サステナブルペーパー「モルトペーパー」を開発、テスト展開開始

2021/10/18  アサヒグループホールディングス 株式会社 

ビールや麦茶の製造工程で発生する「焙煎麦芽粉砕物」を紙にアップサイクル

アサヒグループの外食事業を担う「なだ万」「アサヒフードクリエイト」でランチョンマットやコースターに活用


アサヒグループホールディングス株式会社(本社 東京、社長 勝木敦志)は、ビールや麦茶の製造工程で発生する「焙煎麦芽粉砕物」を原料として活用した紙「モルトペーパー」を山陽製紙株式会社※1と共同開発しました。
2021年10月下旬から、アサヒグループの外食事業を担う株式会社なだ万とアサヒフードクリエイト株式会社の店舗でランチョンマットやコースターに加工して活用します。老舗日本料理店「なだ万」ではレストラン事業として展開する全国23店舗でランチョンマットや献立用紙に、「アサヒフードクリエイト」では4店舗でコースターに活用します。
テスト展開として各店舗で使用感や機能性を確認し、将来的には、オリジナルのサステナブルペーパーとして、名刺や封筒、製品段ボール、ギフトケースなどのへの活用を検討し、持続的な事業に発展させることを目指します。

焙煎麦芽粉砕物とは、黒ビールや麦茶を製造する際、麦芽を焙煎する工程で裂けてしまうなど規格外となり使用できなくなったものです。アサヒビールモルト株式会社※2で発生する麦芽粉砕物は現在飼料として活用されていますが、より付加価値の高い活用を目指し、紙の原料としてアップサイクルさせる仕組みを開発しました。
開発にあたっては、山陽製紙が焙煎麦芽粉砕物を粉砕し、牛乳パック由来の再生パルプにすき込み、和紙のような上品で高級感ある見た目と手触りが感じられる紙に仕上げました。表面は家庭用のプリンターでも印刷できるよう平滑で、裏面は自然な風合いが感じられる手触りとなっています。厚紙と薄紙を作製し、厚紙はコースターに、薄紙はランチョンマットと献立用紙に加工しました。それぞれに「モルトペーパー」のロゴをデザインしています。

なだ万では、なだ万オリジナルの山茶花のデザインと「モルトペーパー」のロゴを配したランチョンマットなどを使用することで、料理を引き立てるとともに、アサヒグループのサステナブルな取り組みを訴求します。アサヒフードクリエイトではコースターを使用します。

アサヒグループでは、これまでビールをはじめとする製品の製造工程で発生する様々な廃棄物や副産物を利用して、新たな価値提案をし、循環型社会の構築を目指してきました。今回、「モルトペーパー」を展開することで、廃棄物削減に取り組むだけでなく、資源を有効活用するアップサイクルを通して持続可能な社会の実現に貢献し、アサヒグループが掲げる“楽しい生活文化の創造と期待を超えるおいしさ”を目指します。

※1:製紙メーカー。オフィスで排出される不用なコピー用紙を回収しアップサイクルを行う事業や、廃棄される梅の種やビールの大麦粕、コーヒー粕などを炭にしてすき込んだ紙などオーダーメイドな紙づくりをはじめ、環境に配慮した取り組みを展開しています。また、工場の電力は再生可能エネルギーを使用するなどサステナブルな取り組みに注力しています。
https://www.sanyo-paper.co.jp/
※2:アサヒビールのグループ会社で、麦芽や麦茶の製造販売ならびにモルトエキスなどの食品原料の販売を行っています。
http://www.asahibeermalt.co.jp/

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