小児がん経験者を対象とした大学等進学ための給付型奨学金『ゴールドリボン奨学金』 2023年春入学生を募集開始                 

2022/05/18  特定非営利活動法人 ゴールドリボン・ネットワーク 

~経済的困難にある小児がん経験者の『学び』を支援~

認定NPO法人ゴールドリボン・ネットワーク(理事長:松井秀文)は、大学等進学を目指す小児がん経験者を対象とした「はばたけ!ゴールドリボン奨学金」の第9期(2023年春入学)奨学生の募集を、6月1日に開始します。


1.「はばたけ!ゴールドリボン奨学金」とは
大学・短大・専門学校への進学を目指しているにもかかわらず、経済的理由により修学困難な小児がん経験者への支援を目的とした返還不要の給付型奨学金で、月額4万円を卒業まで支援します。

2.募集内容
2022年6月1日~10月14日の期間で募集を行い、選考のうえ決定します(10名程度)。18歳未満でがんを患った、進学を目指す高校3年生の現役および既卒者を対象とします。

3.小児がん経験者のための奨学金制度の背景
日本では、年間約2,000人~2,500人の子どもが小児がんと診断されています。医療の進歩により5年生存率は70~90%までになりましたが、治療を終えた小児がん経験者の約半数が晩期合併症(成長途中の身体への放射線や化学療法などの治療の影響で起こる後遺症)を持ってその後の人生を生きるため、進学、就職や自立などに困難が生じています。奨学生の中には、幼少時に小児がんを患って入院・治療を経て寛解したものの、治療の後遺症による疾患を一生抱えることになり、毎月2回通院しながら学んでいる学生がいます。
また、小児がんの子どもを持つ世帯は、長期入院治療に付添うために親が離職せざるを得なかったり、家族が分離・離婚となる割合が高く(当法人の現在までの奨学生のひとり親世帯は78%)、経済的に困難な状況に陥りがちです。なお、本奨学金開始以降の奨学生世帯の平均収入は234万円です。
さらに、2020年からの新型コロナウィルス感染症拡大も小児がんの子どもを持つ世帯に経済的打撃を与えています。

そこで、私ども認定NPO法人ゴールドリボン・ネットワークは、小児がん経験者への予約採用型(入試前に採用を「予約」し、合格することで決定)、かつ返還不要の給付型奨学金制度を実施しています。小児がん経験者が、経済的理由で進学をあきらめることのないよう、今後も子どもたちの進学の夢とその先の自立を後押しし、小児がん経験者が抱える社会的課題の解決に取り組んでいきます。



【本リリースに関する問い合わせ先】
認定NPO法人 ゴールドリボン・ネットワーク (設立:2008年)
担当(鵜飼、山崎)
所在地:東京都豊島区西池袋2-21-8-204
TEL:03-5944-9922    E-mail:npo@goldribbon.jp
WEBサイト:https://www.goldribbon.jp/

<資料>
奨学生数および奨学金給付額の推移(累計)
2015年の制度開始以降、奨学生数及び奨学金給付金額は増加を続けています。特に2020年以降は、新型コロナウィルス感染症の影響で応募者数が急増。第8期(2022年度)奨学生は新たに採用された新入学の14名と継続を含めて40名(全学年合計)となり、奨学生累計数は83名、奨学金給付額は2021年12月末時点の累計で80,640,000円となっています。


ゴールドリボン奨学生 
「理学療法士になるために専門学校で勉強しています。17歳で胚細胞腫(小児脳腫瘍)を発症し、当時1年間休学して入院・手術・治療を行いました。私には体温調整がうまくできない、疲れやすいなどの晩期合併症(後遺症)があるため、学業とアルバイトの両立をすることが体力的に困難です。そのような状況で給付型の奨学金は非常に助かっています。奨学金は主に専門学校の授業料に充てています。
 自分が病気の急性期に寝たきりの状態になり、初めて立ち上がらせてもらった時に本当に感動したことが忘れられず、医療業界に恩返しをしたいと考えるようになりました。病気を経験して夢が見つかったいま、自分も誰かに元気を与えられるような理学療法士になりたいです。」 (Oさん 2022年春進級)







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