スパイバーと小松マテーレが「共創パートナーシップ体制構築」への取り組みを開始

2023/10/31  小松マテーレ 株式会社 

2023 年 10 月

Spiber と小松マテーレが「共創パートナーシップ体制構築」への取り組みを開始
~透湿防水膜への応用や新しい皮革代替素材の開発を視野~


■共創パートナーシップの構築

このたび、Spiber 株式会社 (取締役兼代表執行役 ?関山和秀、以下 「スパイバー」)と小松マテーレ株式会社(代表取締役社長?佐々木久衛、以下「小松マテーレ」)は、サステナブルな社会の共創をテーマに、両社がこれまで培ってきた技術および知識を発揮し製品開発をめざす、共同事業をスタートさせました。

原料に石油や動物素材を使わず、さまざまな環境課題に対する新たなソリューションとして期待される人工構造タンパク質素材 「Brewed Protein(TM) (ブリュード・プロテイン(TM))※」を開発するスパイバーへ、合成繊維の高次後加工技術で定評のある小松マテーレが出資する契約を締結することにより今後、両社の強みを活かした製品開発に取り組みます。

■これまでの経緯

植物由来のバイオマスを原料に微生物発酵プロセスから作られる Brewed Protein(TM)素材の開発、生産を進めるスパイバーと小松マテーレは、2015 年より同素材を活用した高次加工について共同開発を行い、その後、スパイバーが同素材の量産化に向けた開発を進めるなか、同社の開発事業に小松マテーレの高次後加工技術を掛け合わせることにより、新たな付加価値の創造をめざし取り組みを進化させてまいりました。

両社が具体的な開発テーマについて検討を重ねる過程で、Brewed Protein(TM)素材は有望かつ飛躍のカギとなると考えました。これは小松マテーレが取り扱う石油由来の合成繊維に代わる次世代のサステナビリティ素材であり、石油資源に依存しない持続可能な新しいビジネスモデルの創出につながる画期的な技術基盤になり得るとの認識を深めました。

そしてこの度、成長基盤の確立を共にめざすため、小松マテーレからスパイバーへの出資を両社が合意し、中長期的な開発の継続と関係強化を相互に確認し合いました。

■サステナブルな取り組み

小松マテーレは染色高次加工を担う川中企業の立場から、薄膜の開発と製造においては独自の技術を保有しております。このような小松マテーレの透湿防水膜および合成皮革の独自技術に、主原料に石油や動物素材を使わず環境負荷低減への貢献が期待される Brewed Protein(TM)素材を融合することで、サステナブルな新素材開発の実現を目指します。

両社の将来的な製品開発事業に関しては、合成皮革でもなく、天然皮革でもない、人工構造タンパク質から構成された、全く新しい皮革代替素材の開発を視野にいれております。

■今後の予定

両社の「共創パートナーシップ体制構築」のための契約手続きを進めます。小松マテーレからスパイバーへの具体的な出資金額や業務提携の内容については、できるかぎり早期に話し合いをまとめ、契約を締結します。

※Brewed Protein(TM)素材とは

スパイバーの Brewed Protein(TM)(ブリュード・プロテイン(TM))素材は、植物由来のバイオマスを原材料に使用した微生物の発酵プロセスにより生産され、様々なアプリケーションへ活用できます。Brewed Protein(TM)ポリマーを紡糸した Brewed Protein(TM)繊維は、シルクのような光沢と繊細さを持つフィラメント糸、さらに上質でなめらかな肌触りのカシミヤや嵩高性に優れたウールのような紡績糸にも加工することができます。

Brewed Protein(TM)繊維の生産規模が拡大していくと、スパイバーが初期的な注力分野としているアパレル産業向けのテキスタイル用途において、以下の効果が期待できます。例えば、高級獣毛でありながら、様々な環境リスクを指摘されているカシミヤ繊維と比較した場合には、温室効果ガスの排出量の大幅な縮小と土地や水の使用量の削減が可能となります。また、Brewed Protein(TM)素材自体は環境分解性を有するため、最終製品の設計によっては石油由来製品によるマイクロプラスチック排出の課題解決への貢献が見込めます。このように、Brewed Protein(TM)素材は、従来の動物由来、植物由来、合成素材に代わるソリューションを提供することができる次世代の素材として期待が寄せられています。

Spiber のサステナビリティ戦略と活動に関するレポート?https://spiber.inc/wpcontent/uploads/2023/04/Spiber_Sustainability-Impact-Report_2022_Ja.pdf

<Spiber 株式会社 会社概要>

■会社名 ?Spiber 株式会社
■本社所在地 ?山形県鶴岡市覚岸寺字水上 234 番地 1
■設立 ?2007 年 9 月
■ホームページ ?https://spiber.inc/

2007 年 9 月に創業した、構造タンパク質「Brewed Protein(TM)素材」を開発する、山形県鶴岡市に拠点を置くバイオベンチャー。現在、タイ・ラヨン県にて Spiber 初となる量産プラントで Brewed Protein(TM)ポリマーの生産を開始し、段階的に生産量を拡大していく予定です。

<小松マテーレ株式会社 会社概要>

■会社名 ?小松マテーレ株式会社
■本社所在地 ?石川県能美市浜町ヌ 167 番地
■設立 ?1943 年 10 月
■ホームページ ?https://www.komatsumatere.co.jp/

1943 年に小松市で創業した、今年で創業 80 年を迎える化学素材メーカーです。染色や機能性等を付与する加工技術を基盤に、ファッション、スポーツ衣料から、インテリア、メディカル、建材まで、幅広い分野で事業を展開しています。

Spiber 株式会社 Marketing & Communication 部門 Communication セクション
Email?sp-ccpr@spiber.inc

小松マテーレ株式会社 総務部 広報課
TEL?0761-55-8070 / FAX?0761-55-8101
Email?office@komatsumatere.co.jp

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