自律的に実行できる組織への変革『スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン』(JMAC作成)

2024/06/28  株式会社 日本能率協会コンサルティング 

NEDOより公開

株式会社日本能率協会コンサルティング(本社:東京都港区・代表取締役社長:小澤勇夫、以下JMAC)は、製造事業者それぞれの経営課題を起点に、開発設計、生産管理、製造ひいては販売・サービスに及ぶ広い意味でのものづくりの全体プロセスを、デジタル技術を用いて最適化する手法についてまとめた『スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン』(以下、本ガイドライン)を作成いたしました。
経済産業省(METI)製造産業局と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が本ガイドラインの策定を共同で企画推進し、その内容は、JMACが有するものづくり企業改革のノウハウをもとに作成(執筆)いたしました。JMACは今後、本ガイドラインの普及推進を進め、「自社らしい」スマート化の推進とそれらを自律的に実行できる組織への変革を促す支援を行ってまいります。
(執筆にあたり、株式会社日本能率協会コンサルティング編『スマートファクトリー構築ハンドブック 50のイメージセルがものづくりDXを具体化する』(出版:日本能率協会マネジメントセンター、2022年4月)及びJMACが蓄積する過去のプロジェクト提案・実践事例を元にしております。)

なお、ガイドライン策定の背景や部分最適と全体最適の具体例については、経済産業省製造産業局「製造業を巡る現状と課題 今後の政策の方向性」(2024年5月22日開催「第16回 産業構造審議会 製造産業分科会」配布資料4)の「2.製造業DXに向けた政策の方向性」参照ください。
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/seizo_sangyo/pdf/016_04_00.pdf

この成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構における「5G等の活用による製造業のダイナミック・ケイパビリティ強化に向けた研究開発事業/製造現場のダイナミック・ケイパビリティ強化施策と今後の普及に係る調査事業」(2023年度~2024年度)の委託業務の結果得られたものです。(6月28日にNEDOウェブサイトより公開(以下リンク参照))
『スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン』
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ガイドラインの概要
本ガイドラインは以下の構成で作成いたしました。
第1章:本ガイドラインについて
本項では、本ガイドライン策定の背景と狙いと構成について解説するとともに、製造事業者が様々な環境変化を察知し、意思決定を行動に繋げており、各社各様の変革ゴールに向けているなか、画一的なガイドラインの回答を提示するのではなく、製造事業者が自社としてのスマート化の道筋を描くための考え方や視点、目指す姿を具体的に示した7つの「リファレンス」を提示している。

SMDガイドライン_7つのリファレンス

第2章:ものづくりの全体プロセスの捉え方
スマートマニュファクチャリングの構築において、企業が、取り巻く環境変化に柔軟に対応し、変革する力を強く求められるようになっている時代において、環境の変化を的確に感知し、適切な意思決定と柔軟なリソースの組み換えを可能とする仕組みの導入が求められている。
本ガイドラインでは、設計から展開する「(1)エンジニアリングチェーン」、材料調達から商品納入までの「(2)サプライチェーン」、(3)サプライチェーンのうち工場中心の製造機能を切り出した「3.プロダクションチェーン」、顧客接点と直接かかわる「(4)サービスチェーン」の4つを「マニュファクチャリングチェーン」と定義し、本ガイドラインの主たる対象領域としている。
マニュファクチャリングチェーンを構成する4つのチェーンの定義は以下のとおりである。

(1)エンジニアリングチェーン
製品・工程設計を中心とした技術と情報をモノづくり各機能に訴求する連鎖
(2)サプライチェーン
最終需要者に商品供給するための、材料調達から商品納入までの「もの」を中心とした業務連鎖
(3)プロダクションチェーン
自社の製造リソース(人、設備、工法、ノウハウ)により、原材料を加工し商品として仕上げる一連の工程連鎖
(4)サービスチェーン
提供サービスの顧客への認知と品質の魅力の向上、及び納入後の商品価値を維持向上させるための『サービス』を中心とした業務連鎖


