改善報告書の徴求及び公表措置:(株)ヤマウラ

2023/09/22  株式会社 日本取引所グループ 

2023/09/22 東証 改善報告書の徴求及び公表措置:(株)ヤマウラ ツイート

以下のとおり、改善報告書の徴求及び公表措置を実施することにしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.会社名 株式会社ヤマウラ
(コード:1780、市場区分:プライム市場)
2.改善報告書提出期限 2023年10月6日(金)
条文 有価証券上場規程第504条第1項第1号
(開示された情報の内容に虚偽があり、改善の必要性が高いと認められるため)
3.公表措置公表日 2023年9月22日(金)
条文 有価証券上場規程第508条第1項第1号
(開示された情報の内容に虚偽があり、公表が必要と認められるため)
4.理由 株式会社ヤマウラ(以下「同社」という。)は、2023年7月28日、同社の連結子会社における不適切な出金に関する第三者調査委員会の調査報告書(中間)を開示し、同年7月31日、過年度の決算内容の訂正を開示しました。また、その後、同年9月1日、第三者委員会の調査報告書(最終)を開示しました。
これらにより、同社管理本部財務経理チームマネージャーであり子会社の経理担当を兼務していた元従業員が、子会社の口座から不適切な出金を繰り返し行っていたことが明らかになりました。その結果、同社は、2021年3月期から2023年3月期までの決算短信等において、上場規則に違反して虚偽と認められる開示を行い、それに伴う決算内容の訂正により、2021年3月期から2023年3月期までの親会社株主に帰属する当期純利益が4割以上減少することなどが判明しました。
併せて、同社は、2023年5月9日、子会社の帳簿残高と預金残高の差異について監査法人から指摘を受けていたにもかかわらず、当該差異について十分な確認を行わないまま、同15日に2023年3月期決算短信を開示していたことも判明しました。
こうした開示が行われた背景として、本件では主に以下の点が認められました。
・子会社では、出納業務や経理業務について、規程や牽制が機能する手続等が整備されておらず、特定の従業員が預金の出金や振込、仕訳処理を単独で実行可能な体制であったこと
・特定の従業員が行った会計処理や決算短信の作成業務について十分な検証を行う体制を確保していないなど、牽制・チェック機能が欠如していたこと
・子会社の取締役会の開催頻度が2年に1度と会社法に違反した状態であることを放置していたり、子会社のガバナンス体制について十分な検討が行われていないなど、同社取締役会による子会社の監督機能が発揮されていなかったこと
・子会社の監査役監査において、監査役監査規程が整備されていたにもかかわらず、本規程に基づく監査計画が策定されておらず、監査役監査が適切に行われていない状態が常態化しており、同社の監査等委員会においても、子会社の監査役監査の状況を把握せず十分な監督を行っていなかったこと
・同社の内部監査は、出納業務やその他の経理業務に対する会計監査を行っていないなど、不十分であったこと
・コンプライアンス・マニュアルの策定がないなど、役職員に対するコンプライアンス教育が十分でなかったこと

以上のとおり、本件は、不適切な出金が長期間放置された結果、投資者の投資判断に相当な影響を与える虚偽と認められる開示が行われたものであり、同社の適時開示体制について改善の必要性が高いと認められることから、同社に対して、その経緯及び改善措置を記載した報告書の提出を求めることにしました。
また、本件について、公表を要するものと認められることから、公表措置を行うことにしました。
  • 同社の改善報告書等は、同社からの提出後、下記「改善報告書・改善状況報告書徴求会社一覧」ページに掲載します。

公表措置銘柄一覧
改善報告書・改善状況報告書徴求会社一覧

お問合せ

株式会社東京証券取引所 上場部 開示業務室 ディスクロージャー企画グループ
電話:03-3666-0141(代表)


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