令和6年度 記者提供資料
( 資料提供 )
蚊に御注意ください!~蚊が媒介する感染症があります~
蚊が媒介する感染症に気を付けましょう!
~注意喚起のポスターを作成しました~
1 要旨 病原体ウイルスを持つ蚊に刺された場合、デング熱やジカウイルス感染症等の感染症を発症する恐れがあります。2023年には県内で蚊に刺されたことによると思われる、日本脳炎の感染事例がありました。海外ではその他にも、マラリア、ウエストナイル熱、黄熱等、蚊が媒介する感染症の流行が見られる地域もあります。
現在、国内で流行している感染症はありませんので、蚊に刺されただけで過分に心配する必要はありませんが、蚊が増える時期を迎えますので、感染予防に努めましょう。 県では、包括連携協定を締結しているアース製薬株式会社に御協力いただき、蚊に対する注意喚起のポスターを作成しました。事業所等の人が集まる場所への掲示に御活用ください。
県HP「感染症情報センター」からダウンロード可能です。
https://www.pref.shizuoka.jp/kenkofukushi/shippeikansensho/kansensho/1003065/index.html
<ポスター送付を御希望の方へ> 印刷したポスターを送付することもできます。感染症対策課宛Eメールにて、「郵便番号」「御住所」「お名前」「希望送付枚数」を御連絡ください。
Eメールアドレス kansentaisaku@pref.shizuoka.lg.jp
- ポスターはB3版(515mm×364mm)縦型です。4つ折りにて郵送します。
- 数に限りがありますので、御希望に添えない場合があります。
2 蚊が媒介する主な感染症について
<デング熱>
【感染経路】 東南アジア・中南米・アフリカなど熱帯・亜熱帯地域で主に発生しています。国内では、ヤブカの一種「ヒトスジシマカ」が媒介します。ヒト-蚊-ヒトの感染経路をとり、ヒトからヒトへ感染することはありません。蚊から蚊へウイルスが媒介されることはなく、卵を介して次世代にウイルスが伝わることは報告されたことがありません。2014年に約70年ぶりに国内での感染事例(県内患者を含む)がありました。
【症状・治療方法等】 潜伏期間は通常3~7日で、突然の発熱、発疹、頭痛等を呈します。通常、発症後2~7日で解熱し、予後は比較的良好な感染症ですが、発症者の1~5%が出血傾向やショック症状を呈し、重症となることがあります。根治療法はなく、対症療法を行います。ワクチンはありません。
【デング熱の最近の患者数(人)】 令和6年は暫定値(6月26日時点)
年 | 平成29年
(2017年) | 平成30年
(2018年) | 令和元年
(2019年) | 令和2年
(2020年) | 令和3年
(2021年) | 令和4年
(2022年) | 令和5年
(2023年) | 令和6年
(2024年) |
全国 | 245 | 201 | 461 | 45 | 8 | 98 | 176 | 88 |
静岡県 | 1 | 6 | 6 | 2 | 0 | 1 | 3 | 2 |
※国内での感染が推定された県内患者が平成26年(2014年)に2人あり(その他は海外での感染)
<ジカウイルス感染症>
【感染経路】 主に中南米で発生しています。デング熱同様、国内では、ヤブカの一種「ヒトスジシマカ」が媒介します。基本的にヒト-蚊-ヒトの感染経路をとりますが、妊婦が感染した場合に胎児が感染する胎内感染や、稀なケースとして、性行為による感染が指摘されています。蚊から蚊へウイルスが媒介されることはなく、卵を介して次世代にウイルスが伝わることは報告されたことがありません。
【症状・治療方法等】 感染しても、約80%は症状がないと言われています。発症する場合、潜伏期間は多くが2~7日で、軽度の発熱、頭痛、関節痛等を呈します。通常、発症後2~7日で症状は治まり、予後は良好な感染症ですが、胎児の小頭症との関連やギラン・バレー症候群の発症との関連について疑われています。根治療法はなく、対症療法を行います。ワクチンはありません。
※ギラン・バレー症候群:多くの場合、ウイルス感染が原因で、免疫システムの異常により、末梢神経に障害が発生する疾患
【ジカウイルス感染症の最近の患者数(人)】 令和6年は暫定値(6月26日時点)
年 | 平成29年
(2017年) | 平成30年
(2018年) | 令和元年
(2019年) | 令和2年
(2020年) | 令和3年
(2021年) | 令和4年
