こども食堂の運営費に関する調査結果を発表&説明会のご案内 ~「地域のみんなでいくらのお金を回しているのか」を推計しました~

2024/06/27  認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ 

こども食堂の運営費に関する調査報告を発表&説明会のご案内




こども食堂の支援を通じて、誰も取りこぼさない社会の実現を目指して活動する「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(以下、むすびえ)」(事業所:東京都渋谷区、理事長:湯浅誠)は、2023年9月から11月にかけて、こども食堂89団体のみなさまにご協力いただき、こども食堂の直接費用・間接費用、現金・物資寄付など運営費に関する調査を実施し、開催1回あたりにかかる運営費について明らかにしました。

そのうえで、同時期に実施していた第2回全国こども食堂実態調査(https://musubie.org/news/9401/)の結果を用い年間運営費の推計をし、全国に9,132箇所(2023年時点)あることが確認されているこども食堂が、総額いくらで運営されているのか、その社会に与えている影響について試算を行いました。
その結果、2023年時点で全国に9,132箇所あるこども食堂の〈会食による地域交流活動〉は、総額約73億円で運営されているという推計結果となりました。


【調査の背景/目的と進め方】
- こども食堂の運営は、一般的に、金銭や物品の寄付、ボランティアによる稼働など、地域社会から有形無形の支援により支えられている。先行研究(第1回全国こども食堂実態調査等)により、こども食堂の年間運営資金の規模(金額)についてはある程度把握されているものの、物品寄付やボランティアによる労働力の提供については、その実態が把握されていない。
本調査は、これらの金銭的支援、物品による支援、ボランティアによる運営費の全体像を検討するための基礎資料を得ることを目的として実施した。
本調査では、こども食堂運営団体へのアンケート調査を通じて、金銭的支出に加えて、活動に用いられた物品の数・種類、活動に関わった運営者・ボランティアの稼働時間を金銭的価値に換算・合算することで、活動に投じられた運営費を金額という一律の指標で推計した。
また、本調査の結果と併せて、第2回全国こども食堂実態調査、2023年度こども食堂箇所数調査の結果を用いて、全国および各都道府県規模でどの程度の運営費(金額)が投じられているか、その総量の推計を行った。

【調査報告サマリー】
- 2023年時点で全国に9,132箇所あることが確認されているこども食堂の〈会食による地域交流活動〉は、直接費用・間接費用、現金・物資寄付含めて、総額約73億円で運営されているという推計結果となった。また、会食に限らず、現在の全活動(「会食」だけでなく、「お弁当持ち帰り」や「フードパントリー」、「宅配」、「イベント」を含めた全活動)とした場合の総額は約216億円という推計結果となった。
上記に加えて、スタッフ稼働時間を最低賃金で時給換算したマンパワーを含めると全国に9,132箇所あるこども食堂の〈会食による地域交流活動〉を支えている総費用は、約143億円である。また、全活動を支えている総額は、約349億円である。
〈会食による地域交流活動〉の開催1回あたりに必要とされている参加人数規模別の金額(マンパワー(人件費)を除く)は、1~10人: 中央値 5,974円、11~20人:中央値15,349円、21~30人 中央値14,035円、31~50人:中央値25,988円、51~100人: 中央値57,058円、101人~: 中央値87,829円という結果となった。

※各金額の詳細算出ロジックについては調査結果のドキュメントをご覧下さい。

▼ポイントと考察
https://musubie.org/wp/wp-content/uploads/2024/06/musubie_uneihi_Point_240625.pdf

▼調査結果
「こども食堂の運営費に関する調査結果」
https://musubie.org/wp/wp-content/uploads/2024/06/Unneihi_KodomoShokudou_Musubie.pdf

【調査概要】
調査対象:こども食堂の運営代表者(または会計担当者等、回答可能な方)
回答団体数:89団体
調査期間:2023年9月~11月
調査委託会社:みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社
調査方法:規模や頻度を考慮して依頼した現在活動中の89箇所のこども食堂を対象に運営にかかる費用に関する調査を行った。
上記調査結果と、第2回こども食堂実態調査の回答結果を用いて運営費(年間)の推計を行った。
【こども食堂とは】
地域食堂、みんなの家などという名称にかかわらず、子どもが一人でも安心して来られる無料または低額の食堂。各地で自発的に営まれ、子どもから高齢者までが集うこども食堂は「多世代交流拠点」として地域活性化や貧困対策、高齢者の健康増進などにも貢献しており、制度の裏付けはないが、箇所数は9,132(2024年2月発表。むすびえ、及び地域ネットワーク団体調べ)が確認されている。(参考:全国の小学校は約2万校、中学校は約1万校、児童館は約4,000か所。)
「こども食堂が大事にしていること/これからも大事にしていきたいこと」https://musubie.org/precious/

【認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ】
代表者 : 理事長 湯浅 誠
所在地 : 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5 リンクスクエア新宿16F
設立 : 2018年12月(2021年5月認定NPO法人取得)
むすびえは、ビジョンである「こども食堂の支援を通じて、誰も取りこぼさない社会をつくる。」を実現するために、こども食堂が全国のどこにでもあり、みんなが安心して行ける場所となるよう環境を整え、こども食堂を通じて、多くの人たちが未来をつくる社会活動に参加できるように活動しています。
具体的には、こども食堂の実態を明らかにし普及・啓発する調査研究、各地域のこども食堂ネットワークを支援する地域ネットワーク支援事業、企業・団体とこども食堂支援を行う企業・団体との連携事業を行っています。

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