【セミナーレポート】「牛乳の栄養再発見」メディアセミナー

2023/10/30  一般社団法人 ウェルネス総合研究所 

カルシウムだけじゃない!「今、改めて知りたい牛乳の栄養価値」を専門家が解説

一般社団法人ウェルネス総合研究所(代表理事:萩原千史)は、人生100年時代を迎える中、独自の視点で健康・ウェルネスに関する情報の調査・集積・発信を行っております。当団体では、2023年10月25日(水)に、栄養不足が問題視される昨今、牛乳の栄養価値を改めて紹介する機会として「牛乳の栄養再発見」メディアセミナーを開催いたしました。当日は、優れたたんぱく源といえる牛乳の栄養価値を、東北大学名誉教授の齋藤忠夫先生にご解説いただき、美味しく楽しく牛乳の栄養を活かしながら食事に取り入れる方法を管理栄養士の小山浩子先生にご紹介していただきました。さらに、「運動しないプロテイン愛好家」としてテレビなどでもご活躍のプロテインひろこ氏をゲストに迎え、プロテインを超える「牛乳」ならではの栄養価値を活かした、健康なカラダづくり等について、パネルディスカッションをしていただきました。




講演1.:日本人の栄養を支えてきた「牛乳」。その栄養価値をたんぱく質の視点から紹介/齋藤忠夫 先生



◆現代の日本人はたんぱく質が足りていない

現代日本人のたんぱく質摂取量は、戦後間もない日本全体が疲弊していた1950年代並みに低下している現状があり、これは痩身願望による過剰なダイエット、高脂肪・高炭水化物のインスタント食品の普及が原因として考えられます。たんぱく質は筋肉の維持だけに必要なのではありません。実は内臓や骨、血液など私たちのカラダのほとんどがたんぱく質からできており、代謝や免疫などを調整するホルモンや酵素までもたんぱく質がないと作り出すことができないのです。また、たんぱく質は炭水化物や脂質と同じく体を動かすエネルギー源にもなるため、常に多彩な働きをしている重要な栄養素であるといえます。



◆改めて注目したい牛乳の栄養価値

近年では摂取した「たんぱく質」の単純な量ではなく、そのうちの「利用可能なたんぱく質の量」で評価するDIAAS(消化性必須アミノ酸スコア)が新しい評価基準として推奨されています。従来の総たんぱく質計算では主要103ヵ国のほとんどが必要摂取量を超えているとされていましたが、DIAASに基づいてたんぱく質摂取量を再計算したところ、実は利用可能なたんぱく質摂取量が必要量を満たしている国は主要103ヵ国中1国もないということが分かりました。その中で牛乳に含まれるたんぱく質はDIAASにおいて大豆などの植物性たんぱく質より高いスコアを示しており、優れたたんぱく源として栄養価値が高い食品だといえるでしょう。















◆日本人は栄養豊富な牛乳をもう少し飲むべき

こんなにも栄養価値のある牛乳ですが実は日本の牛乳消費量は年間31.8kg、1日87mlと主要国の中でも少ないのが現状です。さらにコロナ禍によって学校給食がストップした際には、牛乳余りが問題視され牛乳の大量廃棄の危機が話題になっていました。こうした問題を解決するためにも、牛乳の安定的な消費拡大につながるよう、毎日牛乳を飲む習慣づくりが必要であると考えています。



◆新しい牛乳選びの潮流

アメリカでは売られている牛乳の種類が日本と比べてとても豊富で、好みの牛乳を選べるようになっており、売り場から見ても日本よりも牛乳を飲む人が多いことが分かります。実は日本でも各メーカーの取り組みにより牛乳の種類が実に多彩化しており、最近では牛乳の本来の栄養素をそのまま強化した新しい栄養リッチな牛乳も発売されています。そのため、牛乳の栄養価値をしっかりと理解してもらい、味だけでなく「栄養」で牛乳を選ぶ習慣が広まることで、安定的な牛乳消費拡大につながることを期待しています。

講演2.:「ミル活」で栄養かけ合わせ。牛乳をプラスするだけの簡単栄養補給術とは?/小山浩子 先生



◆牛乳は「栄養の優等生」ってホント?

牛乳は「栄養の総合デパート」といえるほど、健康なカラダづくりの基礎となる栄養素が豊富に含まれています。カルシウムだけではなく活動のエネルギー源になるたんぱく質・脂質・炭水化物、さらに体の調子を整えるさまざまなビタミンやミネラルといった5大栄養素が豊富に含まれており、他のたんぱく源となる食品と比べてカルシウム、ビタミンA、ビタミンB2の栄養素密度が高いことも知られています。また、全て天然由来の栄養素のため吸収率もよく、不足しがちな栄養を手軽に、美味しく摂取することができます。そのため物価高による買い控えで栄養不足が気になる方、食が細い方、偏食の方などには特におすすめします。また、イライラする、疲れやすい、眠れない、風邪をひきやすいなど、よくある健康上のお悩みは実は牛乳で解決することができるのです。