(2022年) | 令和5年
(2023年) | 令和6年
(2024年) |
全国 | 5 | 0 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 |
静岡県 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
※国内での感染が推定された県内患者はいません
<日本脳炎>
【感染経路】 日本脳炎ウイルスは、豚の体内で増え、ウイルスを保有する豚から吸血した蚊(コガタアカイエカ)がヒトを刺すことで感染します。ヒトからヒトへは感染しません。
コガタアカイエカは水田、沼地で主に発生し、日没後に活動が活発になります。県では、豚の日本脳炎抗体保有状況を調査しており、令和5年度に調査した豚80頭のうち19頭(23.8%)に日本脳炎の抗体が、8月下旬以降の検査では、40頭中19頭(47.5%)に抗体が認められ、本県は、豚の日本脳炎抗体保有率が高い(ウイルスを保有している可能性が高い)県の1つとなっています。
【症状・治療方法等】 感染しても、発症するのは100人~1,000人に1人とされており、多くは無症状で終わります。しかし、発症する場合、潜伏期は6~16日間とされ、数日間の高熱、頭痛、嘔吐等で発症し、続いて、意識障害等の神経症状が見られます。発症者の死亡率は20~40%で、小児や高齢者で死亡の危険性が高くなります。また、生存者の45~70%に精神神経学的後遺症が残るとされています。根治療法はなく、対症療法を行います。日本脳炎の予防接種は小児の定期接種として受けることができます。
【日本脳炎の最近の患者数(人)】 令和6年は暫定値(6月26日時点)
年 | 平成29年
(2017年) | 平成30年
(2018年) | 令和元年
(2019年) | 令和2年
(2020年) | 令和3年
(2021年) | 令和4年
(2022年) | 令和5年
(2023年) | 令和6年
(2024年) |
全国 | 3 | 0 | 9 | 5 | 3 | 5 | 6 | 1 |
静岡県 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
3 県民の皆様へ
(1)蚊に刺されないようにしましょう
- 屋外で活動する際には、長袖・長ズボンを着用する、素足やサンダルを避けるなど、肌の露出を少なくしましょう。
- 虫よけ剤を使用しましょう。虫よけ剤は効果のある時間が限られていますので、長時間、屋外で活動する際には、こまめに使用しましょう。
- 蚊が室内に入らないように、ドアや窓の開け閉めを減らし、網戸を使用しましょう。
(2)日本脳炎の予防接種を受けましょう
- 日本脳炎の予防接種は小児の定期接種として受けることができます。接種対象者は、お早めの接種を御検討ください。定期接種に関する詳細は、各市町に御確認ください。
(3)蚊の発生を抑えましょう
- 蚊は、タイヤに溜まった水、鉢植えの皿など、少しの水が溜まる場所で発生します。屋外に雨水等が長時間溜まる物を置かないようにしましょう。
- 室内の花瓶の水などは、最低週1回は換えましょう。
(4)蚊が媒介する感染症の流行国への渡航について
- 海外の流行地へ渡航する際には蚊に刺されないよう十分に気を付け、帰国後、発熱などの症状がある場合には、医療機関を受診してください。
- 妊婦及び妊娠を希望予定の方はジカウイルス感染症の流行国・地域への渡航及び滞在は可能な限りお控えください。
|
【参考】
<デング熱に関する情報>
厚生労働省ホームページ
国立感染症研究所ホームページ
政府広報オンライン
<ジカウイルス感染症に関する情報>
厚生労働省ホームページ
国立感染症研究所ホームページ
<日本脳炎に関する情報>
厚生労働省ホームページ
国立感染症研究所ホームページ
<海外へ渡航される皆様へ>
検疫所ホームページ
■ 添付資料
蚊に御注意ください!~蚊が媒介する感染症があります~・ポスター:( 509KB )
提供日:2024年6月26日
担 当:健康福祉部 医療局感染症対策課
連絡先:静岡県感染症管理センター TEL 055-928-7220
このページの先頭へ戻る
このページに関するお問い合わせ
静岡県知事戦略局広聴広報課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-2265
ファクス番号:054-254-4032
PR@pref.shizuoka.lg.jp