平成30年度農林水産総合技術センター研究成果発表会を開催

2018年11月07日  富山県庁 


農林水産部 農林水産総合技術センター

担当:企画情報課 守川
電話:
(直通)076-429-2112
平成 30 年 11 月7日
平成30年度農林水産総合技術センター
研究成果発表会を開催
【開催テーマ】~技術で拓くとやまの農林水産業~

農林水産総合技術センターで取り組んでいる研究の中から、「技術で拓くとやまの農林水産業」をテーマに
【「富富富」がもつ高温登熟性と食味特性】など最新の研究成果を発表、展示いたします。


日時、場所
平成30 年 11 月 14 日(水) 富山県民会館304号室
(富山市新総曲輪4番18 号)

【成果発表】
13:30~16:30

【ポスター・現物展示】
12:30~16:40

プログラム

(1) 成果発表 (内容等は発表課題の概要をご覧下さい)
①「富富富」がもつ高温登熟性と食味特性 農業研究所
②新規土壌還元消毒を軸としたトマト土壌病害の新防除体系の開発
園芸研究所
③リンゴ「ふじ」の日焼け果発生軽減技術 果樹研究センター
④肉用肥育牛向け大麦わらサイレージ給与技術の確立 畜産研究所

⑤休耕田を活用した無花粉スギ苗の省力的な水耕栽培技術の確立
森林研究所
(2) ポスター展示
・富山米新品種「富富富」の食味特性 農業研究所
・秋まきタマネギ直播栽培技術の開発 園芸研究所
・ナシ黒星病の落葉処理による被害軽減 果樹研究センター
・唾液中α-アミラーゼ活性を用いた豚のストレス評価 畜産研究所
・とやま特産物ソーセージの開発 食品研究所
・ドローンを飛ばしてマツ枯れを発見する 森林研究所
・大径化したボカスギ材の特長を活かした高付加価値製品の開発
木材研究所
・富山湾漁場環境総合調査(藻場) 水産研究所

(3) その他
現物展示


参集範囲 農林水産業者・関係団体、普及協力委員、関係民間企業、大学、国、県、関係機関等
News Release


発表テーマ:
「富富富」がもつ高温登熟性と食味特性
発表者:農業研究所 副主幹研究員 村田 和優 概要 「富富富」がもつ高温登熟性遺伝子
Apq1は、インド型品種「ハバタキ」型のショ糖合成酵素(Ⅲ)
の遺伝子であり、高温下で「コシヒカリ」よりも強くはたらくことがわかりました。この遺伝子のはたらきによって「富富富」のデンプン充填率が向上し、甘みが強くなることが予想されます。実際に味覚センサーによる測定では、
「富富富」はコシヒカリに比べて、甘み・旨みともに強く検出さ
れます。それらの指標値と考えられる遊離糖や遊離アミノ酸の含有量分析でも同様の結果となりました。
ピーク波長 634nmLED

発表テーマ:新規土壌還元消毒を軸としたトマト土壌病害の新防除体系の開発 発表者:園芸研究所 主幹研究員 川部 眞登 概要 2016 年と 2017 年の夏に新規資材(糖含有珪藻土および糖蜜吸着資材)を用いた土壌還元消毒を行った結果、両資材処理区の深さ 0~30cm と 30~60cm の土壌で、青枯病菌数と根こぶ線虫数の大幅な減少が認められた。その後、トマト栽培を行った後に青枯病菌数と根こぶ線虫数を再び調査したところ、やはり青枯病菌と根こぶ線虫数は無処理区と比較して低い数であった。また、両資材を利用した土壌還元消毒区のトマト青枯病およびキュウリ根こぶ線虫病の被害程度は、無処理区と比較し、顕著に抑制されることを確認した。以上より、両資材はトマト青枯病およびキュウリ根こぶ線虫病の防除に有効であることが示された。また、この消毒によるトマト青枯病発病抑制効果は少なくともトマト 2 作の間は持続することが示された。 この新規土壌還元消毒を行う事により、富山県では今まで防除不可能であった青枯病や根こぶ線虫病を防除することが可能となり、本技術を栽培体系に組み込むことによる新しいトマト栽培体系の提案を行うことが出来た。

