アドビ、「Adobe Digital Price Index」最新版を発表:2022年4月にオンラインインフレ率が減速する一方で、消費者は出費を控える傾向に

2022/05/17  アドビ 株式会社 

・2022年4月のオンライン価格は前年比2.9%の上昇を記録するも、前月比0.5%の低下 ・アドビが追跡している18の製品カテゴリーのうち半数以上で価格が下落 ・4月のオンライン消費額は778億ドル(約10兆198億6,200万円)で、前月比で52億8000万ドル(約6,804億3,360万円)以上の減少


【2022年5月17日】
Adobe(Nasdaq: ADBE)(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ、以下アドビ)は本日、Adobe Analytics( https://business.adobe.com/jp/products/analytics/adobe-analytics.html )で分析した米国における最新(2022年4月時点)の「Adobe Digital Price Index(DPI)( https://business.adobe.com/jp/resources/digital-price-index.html )」を発表しました。これによると、2022年4月のオンライン価格は前年同月比2.9%増で、過去最高だった3月の同3.6%増から減少、前月比では0.5%減となりました。前年同月比でのオンラインインフレはこれで23か月連続となりましたが、4月の結果はオンラインの価格上昇が鈍化する初期の兆候を示しています。また、DPIが追跡しているカテゴリーの半数以上(18カテゴリー中10カテゴリー)が前月比で価格下落を示しています。

エレクトロニクスは、前年同月比5.2%減(前月比0.9%減)となり、過去12か月で最も低い価格となりました。アパレルは、前年同月比12.3%増でありながら前月比1.7%減となり、前年同月比の上昇率としては全カテゴリー中最も高いものの、最近の高水準(2月:前年同月比16.7%増、3月:同16.3%増)からは後退しています。一方で、食料品は前年同月比10.3%増(前月比1.3%増)、ペット用品は同8.0%増(前月比0.9%増)と、いずれも過去最高を記録し、両カテゴリーにおいては価格上昇ペースが減少していません。

4月のオンライン消費額は778億ドル(約10兆198億6,200万円)で、前年同月比4.5%増、前年同月比12.2%増(710億ドル=約9兆1,497億7,000万円)となり、前年同月比で2桁の増加率を示した1月と2月と比較するとその伸びは鈍化しています。1月のオンライン消費額は前年同月比12.2%増(710億ドル=約9兆1,497億7,000万円)、2月は同15.5%増(670億ドル=約8兆6,342億9,000万円)でした。また、4月のオンライン消費額は前月である3月の830億8000万ドル(約10兆6,962億1,000万円)を下回り、前月比6.8%にあたる52億8000万ドル(約6,804億3,360万円)減少しています。金利の上昇と継続するインフレにより、消費者は耐久財への支出を控えています。

アドビのグロースマーケティング&インサイト担当バイス プレジデントのパトリック ブラウン(Patrick Brown)は、次のように述べています。「消費者の借入コストと経済の不確実性の高まりは、オンラインインフレと消費の両方に影響を及ぼし始めています。一方で、消費者にはデジタルエコノミーにおけるオンラインショッピングの利便性と、パーソナライズされた顧客体験が受け入れられており、Eコマースに対する需要は先月も770億ドル(約9兆9,276億1,000万円)以上の消費をもたらしました。」

DPIは、米国の消費者がオンラインで商品を購入する際の価格を包括的に示した指標です。Adobe Analytics( https://business.adobe.com/jp/products/analytics/adobe-analytics.html )を使用して、エレクトロニクス、アパレル、家電製品、書籍、玩具、コンピュータ、食料品、家具・寝具、工具・ホームセンター用品、家庭用品・園芸用品、ペット用品、宝飾品、医療機器・用品、スポーツ用品、パーソナルケア用品、花・関連ギフト、非処方箋薬、事務用品の18カテゴリーを対象とし、1兆回の小売サイトへの訪問と1億個以上のSKUを分析しています。

2022年4月時点において、DPIが調査している18カテゴリーのうち13カテゴリーで前年同月比の価格が上昇しており、中でもアパレルが突出した上昇率を示しています。一方で、エレクトロニクス、宝飾品、書籍、玩具、コンピュータの5カテゴリーでは値下がりが見られました。

また、前月比では、18カテゴリー中8カテゴリーで値上がりが記録され、一方でエレクトロニクス、事務用品、宝飾品、書籍、家具・寝具、玩具、家庭用品・園芸用品、花・関連ギフト、コンピュータ、アパレルなどの10カテゴリーで値下がりが観測されました。


Adobe Digital Price Index(2022年4月)で注目の商品カテゴリ


エレクトロニクス:価格は前年同月比5.2%減(前月比0.9%減)で、このカテゴリーにおける前年同月比の下落率が2020年11月以来の最大値となりました(2020年10月は前年同月比6.2%減)。エレクトロニクスはEコマースにおける最大のカテゴリーであるため、その価格変動は全体のインフレ率に大きく影響します。





