AI Lab、自然言語処理分野のトップカンファレンス「NAACL-HLT 2021」にて共著論文採択 ー 広告効果を考慮した広告文生成手法を提案 ー

2021/04/14  株式会社 サイバーエージェント 

AI Lab、自然言語処理分野のトップカンファレンス「NAACL-HLT 2021」にて共著論文採択 ー 広告効果を考慮した広告文生成手法を提案 ー

世界的なトップカンファレンスにおいて、「広告文の自動生成を産業応用した例」として国内初の採択

広告 |2021年4月14日

株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田晋、東証一部上場:証券コード4751)は、人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」に所属する研究員の張培楠*、東京工業大学の上垣外英剛助教*、高村大也教授※1、奥村学教授による共著論文が自然言語処理分野の国際会議「NAACL-HLT 2021」※2の「Industry Track」に採択されたことをお知らせいたします。(*共同主著)

「NAACL-HLT」は世界中の研究者によって定期開催される国際会議で、「ACL」「EMNLP」※3と並び、自然言語処理分野(NLP)でもっとも権威ある国際会議のひとつです。
NAACL-HLT の「Industry Track」は、 NLP・AI 技術の産業応用の活発化に伴い、学術界と産業界を繋ぐために 2018 年に新設されたセッションです。本セッションでは、NLP・AI 分野をリードする世界中のトップ企業や大学に所属する研究員や開発者が多数参加・発表を行い、昨年の採択率はおよそ 25% 程度と、本会議と同様に難易度が非常に高いことで知られています。本論文は、2021 年 6 月にオンラインで開催される「NAACL-HLT 2021」での発表を予定しており、「広告文の自動生成を産業応用した例」として世界的なトップカンファレンスに採択されるのは国内初の事例となります。

■研究背景
効果が良い広告の自動生成

近年、インターネットの急速な普及に伴い、ユーザごとに好まれる多種多様かつ大量なインターネット広告の制作が必要とされています。なかでも、検索連動型広告はユーザが入力した検索キーワードに対して、適切で魅力的な広告テキストを提示することで、よりユーザと広告のマッチング精度を向上させることが可能です。しかし、数億を超える検索キーワードおいて人間が全ての広告文を制作することは現実的ではありません。
このような課題から、「AI Lab」では自然言語処理技術の第一人者である東京工業大学の奥村学教授・高村大也教授・上垣外英剛助教と産学連携を行い、自然言語処理技術や機械学習技術を用いた「広告テキストの自動生成」に関する研究を進めてまいりました。研究成果は、当社が提供する「効果の出せる広告テキストを数億を超える検索キーワード全てに対して自動で作成し、検索連動型広告の効果を改善する『極予測 TD』」への研究手法の導入や、WebDB Forum での論文発表など、積極的な社会実装および学術貢献を行っております。

■研究概要
テキストの自動生成における系列変換技術について
現在、テキストの自動生成において、系列変換技術(以下 seq2seq)と呼ばれる手法が盛んに研究されています。Seq2seq は、異なる言語を同じ意味に変換する機械翻訳や、長い文章をより要点で捉えた短い文章に変換する自動要約において、高い性能を発揮します。
一方、広告効果※4の最大化を目指したテキストを生成するためには、明確にユーザの需要を捉え、商品の魅力を正しく伝えることが重要なため、seq2seq による正確な変換だけでは、広告としての価値を最大化することが難しいという課題がありました。

このような背景のもと、このたび採択された論文「An Empirical Study of Generating Texts for Search-Engine Advertising」では、検索キーワードやランディングページの内容から、過去の配信実績などを用いることにより、広告効果を考慮した広告文の自動生成手法を提案しました。
Seq2seq の技術をベースに、広告らしさや広告効果の予測値、ユーザの検索キーワードとの関連性などを報酬関数として強化学習に組み入れることで、広告文を生成することに特化したモデルを構築しました。その結果、事前テストでは自動評価・人手評価ともに従来の seq2seq 手法よりも高い性能を発揮し、実際にサービスへ導入した際の広告配信検証においても、表示回数および予算消化において従来よりも良い結果が得られました。

▼広告効果を考慮した広告文の自動生成手法のイメージ

今後
今回提案した手法は、当社で提供している「極予測 TD」にすでに導入しており、現在特許出願中です。今後、より多くのサービスへの導入を推進するとともに、さらなる生成技術の品質向上を目指し、研究・開発に努めてまいります。

※1 現在は東京工業大学を離れ、産業技術総合研究所人工知能研究センター研究チーム長に着任
※2 「NAACL」The Annual Conference of the North American Chapter of the Association for Computational Linguistics
※3 「ACL」The Annual Meeting of the Association for Computational Linguistics
EMNLP」The Conference on Empirical Methods in Natural Language Processing
※4 広告効果とは、配信結果から得られるその広告の良さを測る指標の総称で、一般的には表示回数やクリック率、コンバージョン率、消化予算などを指すことが多い。

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