1. トマト 1 作目の発病程度

2. トマト 2 作目の発病程度
~ 発表課題の概要 ~
「富富富」と「コシヒカリ」の遊離糖分析


発表テーマ:肉用肥育牛向け大麦わらサイレージ給与技術の確立 発表者:畜産研究所 主任研究員 稲葉 真 概要 穀物価格の高騰により、全国的に地域で生産される飼料作物や農副産物を家畜の飼料として活用する取り組みが進められています。本県の水田化率(耕地面積の 96%)は全国で最も高く、稲わらの粗飼料利用は必須ですが、秋は連続した好天が持続しないため稲わらの回収量が安定しません。そこで、転作作物として県内で栽培されている大麦のわらの粗飼料利用について検討してきました。
コンバインにより脱穀切断され、ほ場に散乱した大麦わらを、自走式ロールベーラを用いること
で効率よく回収できました。回収した大麦わらは、サイレージにすることで長期間保存でき、発酵品質が良好な粗飼料に加工することができました。また、黒毛和種去勢牛への給与試験では、稲わらに劣らない肥育中期用粗飼料としての結果が出ました。今後、大麦わらサイレージは稲わらに替わる粗飼料として期待ができます。

発表テーマ:リンゴ「ふじ」の日焼け果発生軽減技術 発表者:園芸研究所果樹研究センター 副主幹研究員 大城 克明 概要
本県のリンゴ栽培では、夏から初秋にかけて果実陽光面の一部が茶褐色に
変色する「日焼け果」が発生しますが、軽微なものでも商品価値を大きく損ねてしまうことから重大な問題となっています。この「日焼け果」は高温と直射日光により果実表面温度が極端に高くなることに起因することから、特に本年のような猛暑年では発生が多くなります。
そこで、園芸施設内や野外空間の気温を下げる方法として活用されている
細霧冷房装置を用いてリンゴ樹周囲の気温や果実表面温度を低下させ、日焼け果の発生を軽減する技術の開発に取り組みました。

※本成果は、農林水産省プロジェクト研究「温暖化適応・異常気象対応のための研究開発(温暖化の進行に適応する生産安定技術の開発)」
(平成 27~30 年度)等で得られたものです。
細霧処理が果実表面温度、日焼け果の発生に及ぼす影響
細霧冷房装置の導入による経営モデル
試験区
果実表面温度
(℃)
日焼け果発生率
(%)
細霧処理区(a)
2
9.2
12.7無処理区(b)
3
1.0
32.7差(a-b)

1.8△
20.0(2017年)
わい化栽培モデル(品種「ふじ」)
(10aあたり)
導入前
導入後
平均単収(㎏)
3,0723,072日焼け果発生率(%)
3
1.8
14.6平均商品単収(㎏)
2,0972,625売上金額(円)
566,112708,780収入増加額(円)
142,668細霧冷房装置(円/年)※
98,296水道料金(円/年)
17,617必要経費(円/年)
115,913費用対効果(円/年)
26,755※耐用年数5年
項 目
日焼け果発生軽減による収
入増
細霧冷房
経費
日焼け果

発表テーマ:休耕田を活用した無花粉スギ苗の省力的な水耕栽培技術の確立 発表者:森林研究所 主任研究員 斎藤 真己 概 要: 森林研究所が開発した優良無花粉スギ「立山 森の輝き」は、県内の再造林に積極的に活用されており、その苗木生産量は H32 年に 10 万本、H39 年には 30 万本まで増産する予定です。しかし、全国へ「立山 森の輝き」を普及するためには、苗木の増産体制を一層強化する必要があります。このため、水稲生産者とタイアップし、休耕田を活用した苗木の省力的な水耕栽培技術の確立に取り組みました。農業用水を掛け流しにした水耕栽培による苗の生存率は 95%以上と高く、成長も従来のハウス栽培より早いことがわかりました。本技術は苗の散水が不要になることから簡便であり、さらに休耕田の有効活用になるなど多くのメリットがあるため、今後の新規の苗木生産者の確保に繋がることが期待されます。
休耕田を活用した苗木の水耕栽培 水耕栽培とハウス栽培の成長の比較

020406080100H28H29苗

(cm)
水耕栽培
ハウス栽培
5.0g施肥
2.5g施肥
a
b
A
B

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