(JIS A 5016)

鉄とニッケルとの合金であり、ステンレス鋼の原料となるフェロニッケルを製錬する際に、発生が避けられない微粒粉(微粒フェロニッケルスラグ)は、従来、工事で掘削した地面を埋め戻すための材料として用いることに用途が限定されていたため、その活用が十分に進んでいませんでした。
今般、地盤改良材料などの新たな用途での微粒フェロニッケルスラグの活用を推進すべく、微粒フェロニッケルスラグの品質やその試験方法などに関するJISを制定しました。
これにより、微粒フェロニッケルスラグの品質に対する信頼性が高まり、資源の有効活用に資するとともに、公共工事での利用など、新市場の創出も期待されます。また、従来のセメントに代わって、建築・土木工事における軟弱地盤の改良に用いられた場合、工期の短縮、コストやCO2排出量の削減に資することも期待されます(資料3)。

微粒フェロニッケルスラグの外観 出典:日本冶金工業株式会社

用途が決まっていない微粒フェロニッケルスラグ集積場 出典:日本冶金工業株式会社

宅地・道路造成の実証施工の様子 出典:前田建設工業株式会社

(3)情報セキュリティ対策に関するJIS改正(JIS Q 27002)

情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)では、情報セキュリティ管理策(「マルウェア対策」や「データのバックアップの取得や管理」「アクセス制限」などの対策)を決定し、実施することが求められます。情報セキュリティ管理策を規定する国際規格であるISO/IEC 27002が2022年に改訂されたことを受けて、対応するJISであるJIS Q 27002を改正しました。
情報セキュリティ管理策に係る最新の国際規格とJISの整合が図られることにより、多様化する脅威に対するサイバーセキュリティ対策、クラウドサービスの利用、リモートワークの普及など、情報セキュリティを取り巻く技術や環境の変化への対応が可能となり、我が国の情報セキュリティの向上に一層寄与することが期待されます。(資料4)。

3.各規格のお問合せ先について

今回制定・改正された各規格の詳細についてお問合せされる場合は、資料1に記載された担当課にメールにてお問合せください。その際は、御氏名、御所属(企業からのお問合せの場合)、御連絡先を明記して頂くようお願いします。

4.過去のニュースリリース

日本産業規格(JIS)制定・改正関連のリリースはこちらを御覧ください。

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担当

  • 本発表資料のお問合せ先

    産業技術環境局 基準認証調査広報室長 小嶋
    担当者:小島
    電話:03-3501-1511(内線3421~3422)
    メール:bzl-kijun-Koho★meti.go.jp
    ※[★]を[@]に置き換えてください。
  • 規格のお問合せ先

    産業技術環境局 国際標準課長 西川

    担当者:(1)田中、関野、松本、若林
    (2)田中、関野、薄井

    電話:03-3501-1511(内線3423~3427)
    メール:bzl-s-kijun-ISO★meti.go.jp

    ※[★]を[@]に置き換えてください。

    産業技術環境局 国際電気標準課長 武重
    担当者: (3)前場、高橋(貴)、和田
    電話:03-3501-1511(内線3428~3429)
    メール:bzl-s-iec★meti.go.jp
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