【第8回横浜トリエンナーレ】スペシャルイベント5月26日(日) 野草の生きかた:ふつうの人が世界を変える 上映会 映画『首相官邸の前で』/ トーク 小熊英二×蔵屋美香

2024/05/21  公益財団法人 横浜市芸術文化振興財団 


第8回横浜トリエンナーレは、「野草の生きかた:ふつうの人が世界を変える」と題し、小熊英⼆監督映画『⾸相官邸の前で』の上映と、小熊英⼆氏を招き蔵屋美香(横浜トリエンナーレ組織委員会総合ディレクター/横浜美術館館長)とのトークによるスペシャルイベントを、5月26日(日)に開催します。

(C)2015Eiji OGUMA

小熊英⼆監督によるドキュメンタリー映画『⾸相官邸の前で』は、2012年夏、ごくふつうの20万人の人びとが⾸相官邸前に集まり、原発にまつわる政策に抗議した、奇跡的な瞬間をとらえた作品です。

ひるがえって、第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで生きてる」は、中国の作家、魯迅(ろじん、1881-1936)の詩集『野草』(1927年刊)からタイトルをとっています。
魯迅はこの本の中で、わたしたちひとりひとりが日々の暮らしの中で小さな行為を積み重ねれば、世界は変えられる、と語りました。世界を変えるのは、特別な英雄ではなく、魯迅にとってもやはり野の草のような「ふつうの人びと」なのです。

気候変動、災害、戦争、経済格差に不寛容。わたしたちの時代は多くの生きづらさを抱えています。
「ふつうの人びと」はこれを変える力となりうるでしょうか。上映とトークを通して、みなさんと共に考えたいと思います。

[プログラム]
・ごあいさつ(13:30~13:40)
・上映映画『⾸相官邸の前で』(13:40~15:30)
 2015年|日本|109分|企画・製作・監督:小熊英⼆|配給:アップリンク
-休憩(10分)-
・トーク「野草の生きかた:ふつうの人が世界を変える」(15:40~16:30)
 小熊英⼆(慶應義塾大学総合政策学部教授)
 蔵屋美香(横浜トリエンナーレ組織委員会総合ディレクター/横浜美術館館長)



(C)生津勝隆
小熊英⼆(おぐまえいじ)
慶應義塾大学総合政策学部教授。学術博⼠。
社会学から日本近現代の研究に従事。主な著書に『単一民族神話の起源』(新曜社、1995年、サントリー学芸賞)、『<日本人>の境界』(新曜社、1998年)、『<民主>と<愛国>』(新曜社、2002年、大仏次郎論壇賞、毎日出版文化賞、日本社会学会奨励賞)、『日本社会のしくみ』(講談社、2019年)、A Genealogy of ʻJapaneseʼ Self-Images (Transpacific Press, 2002) など。



撮影:加藤甫
蔵屋美香(くらやみか)
横浜トリエンナーレ組織委員会総合ディレクター/横浜美術館館長
千葉県生まれ。千葉大学大学院修了(教育学修⼠)。東京国立近代美術館勤務を経て、2020年より横浜美術館館長/横浜トリエンナーレ組織委員会総合ディレクター。第55回ベネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館(アーティスト:田中功起)キュレーターを務め、特別表彰。多摩美術大学客員教授。慶應義塾大学、東京藝術大学をはじめゲスト講師多数。







展覧会のタイトルは、 中国の国民作家、魯 迅(ろじん、1881- 1936)が『野草』に 由来します。
第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで生きてる」は、わたしたちに、災害や戦争、環境破壊、経済格差、不寛容など世界が抱えている多くの課題を投げかけます。
展示作品には、息苦しさの中をたくましく生き抜こうとするひとりの人間の姿が映し出されています。






オープングループ《繰り返してください》2022, courtesy of the artists
右は、ウクライナのアーティスト「オープングループ」の作品です。
この映像作品は、ロシアによるウクライナ侵略に伴ってリヴィウの難民キャンプに逃れた人々に取材したものです。国民に配布された戦時下の行動マニュアルに想を得ています。そこには、音によって兵器の種類を聞き分けた上で、いかに行動するべきか、という手引きが示されています。武器の音を口で再現する人々の姿は、生きるために新たな知識が必要となったウクライナの今ある現実を生々しく伝えています。


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