◆誰でも取り入れやすい「ミル活」とは

「ミル活」とは牛乳(ミルク)を上手に活用して手軽に美味しく栄養補給をすることです。決してミルク料理ではなく、たくさん飲むことでもありません。「ミルクを足す」だけで、いつも食べているものが栄養リッチに早変わりし、カルシウムやたんぱく質はじめ、栄養価値がグンと上がって、満足感もアップする。これがミル活なのです。調理までしなくても手軽に栄養摂取ができるためタイパが高く、値上げラッシュの昨今でもミルクはコップ2杯で約100円(※)と栄養価に対するコスパも良いのがミル活の魅力です。
1リットル=257円 総務省統計局小売物価統計調査・東京都区部小売価格(2023年9月)


◆「ミル活」レシピを紹介。牛乳×大福で「牛乳おしるこ」

このレシピは大福に牛乳をプラスしてひと手間加えるだけで各栄養摂取量が大幅にアップします。また、大福だけだと摂取できる栄養素が炭水化物に偏っていますが、牛乳を加えるだけでPFC(たんぱく質、脂質、炭水化物)バランスが良くなり、高GI(※)食品+低GI食品で急激な血糖値の上昇を抑える効果もあります。そして何より美味しさもアップし、まさにこの「牛乳おしるこ」はミル活レシピの代表例といえます。
※GI:食後血糖値の上昇を示す指標。











プロテインひろこ氏をゲストに迎え、「牛乳」ならではの栄養を活かしたカラダケア方法についてディスカッション



冒頭ではプロテインひろこさんがなぜプロテイン愛好家となったのかをご説明いただきました。実は筋肉をつけるためではなく、たんぱく質をはじめとした不足している栄養を補う目的で飲んでおり、最近では同じ目的で牛乳も飲んでいるらしく、先生お二人の講演を聞いて自分の考えと同じだったことに喜ばれていました。また、健康なカラダづくりのために必要なことは「毎日」たんぱく質と不足しがちな栄養をしっかりと摂ることだと齋藤先生から説明があり、コスパもよく栄養素が豊富な牛乳は健康なカラダづくりにはぴったりであり、ミル活を是非おすすめしたいと同じ意見で盛り上がりました。最後に栄養をさらにリッチにした新しいカテゴリの牛乳にも、健康なカラダづくりのために注目したいと3人とも期待を寄せていました。



登壇者紹介




齋藤忠夫 先生 東北大学名誉教授
東北大学名誉教授(農学博士)、アジア乳酸菌学会連合(AFSLAB)フェロー、日本農芸化学会フェロー、日本酪農科学会顧問、日本乳酸菌学会名誉会員、オエノンホールディングス株式会社・外部取締役、Jミルク国際委員会委員長、国際酪農連盟日本委員会(JIDF)会長。
専門分野及び研究内容は、牛乳・乳製品における機能性成分に関する研究、乳酸菌やビフィズス菌における腸内細菌学とバイオジェニクスに関する研究、機能性ヨーグルトの開発に関する研究。日本酪農科学会賞、日本畜産学会賞、日本学術振興会第一回科学研究費優秀審査員賞、国際酪農連盟日本国内委員会第三回光岡賞などを受賞。

小山浩子 先生 料理家・管理栄養士・フードビジネスコーディネーター
大手食品メーカー勤務を経て2003年フリーに。全国での講演活動、メニュー開発、栄養コラム執筆、NHKをはじめ健康番組出演等幅広く活動。料理家としてのキャリアは30年以上。これまで指導した生徒は7万人以上に及ぶ。著作も多数あり、「目からウロコのおいしい減塩「乳和食」」(主婦の友社)で2014年グルマン世界料理本大賞イノベイティブ部門世界第2位、『はじめよう乳和食』日本実業出版で2019年ミルク&チーズ部門世界第2位を受賞。栄養と作りやすさに配慮したオリジナルミルクレシピにファンも多く、メディアで話題の乳和食の開発者でもある。

プロテインひろこ 氏 運動しないプロテイン愛好家
これまで500種類以上ものプロテインを試してきた“運動しないプロテイン愛好家”。筋肉をつけるために飲むイメージの強かったプロテインをきれいになる方法の一つとして提案し、Instagramでは多くの女性の支持を集めている。
「マツコの知らない世界」など各種メディアで注目を浴び、女性向け美容プロテイン「タンパクオトメ」をはじめとした商品プロデュースにも多数携わる。“地域おこしプロテイン”として自ら開発に取り組んだ高知県四万十町の「生姜プロテイン」ではクラウドファンディングで300万円近い支援総額を集め、現在自らのECサイトで販売中。



<ウェルネス総合研究所 概要>
人生100年時代を迎えたいま、健康寿命を延ばし、豊かな人生を送ることへの社会的関心はますます高まっています。私たちウェルネス総合研究所は、独自の視点で健康・ウェルネスに関する情報の調査・集積・発信を行ってまいります。また、人々の健康やQOL向上を助ける食品・医薬品・化粧品・運動などに関わる団体・企業に向けた、コンサルティングを実施し、人々の健康維持・改善を実現する、健康・ウェルネス産業の発展に寄与してまいります。
◆WEBサイト:https://wellness-lab.org/

≪本件に関するお問い合わせ先≫
一般社団法人 ウェルネス総合研究所: 吉野・二宮
TEL:03-5786-6006 / MAIL: press@wellness-lab.org

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