コンピュータ:価格は前年同月比5.7%減(前月比0.7%減)でした。このカテゴリーは、2020年12月に前年同月比が2.9%に上昇した後、一転して16か月連続のデフレとなっています。しかしながら、前年同月比の価格下落傾向は、同カテゴリーにおける2015~2019年の平均水準である9.2%までは達していません。
アパレル:価格は前年同月比12.3%増(前月比1.7%減)でした。このカテゴリーではオンラインインフレが1年以上(13か月)継続していますが、その傾向が弱まり始めている兆候が認められます。2021年11月~2022年3月では、前年同月比の価格上昇率が毎月15.7%を超えていました。
食料品:価格高騰が継続し、前年同月比ベースで過去最高の10.3%増(前月比1.3%増)に達しました。1月の同5.8%増、2月の同7.6%増、3月の同9.0%増に続く記録更新です。食料品は、消費者が実店舗で支払う価格を反映した消費者物価指数(CPI)と同じ傾向を示す唯一の商品カテゴリーですが、オンライン価格は27か月連続で上昇しています。





ペット用品:価格は前年同月比 8.0%増(前月比 0.9%増)となり、このカテゴリーにおいて最も高い上昇率となりました。ペット用品のオンラインインフレは、前回2020年9月(前年同月比7.8%上昇)のピークを挟み、丸2年継続しています。

調査方法について
Adobe Digital Price Index(DPI)は、米国労働統計局が発表している消費者物価指数をモデルとしており、オンライン価格の追跡にはFisher Ideal Price Index(フィッシャー理想物価指数)を使用しています。これは、基準時(例:ある月)と比較時(例:その前月)に、それぞれ購入された同一商品の数量をもとに、カテゴリーごとに価格変動を算出するものですが、アドビの分析では、前後する2つの月に購入された製品の実際の数量によって重み付けをしています。

アドビは、AI/機械学習フレームワーク「Adobe Sensei(https://www.adobe.com/jp/sensei.html)」と手作業を組み合わせ、CPI Manual(消費者物価指数マニュアル)で定義されたカテゴリーに準拠して商品分類をおこなっています。この分析手法は、著名な経済学者であるオースタン グールズビー(Austan Goolsbee)氏と、ピート クレノー(Pete Klenow)氏という2名の経済学者の協力を得て開発されました。

※当資料は、2022年5月11日に米国本社から発表されたプレスリリース( https://news.adobe.com/news/news-details/2022/Adobe-Digital-Price-Index-Online-Inflation-Slowing-Consumers-Pull-Back-On-Spending/default.aspx )の抄訳です。

■Adobe Experience Cloudについて
アドビは、Adobe Experience Cloud(https://business.adobe.com/jp/)で顧客体験管理(CXM)を再定義します。Adobe Experience Cloudは、エクスペリエンスのためのデジタルコンテンツの制作からマーケティング、広告、アナリティクス、コマースを含む業界唯一の包括的なソリューションです。Adobe Experience Cloudは、すべてのタッチポイントやあらゆるチャネルを通し、魅力的なB2C/B2B/B2Eエクスペリエンスを一貫性と継続性をもって提供することを支援し、ブランドが統一された安全でスケーラブルなデジタル基盤を構築できるようにします。Adobe Experience Cloudの一部であるAdobe Experience Platformは、CXMのための初のリアルタイムプラットフォームです。オープンで拡張性のあるAdobe Experience Platformは、企業全体のデータをつなぎ合わせ、リアルタイムの顧客プロファイルを可能にし、Adobe Experience Cloudソリューション全体で有効化することができます。

■「アドビ」について
アドビは、「世界を動かすデジタル体験を」をミッションとして、3つのクラウドソリューションで、優れた顧客体験を提供できるよう企業・個人のお客様を支援しています。Creative?Cloud(https://www.adobe.com/jp/creativecloud.html)は、写真、デザイン、ビデオ、web、UXなどのための20以上の?デスクトップアプリやモバイルアプリ、サービスを提供しています。Document Cloud(https://acrobat.adobe.com/jp/ja/)では、デジタル文書の作成、編集、共有、スキャン、署名が簡単にでき、デバイスに関わらず文書のやり取りと共同作業が安全に行えます。Experience Cloud(https://business.adobe.com/jp/products/adobe-experience-cloud-products.html)は、コンテンツ管理、パーソナライゼーション、データ分析、コマースに対し、顧客ロイヤルティおよび企業の長期的な成功を推進する優れた顧客体験の提供を支援しています。これら製品、サービスの多くで、アドビの人工知能(AI)と機械学習のプラットフォームであるAdobe Sensei(https://www.adobe.com/jp/sensei.html)を活用しています。

アドビ株式会社は米Adobe Inc.の日本法人です。日本市場においては、人々の創造性を解放するデジタルトランスフォーメーションを推進するため、「心、おどる、デジタル」というビジョンのもと、心にひびく、社会がつながる、幸せなデジタル社会の実現を目指します。アドビに関する詳細な情報は、webサイト(https://www.adobe.com/jp/about-adobe.html)をご覧ください。

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