SMDガイドライン_マニュファクチャリングチェーン概念図

第3章:スマート化の思考テンプレート:「変革課題マップ」
本項では、マニュファクチャリングチェーンのスマート化の検討において基本となるスタンスを整理し、実際に4つのチェーンの視点で自社にとってのベストな姿を描くにあたっての各製造事業者のスマート化実践事例を「マニュファクチャリング変革課題マップ」(以下「変革課題マップ」)として提示した。「変革課題マップ」は思考テンプレート集として置き、自社の変革における重点となる課題を探索・取捨選択し、「どの項目をどの程度のレベルで実現することが自社にとってのスマートマニュファクチャリングなのか」を企画し、共通認識化するものとしている。
基本となるスタンス(抜粋)
1. 経営課題に立脚した「自社にとっての最適解」を追求する
2. ツール起点の「可能性発掘型アプローチ」に陥らない
3. ものづくりの全体プロセスの最適化を考える


SMDガイドライン_変革課題マップ

第4章:重点とする変革課題の選定方法
本項では重点化に向けて変革課題をどのように選定すればよいのかを解説する。
企業を取り巻く環境変化に基づく場合には、それぞれの環境変化ごとに「変革課題マップ」での重点課題の設定~実現レベルの設定~業務のイメージや導入するソリューション、標準化するデータに至る一連の検討につなげる方法を解説した。
生産システム類型に基づく重点化においては「変革課題マップ」から各社の重点となる項目を設定する視点のふたつ目として、製造事業者がそれぞれ採用している生産システム特性によって生じる特有の課題との関係を整理した。

第5章:スマート化プロジェクトの設計方法
本項では、各社でスマートマニュファクチャリング構築プロジェクトを推進する際の実施ステップや各ステップにおける実施事項を示すとともに、プロジェクトを円滑に進めるための留意点について提示し、スマート化構想における企画、基本設計、ベンダー選定、実装の4つのフェーズについて解説する。本ガイドラインにおける目次構成は以下の通りである。

JMACが提唱するものづくりのスマート化について
JMACでは、従来より、ものづくり経営の根幹から出発し、スマートファクトリーのコンセプト設計から実装までを支援するためのフレームワークと検討ステップを研究し、2022年4月に書籍『スマートファクトリー構築ハンドブック』(株式会社日本能率協会マネジメントセンター刊)を出版をしている。
同書で、JMACがこれまで支援した多くの製造業の課題を基に、次世代工場におけるスマート化に向けて何を実現し、解決していくのかの「重点化」の視点として、『JMACスマートファクトリー・イメージセル』をまとめ、発表している。製造業の取り巻く環境変化に柔軟に対応し、技術の連鎖、情報の連鎖、ものの連鎖を組織をまたがる全体最適で考えるアプローチを提供している。
JMACが提唱する「次世代工場」の完成図
スマートファクトリー構築ハンドブック
書籍『スマートファクトリー構築ハンドブック』50のイメージセルがものづくりDXを具体化する著者:日本能率協会コンサルティング毛利 大/神山 洋輔出版社:日本能率協会マネジメントセンターA5判 272ページ本体3,080円(税込)

《株式会社日本能率協会コンサルティング 概要》
社 名 :株式会社日本能率協会コンサルティング (JMAC)
所在地 :〒105-0011 東京都港区芝公園3-1-22 日本能率協会ビル7階
     TEL: 03-4531-4300(代表) FAX: 03-4531-4301 
     https://www.jmac.co.jp
創 立 :1980年4月1日(創業1942年)
資本金 :2億5千万
社員数 :約370名
業務内容:
経営コンサルティング業。戦略、マーケティング&セールス、R&D、生産、TPM、サプライチェーン、組織・人事、BPR、ITビジネスなど、クロスファンクショナルなコンサルティングサービスを展開。

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