発生期の大脳で分化細胞と未分化細胞の移動開始をもたらす共通の分子を明らかに

2019/06/26  国立研究開発法人 理化学研究所 

2019年6月26日

名古屋大学
京都大学
理化学研究所

発生期の大脳で分化細胞と未分化細胞の移動開始をもたらす共通の分子を明らかに

-「大脳のシワ」形成に貢献する外側放射状グリアはどのように誕生するか-

名古屋大学大学院医学系研究科細胞生物学分野の川上 巧特任助教と川口 綾乃准教授らの研究グループは、理化学研究所生命機能科学研究センターの松崎 文雄チームリーダー(京都大学大学院生命科学研究科兼任)らとの共同研究により、発生期の大脳の中でニューロンに分化する細胞と分化しないままの神経前駆細胞の移動をもたらす共通の仕組みを明らかにしました。

神経前駆細胞は神経幹細胞とも呼ばれる細胞で、哺乳類の大脳ができる過程で分裂を繰り返しながら多くの細胞を生み出していきます。神経前駆細胞の多くは、当初は脳室面で分裂し、生まれた細胞のうちニューロンに分化する細胞は、すみやかに脳室面から離脱して外側へ移動します。この離脱は3次元的な脳を形作るための重要なステップですが、その実行役となる分子の詳細は明らかとなっていませんでした。

一方、大脳の発生が進むにつれ、脳室面から離れた外側の領域には別の種類の神経前駆細胞である外側放射状グリアが出現してきます。外側放射状グリアは「大脳にシワのない」マウスに比べて「大脳にシワを持つ」生物種で特に多く、大量のニューロンを生み出すことで大脳のシワ形成に貢献することが知られています。しかし、その誕生をもたらす仕組みはよくわかっていませんでした。

本研究グループは、これら分化細胞の脳室面からのすみやかな移動開始と外側放射状グリア誕生の両者を共通して制御している分子を発見しました。本研究は、ヒトの大脳のシワ形成にも貢献する外側放射状グリアの誕生の仕組みを初めて明らかとするとともに、実はそれが分化細胞の移動開始という脳の発生過程でみられる基本的現象と共通の分子によって制御されていることを示しました。

詳細は名古屋大学の報道発表資料をご覧ください。

発表者

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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